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冒険 496

子どもと一緒に山登り~長崎・七面山妙光寺で春の訪れを感じよう!

トレッキングやキャンプが人気!という話を聞いて、暖かくなってきたから子どもと一緒に「山登り」をしてみたいなーと思ったものの・・・「さて、どこに登ったらいいのだろう?」「何を準備したらいいんだろう?」と分からず、長崎市内のアウトドア用品店「山の店 ランタン」を訪ねてみました。
すると・・・「山登り、って構えずに、シチメンサンミョーコージだったらすぐ行けるでしょう」と意外な場所を薦められました。お。「七面山妙光寺」!「長崎市の鳴滝にあるお寺で、山の中にある印象ですよね・・・」と心配していると、「小学生ぐらいなら余裕で登れるわよ」とのこと。うちのチビちゃんはさすがにまだ無理(というか、途中で「抱っこー」となるとこっちがムリ)なのでまずは大人だけでトライしてみました。

スタートは路面電車の新中川町電停。北側(蛍茶屋方面に向かって左側)に渡って、国道沿いを蛍茶屋方面に少し歩いて、ヘアピンカーブのような道を左手に入り、まずは県立鳴滝高校を目指します。グラウンドの北側の道からさらに坂道をどんどん上がっていきますよー。

  • 路面電車の新中川町電停からGO!

  • ここがちょっと分かりにくかったのですが、鳴滝高校のグランドの北側の道を上っていきます

  • 道は細いですが、車も通るので十分に気を付けて歩いてください

住宅の間の道を上っていくのですが、幅が狭く、時々、車が通るので歩くのには注意が必要です。子どもたちなら、駆け出しそうなので、「クルマ!」「走らない!」と言いながら上るだろうなーと想像しました。
住宅街を抜け、周りに竹林や山林が見え始めると何だか、少し様子が変わってきました。木々をよく見ると、つぼみはまだ固いものが多いものの、先が少しピンクになっていて春の兆しを感じられます。
最後は階段をふうふう言いながら上って、妙光寺の本堂に到着。
ここは、およそ330年前の1696年(元禄9)に始まった日蓮宗のお寺です。本堂にはご本尊のほか、鬼子母神や大黒天がまつられています。江戸時代に境内や参道などが造られた際には、当時、長崎に住んでいた豪商やシーボルトの門下生も寄進したらしく、長い年月、長崎の町の移り変わりを見守っているお寺だと思うと感慨深かったです。

寺の周りで目につくサクラの木は、啓翁桜(けいおうざくら)が多く、この桜は早咲きなんだそうです。例年、2月末には咲き始めるそうで、ことし(2023年)もそろそろ咲きそうな気配。2月中に2分~5分咲きとなり、3月初旬から中旬には満開を迎えるそうで、とーってもキレイなんですって(もう一度、来よう!)。この辺りでは、最初に緋寒桜が咲き、啓翁桜、山桜、そしてソメイヨシノ、シダレザクラ、御衣黄(ぎょいこう)と続くそうです。わぉ!
それって、サクラの競演じゃないですかっ!ますます、見たい!この坂道をわざわざ上って来てでも見たい!来る楽しみがここにはありますよ。

  • お寺までもう少し!あした、足がガクガクするだろうなぁ・・・

  • 七面山妙光寺。本堂を覗いてみると、黄金の飾りがすごい

  • サクラの木のつぼみ。先がピンクになってきているよ

本堂に着いたし、春の訪れも感じられたし・・・と思っていたら、通りがかった人から「この上からの景色はもっとスゴイですよー」とのお声がけが・・・でも、この石段!「長坂」は人間の煩悩と同じ108段あるらしく、「いやいや・・・こ、これは・・・しんどすぎる・・・」と尻込みする気持ちもあったのですが、せっかくここまで来たのだから「ええーい、行ってみよう!」とさらに上ることに。
一段、一段、踏みしめるように歩いていると、途中で左側に入る小道がありました。「普賢瀧道」。先ほどの方が「途中に滝?というのかな、まぁ、滝があるんですよ」と言ってたっけ。ちょっと寄り道してみましょう。
山道を数分、進んでいくと・・・小屋のようなものがあり、その先に、ありましたっ!

