長崎県松浦市の海岸沿い及び伊万里湾に浮かぶ福島と鷹島には観光スポットがいくつかあります。今回は北からスタートするドライブコースを紹介します。

スタートは、松浦市の一番北にある鷹島と佐賀県唐津市を結ぶ「鷹島肥前大橋」。この橋の建築構造は「斜張（しゃちょう）」と呼ばれ、橋の何ヶ所かに塔を建て、そこから複数のケーブルを橋桁に向かって斜めに張ってつなぎ、橋を支えます。遠くから見るとこの斜めのケーブルがきれいな模様に見えます。橋の長さは1,251メートル。2009年に開通した無料の橋です。橋を渡って鷹島をぐるっと回ってみるといいですね。

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  鷹島肥前大橋は松浦市の鷹島と佐賀県唐津市を結んでいます。

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  ケーブルを斜めに張った「斜張」構造がきれいです。

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  空にすっと伸びる塔が壮観！

次の目的地は鷹島の南東にある福島。福島に行くにはいったん佐賀県に入ってから、福島大橋を渡ります。福島では大山公園と土谷棚田（どやたなだ）に行ってみましょう。大山公園は春には桜の美しい所として知られています。また、高台から伊万里湾に浮かぶ数多くの島が見渡せます。これらの島は通称「イロハ島」と呼ばれています。イロハという名前は島の数がイロハの48文字ほど多いというところからきています。
福島のもう一つの観光スポット、土谷棚田は日本の棚田百選に選ばれている美しい棚田です。昼間見る棚田の風景も美しいですが、夕方の棚田は夕日に赤く染まりまた格別です。４〜５月の田植えのシーズンには、その風景を写真に収めようとたくさんの写真愛好家が集まり、９月には「土谷棚田の火祭り」が開かれます。

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  福島にある大山公園からは伊万里湾のきれいな風景が展望できます。

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  日本の棚田百選に選ばれている土谷棚田

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  毎年９月には「土谷棚田の火祭り」が開かれます。

福島からまた佐賀県に戻り、海岸沿いに南に走り、伊万里湾大橋を越えてしばらく行くと、「宛陵寺（えんりょうじ）」に到着します。この寺院は今福松浦家の菩提寺です。この寺院で有名なのが本堂の天井に描かれた「天井絵」。全部合わせると89枚の絵があります。描かれているのは、干支の十二支の動物の他、鶴、亀、鳳凰などの動物、そして草花などです。天井中央にある龍の絵の中に落款が押されていて、それを見ると嘉永3年（1850年）という文字と片山舟水という名前が認められます。江戸末期に制作された天井絵であることがわかります。

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  松浦市今福にある苑陵寺

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  本堂の天井には89枚の絵が残されています。

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  天井画に描かれているのは十二支や草花の絵などです。

苑陵寺を後に海岸沿いの道を西に進むと道の駅「松浦海のふるさと館」に到着します。松浦市は昔、松浦党という水軍が活躍した所。そのため「水軍の郷」とも呼ばれます。今でも海と深い関係を持っている松浦市のこの道の駅では、水揚げされた鮮魚や水産加工品などが販売されています。特にアジやサバ水揚げ量は日本一。館内にある料理店ではアジフライ丼などの松浦ならではのおいしい料理も味わえます。道の駅ではその他、地元の農産物やお土産品も販売しています。ドライブの途中の休憩場所として立ち寄ってみてください。
この道の駅から南東に2キロほど行った所には不老山総合公園があります。アドベンチャーコーナーやバーベキューエリアがあり、春にはツツジが満開になる美しいレジャーパークですが、現在、土砂崩れのために、不老山総合公園へ向かう道路が通行止めになっています。復旧には、かなりの時間がかかるとのことで現在は残念ながら利用できません。復旧されたらぜひ足を運んでみてください。

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  道の駅「松浦海のふるさと館」ではおいしい海産物を販売しています。

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  春になるとツツジが満開になる不老山総合公園は、現在土砂崩れのため利用できません。

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  11万本のツツジで山肌がピンクに！

松浦市のドライブの最後は「星鹿城山展望所（ほしかしろやまてんぼうじょ）」です。らせん状のゆるやかなスロープが特徴のこの展望所は、バリアフリーになっているので、車いすやベビーカーでもアクセスが可能。この展望所のある城山エリアは、ちょうど海につき出したような地形をしているので、展望にはぴったりの場所です。スケールの大きな素晴らしい風景や夜景が楽しめます。展望台までの道は道幅が狭いので車の運転には気を付けてください。

伊万里湾に面した松浦市の海岸沿いをドライブするコースを紹介しました。本土と島をつなぐ大橋や美しい棚田、そして寺院の天井に描かれた絵画や展望所など、きっと楽しく充実したドライブになることでしょう。ぜひ出かけてみてください。

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  らせん状の緩やかなスロープが特徴の星鹿城山展望所

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  スケールの大きな素晴らしい風景が展望できます。

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  ©まつうら観光物産協会
  夕焼けに映える展望所のシルエットも素敵

写真提供：長崎県観光連盟、一般社団法人 まつうら観光物産協会
文：Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ！そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日： 2020/04/21
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