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潜竜ヶ滝公園には竜がいる!?徐福さん伝説もある3つの滝を見にいこう

佐世保市江迎町の潜竜ヶ滝公園は「潜竜水」とも呼ばれ、平戸八景のひとつに数えられています。「布引の滝」「不動の滝」「潜竜ヶ滝」という3つの滝を見ることができます。長崎県新観光百選の地にも選ばれている景勝地なのですよ。

「潜竜」という名前の由来には、こんな話が伝わっています。1829年に平戸藩10代藩主がこの地で滝をご覧になったとき、滝つぼから竜が頭を表しているように見えたそうです。その神聖さに感動したお殿様が「潜竜」と名付けられました。滝行や水行を行う場所でもあり、古くから聖域として大事にされている場所ですが、現在は公園として整備され、起伏にとんだ遊歩道で四季折々の自然を楽しむことができるのです。

MR潜竜ヶ滝駅のすぐ近くに潜竜ヶ滝公園入口の看板があります。緩やかな坂道をしばらく進み、車一台がやっと通れるような細い橋を渡ると、行き止まりが駐車場になっています。駐車場に車を停めて、赤い太鼓橋を渡って公園内へ。遠くから滝の音が聞こえてきますよ。段差が多いので、スニーカーを履いて出かけましょう!

  • 無料駐車場があります。

  • 赤い太鼓橋を渡って公園内へ。

  • 整備してありますが段差が多い道です。

公園内は緑がとても豊か。遊歩道は2本あって、どちらも滝に続いています。右側の遊歩道は最初に階段があって、その後はなだらかで木々に囲まれた道が続きます。左側の遊歩道は、最初は平坦な道で、最後に階段をのぼります。ベンチやトイレなどもあるので、ゆっくりと休みながら進むことができますよ。行きと帰りと違う道を通って、違う景色を楽しみましょう。

四季折々の自然と水音を楽しみながら進むと、龍王寺にたどり着きます。おとなしい犬のけんちゃんがいて、柵の中から挨拶してくれますよ。

龍王寺では「神の茶」を作っています。厚生労働省に医薬品として認められた薬草「日本山人参」のお茶です。「免疫力増強」「糖尿病改善」「滋養強壮」など10種類もの薬理作用が認められているそうですよ。お隣の松浦市まで薬草を採りに行き、お寺の庭で干して調合し、販売しているのです。北海道など遠くからでもお茶が欲しいといらっしゃるとのこと。ちょっと独特な味ですが、子どもでも飲むことができます。

実はこの薬草茶には古い歴史があります。約2200年前、中国から不老長寿の薬を探しに来た徐福さんによって伝えられたと言われています。
松浦に上陸した徐福さんが潜竜ヶ滝を訪れ、滝つぼに祈りをささげたところ龍が現れて、「巨石より湧き出る水」と「この地の薬草」を長寿の薬にせよ、とお告げがあったそうです。徐福さんは松浦で見つけた薬草と、潜龍ヶ滝の水とで不老長寿の神薬を完成させたと伝えられています。その調合は「龍王の秘伝」となり、現在でも薬草茶が作られているのです。

  • 左側の遊歩道にはベンチがあります。

  • 右の遊歩道は木々の間を進みます。

  • 龍王寺には秘伝の「神の茶」があります。

龍王寺のすぐ横には、小さなお地蔵様や竜の像があります。石段には左右に狛犬の像があって「ここから先は聖域ですよ」と教えられているような感じです。左手に大きな不動明王が安置されていて、展望所に続いています。布引の滝と不動の滝を見ることができる場所です。

展望所は広くて、中央にベンチもあります。大きな岩の間を水が落ちている滝の様子を間近に見ることができますよ。岩の上部で二つに分かれて落ちているのが布引の滝で、それがひとつになって落ちているのが不動の滝です。

しばらく滝を眺めて英気を養いましょう。この後は90メートル上流の潜竜ヶ滝へ行きますよ。階段と山道を登らなければなりません!

  • 狛犬とお地蔵さんが迎えてくれます。

  • 不動明王のそばに展望所があります。

  • 上段が布引の滝、下段が不動の滝です。

展望所を出て石段を登ります。「マムシに注意」の看板もあって、少しドキドキしました。道は整備されていますが階段が多いので、水分補給をしながらゆっくり進みましょう。途中で石の鳥居があります。鳥居に掲げられている石額には、平戸のお殿様が書かれたという「龍門」の文字を見ることができますよ。

10分ちょっと歩いて、ようやく潜竜ヶ滝に到着。20メートルの落差があり圧巻です。滝は2つに分かれて流れ落ちていて、水量の多いほうが男滝、少ないほうが女滝です。

轟音で話し声も聞こえないほどなのですが、不思議と静寂な雰囲気なのです。滝つぼは深さ6メートルで青い水がとても美しく、なぜこんな色になるの?と不思議です。虹もかかっていて、本当に竜が出てきそう!山道を登ってきた疲れが、ここで一気に吹き飛ぶことでしょう。夏は水しぶきがとても心地よく感じますよ。

  • 鳥居には殿様が書いた「龍門」の文字。

  • 潜竜ヶ滝は高さ20メートル。

  • 滝つぼには虹がかかっていました。

展望所から潜竜ヶ滝までの間には、あちこちに仏像や石碑が置いてあります。潜竜ヶ滝への道を登りきったところに、漢詩のような文字が刻まれた大きな岩もありましたよ。見上げないとわからない場所なので、見逃さないでくださいね。垂直の岩にどうやって登って、何を使って文字を上手に掘ったのでしょうか。とても不思議です。

行きは登り道なのであまり余裕がありませんが、帰りは道端や木の陰などに置かれた仏像や石碑をじっくり見ることができるでしょう。あちこちに安置してあるお地蔵さんの優しいお顔に癒されますよ。

潜竜ヶ滝周辺は明治時代までは女人禁制で、修行する行者が入る聖域だったそうです。なんだか清らかな空間にいるように感じました。竜に会えるかもしれない潜竜ヶ滝公園に行ってみましょう。自然の中を散策できて、心身ともにリフレッシュできるでしょう!

文・写真 tokotoko 旅と冒険と動物が大好きなフリーライター。佐世保市在住。地元のワクワクなスポットをご紹介します。

  • 岩に沢山の文字が刻まれています。

  • 八大龍王さまの像。

  • お地蔵さんの台座に竜の姿。

掲載日: 2019/11/28
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
潜竜ヶ滝公園
TEL
0956-66-8028 (龍王寺)
住所
〒859-6134 長崎県佐世保市江迎町田の元659-1

〒859-6134 長崎県佐世保市江迎町田の元659-1

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
あり(無料)
営業時間
定休日
対象年齢
全年齢
料金
無料
アクセス
JR佐世保駅から車で約40分
公式サイト
https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/639/
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