  • さらに奥の院へと続く「長坂」。ひょえーー

  • この道しるべ、いつの時代に整備されたのでしょうか。雰囲気あっていいなぁ

  • 脇道にそれて、木々の中を歩く。静かで、気持ちが落ち着くね

滝!?
確かに、岩の間から水が流れている場所を発見。もっと、ざーっと流れ落ちるのを想像していたのですが、これはこれで何だか、不思議と心に残る「滝」でした。
元の道を戻らず、滝を背にさらに上っていくと、どうやら元の長坂をまっすぐ上ってきた道に合流できたようです。少し歩いて、ようやく、七面堂に着きました。ここはさらに静かで、古い文字が刻印された石や狛犬が置かれ、いったい、今がいつの時代なのかな・・・ちょっとタイムスリップしたような気分になりました。

  • 普賢瀧!?

  • 苔むした石段が続きます

  • 左の方に「文化三丙寅」とあり、調べてみると1806年のことのよう。読み解けるようになりたいものです

そして、振り向くと・・・わぉ!長崎港から女神大橋までが見える絶景、まさに絶景。
七面山妙光寺に上ってみれば、と教えてくれた山の店ランタンの方が「ただ、上るだけじゃなく、そこで何をするのか、が大事よね。そこに目的があるといいわよ」とおっしゃっていたのを思い出しました。確かに・・・。ここに水筒を持って来て、長崎の絶景を眺めながら温かいお茶を飲んだら最高の気分だろうなーと思いました(次は忘れずに!)。
そして、ここにも白やピンクの梅の花。柔らかそうな若葉も・・・春ですね、もう、春が来ているんですね。

  • 七面山妙光寺の七面堂の辺りから。これは絶景。もっと晴れた日に来たかった!

  • どんよりとした曇り空の日でも、気持ちを華やかにしてくれた色

  • 若葉。春の兆しがあちこちに

お寺の方によると、この寺は「四季を感じられる場所」とのことで、春はウメ、そしてサクラが次々と咲き、モクレン、アジサイ、そして若葉の頃を迎えます。秋には紅葉が美しく、冬の寒い季節でもツバキが赤や白の花をつけていて、「ここにいると、季節の移り変わり、自然の美しさを本当に感じることができるんです」と静かな声で教えてくださいました。
山登りはまだちょっと・・・というチビちゃんですが、実は妙光寺には駐車場もあり、車での参拝も可能なので(ただし、途中の道はとっても狭いので要注意)、サクラの美しく咲くころに連れてきたいなぁーと思いながら坂道をゆっくり下りました。

  • 奥の院の先から烽火山への登山口があり、途中で登山ルックの方をお見掛けしました

  • 本堂の周りに駐車場あり。ただ、途中の道の運転は厳しそうー

  • もうすぐ咲くよ。春だよ

文・写真:長崎はな
長崎生まれ。長崎で好きなものは、お刺身、一口餃子、対馬のはちみつ、佐世保バーガー、島原のかんざらし、諫早のうなぎ、チリンチリンアイス・・・。旅好き、食いしん坊がわんぱく盛りの「チビちゃん」と長崎県内をめぐります!

掲載日: 2023/02/28
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
七面山妙光寺
TEL
095-823-5857
住所
長崎市鳴滝3丁目420

長崎市鳴滝3丁目420

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
あり(無料)
営業時間
定休日
対象年齢
小学生~
料金
アクセス
・JR長崎駅から車で約20分
・長崎自動車道芒塚ICから車で約20分
・長崎電気軌道新中川電停から徒歩で約30分
公式サイト
七面山妙光寺(公式ホームページ) https://s-myoukouzi.jp/
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