KTNテレビ長崎「ヨジマル!」で「冒険県 冒険する長崎プロジェクト」を紹介する第21弾!
今回は、城井静梨リポーターが、佐世保市に点在する「平戸八景」を巡ります。
「平戸八景」(正式名称:平戸領地方八竒勝)は、平戸藩10代藩主・松浦熈(ひろむ)が選んだ景勝地8か所のこと。すべて自然の力で作り上げられたものですが、近代以降の開発で風景が変化していく中、当時の姿を留める希少な景勝地として国の文化財に指定されています。
まず向かったのは、「眼鏡岩」。高さ10メートル、幅20メートル、厚さ6メートルの砂岩に直径8メートルと5メートルの穴が自然に開いている巨大な岩です。
この大きな穴は鬼が背伸びをした時に足があたって出来たという伝説も伝わっています。どれだけ大きい鬼だったんでしょうか…。
城井静梨リポーター。「平戸八景」の8か所を制覇するぞ!
まずやってきたのは、眼鏡岩。
鬼の足が当たって空いた穴という伝説も。
続いてやってきたのは「潮之目(しおのめ)」。早岐にある大村湾と佐世保湾をつなぐ幅10メートルほどの瀬戸です。奈良時代に書かれた「肥前国風土記(ひぜんこくふどき)」に、雷のような音を立てながら流れる情景が記されていて、その中の「速来」が「早岐」の地名の由来になりました。
3か所目は「福石山」。福石観音清岩寺の境内の北側の山手にあります。天然の洞窟の中に、かつては500体の羅漢仏があったと言われていますが、現在は約140体の羅漢仏が残されています。ここは、現在は山の中ですが、はるか昔は海だったということで、風や雨の力で大きなくぼみになったと言われているそうです。
「早岐」の地名の由来となった場所
福石山には羅漢仏が約140体残っています。
自然の力でこんなに大きなくぼみができたとは!
平戸八景の中には、変わった岩も。大きな岩に巨大な文字が彫られた「大悲観」です。藩主が岩に登り景色を見ようとしたところ家臣に止められ、この文字を掘らせたというエピソードが残っているんです。この大きな文字一つに米俵一俵分のお米が入るそうです。
次の平戸八景は佐世保にある神社の中で最も古いと言われている須佐神社の中にありました。「巌屋宮」は、海の浸食によってできた洞窟に祀られた神殿です。洞窟内は神域として侵入をはばかられていましたが昭和30年ごろに拝殿が建立され、現在は拝殿の中から巌屋宮を見ることができます。
「大悲観」高さ20メートルの砂岩の浸食残丘
佐世保市で最も古いと言われる須佐神社
「巌屋宮」幅10メートル、奥行き10メートルの、海によって浸食された洞窟
江迎町に移動してきた城井リポーター。ここで見つけた「平戸八景」は「高巌」、約30メートルの高さの砂岩岸壁です。青空に屏風のように巨大な岩が切り立っていました。
続いて、吉井町の潜竜ヶ滝公園に移動。ここに7つ目の「平戸八景」があります。
「潜龍水」は江迎川の最上流にあり、高さ約20メートルの滝です。滝つぼの深さは約6メートルあり、平戸藩主・松浦熈(ひろむ)はこの滝を神として祀り、神域として土足で入ることを禁じていたそうです。
「高巌」屏風のように切り立った岩は迫力があります。
潜竜ヶ滝公園の中に「平戸八景」があるんだって。
名前のとおり、龍が昇っているような「潜龍水」
最後の「平戸八景」は吉井町の御橋観音寺にある天然の「石橋」です。全長27メートル、幅4メートル、高さ20メートルの2本の天然の橋で、なんと古来は滝だったといいます。周辺は木々の緑に囲まれていて、神秘的な雰囲気。これからの季節、紅葉の名所としても知られています。
これからの行楽シーズン、皆さんも「平戸八景」を巡ってみてはいかがですか?
大きな日本の石の橋が頭上にドドーン!
秋は紅葉の名所としても有名です。
皆さんも、「平戸八景」巡ってみませんか?
※2020年9月17日に放送した内容を元に構成しました。
掲載日:
2020/10/02
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【眼鏡岩】〒857-0135 長崎県佐世保市瀬戸越町1266-1
【潮之目】〒857-1161 長崎県佐世保市早岐2丁目
【福石山】〒857-0854 長崎県佐世保市福石町24−5
【大悲観】〒857-0402 長崎県佐世保市小佐々町小坂免34番地1
【巌屋宮】〒857-0811 長崎県佐世保市高梨町1−9
【高巌】〒859-6123 長崎県佐世保市江迎町小川内
【潜龍水】〒859-6134 長崎県佐世保市江迎町田の元659-1
【石橋】〒859-6326 長崎県佐世保市吉井町直谷94