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冒険 359

昔は捕鯨と炭鉱の町だった!西海市崎戸に出かけてみよう!

西海市崎戸町は蛎浦島(かきのうらしま)、崎戸島など大小複数の島から成る町です。かつては船でしか行けない離島でしたが、今ではいくつかの橋でつながり簡単に行くことができます。昔は捕鯨業や鉱業で栄えた崎戸を訪ねて探索してみましょう。

九州本土から崎戸に行くときにには大島大橋と中戸大橋を通って行きます。大島大橋は西海市西海町と大島を結び、中戸大橋は大島と蛎浦島を結んでいます。また、1971年には蛎浦島とその先にある崎戸島を結ぶ「本郷橋」が開通しました。この橋のおかげで、崎戸島の本郷まで車で通行できるようになり移動が便利になりました。

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    西海市西海町と大島を結ぶ大島大橋

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    蛎浦島と崎戸島を結ぶ本郷橋

崎戸に行ったらぜひ訪ねたいのが、崎戸歴史民族資料館です。もともと人口の少ない静かな離島だった崎戸がにぎやかになったのは江戸時代、捕鯨業が始まった時です。その捕鯨業もやがて終わりを迎えます。明治時代になると石炭が発見され、炭鉱の町として栄えるようになりました。その後石炭は石油に取って代わられたので、炭鉱は閉山となり崎戸はまた静かな町に戻りました。
史料館では捕鯨のパネルの前にイワシクジラの骨格標本を置いて当時の捕鯨の様子を解説しています。また、炭鉱コーナーには2体の工夫の人形が置かれ、坑内で石炭を掘る様子が再現されています。資料館のすぐ向かいには「炭鉱記念公園」があります。ここでは、坑道入口や煙突の跡などを見学することができます。

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    昔の捕鯨の様子を示すパネルとイワシクジラの骨格標本

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    炭鉱で働く工夫の様子を再現

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    史料館の向いには炭鉱記念公園があります。

崎戸歴史民族史料館でもう一つ見逃せないのが作家「井上光晴」に関する資料を展示している文学館と資料館の外に建てられた「井上光晴文学碑」です。井上光晴は1926年に福岡県久留米市で生まれ崎戸や佐世保で少年・青年時代を過ごしました。成長して小説家になり、第二次世界大戦後の混乱した日本の社会問題を取り上げ小説を書きました。九州を舞台にした作品には被爆者や部落の問題をテーマにした「虚構のクレーン」や九州の炭鉱閉山問題を扱った「階級」「胸の木槌にしたがえ」などの小説があります。

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    崎戸歴史民族資料館内に併設された井上光晴の文学館

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    文学館の展示風景

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    史料館の外に建てられた井上光晴文学碑

崎戸にはユニークで目をひくお魚バス停が4カ所にあります。「アラカブバス停」が3か所(蛎の浦、浅間町、福浦)で、残りの一つが「マダイバス停」です(今泊)アラカブは別名カサゴと呼ばれる崎戸特産の魚です。赤い皮に丸い斑点があるのが特徴。口を大きく開けたアラカブをモチーフにして作ったのがアラカブバス停です。バスを待つ時間が楽しくなりそうですね。
海に囲まれた崎戸には岩場や波止場など釣りを楽しめるスポットがたくさんあります。アラカブの他にもタイやアオリイカが獲れます。また、伊勢海老も特産の一つになっていて、一般に出回っているものよりも2倍から4倍も大きいものも獲れるとのことです。

複数の橋で繋がり、簡単に訪ねることのできる西海市崎戸町。この静かな町がかつて捕鯨業や鉱業で栄えていたことはあまり知られていないかもしれません。そんな崎戸町に出かけて昔の跡を訪ねてみるのはどうでしょう。この町には今回紹介したスポットの他にも、とんぼ公園や33度線展望台などもあります。そして時間があったらゆっくり釣りを楽しんでください!

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    崎戸の特産物「アラカブ」をモチーフにした楽しいバス停。

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    2匹のアラカブが並んだバス停もあります。

  • 実際のアラカブ(写真はイメージ)

写真提供:長崎県観光連盟ほか
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日: 2021/01/22
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館、お魚バス停
TEL
【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】0959-37-0257、【お魚バス停】0959-37-0064(西海市商工観光物産課)
住所
【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】〒857-3101 長崎県西海市崎戸町蛎浦郷1224-5
【蠣ノ浦アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷
【浅間町アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷
【福浦アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷
【今泊マダイのバス停】〒857-3102長崎県西海市崎戸町本郷

【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】〒857-3101 長崎県西海市崎戸町蛎浦郷1224-5

【蠣ノ浦アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷

【浅間町アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷

【福浦アラカブバス停】〒857-3101長崎県西海市崎戸町蠣浦郷

【今泊マダイのバス停】〒857-3102長崎県西海市崎戸町本郷

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】20台
【お魚バス停】なし
営業時間
【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】9:00~16:30
定休日
【崎戸歴史民族資料館・井上光晴文学館】月・祝日(12月29日~1月3日)
対象年齢
全年齢
料金
無料
アクセス
西海橋から車で約40分
公式サイト
https://www.city.saikai.nagasaki.jp/kanko/index.html
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