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「祈りの島」五島列島で教会巡りをしよう!

長崎港から西に100キロほど行った所にある五島列島。美しい海に囲まれたこの五島列島には、驚くことに、全部で50もの教会があります。そのうち、複数が世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として登録され、また、国の重要文化財に指定されている教会もあります。そんな教会を訪ねて「教会巡り」に出かけてみましょう!

頭ヶ島天主堂(かしらがしまてんしゅどう)は、五島列島の北部頭ヶ島にある全国でも珍しい石造りの教会堂です。教会の後ろにある高台をドライブすると、眼下に頭ヶ島天主堂と白浜集落が、そして海の向こうにロクロ島が見えます。頭ヶ島では、1軒の家をのぞき、すべての家庭がキリシタンだったと言われています。明治時代に「五島崩れ」という潜伏キリシタンの迫害が起きたときに、こうした信者たちは牢から逃げ出して島を離れましたが、迫害が終わると島に戻りこの天主堂を建てました。1917年のことです。この天主堂がある頭ヶ島集落は世界遺産の構成資産に登録されています。

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    頭ヶ島の天守堂は全国でも珍しい石造り。潜伏キリシタンが建てました。

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    海の見える丘に墓地が作られています。

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    高台から見える頭ヶ島天主堂と白浜集落。海を隔ててロクロ島も見えます。

江上天主堂(えがみてんしゅどう)は、五島列島のちょうど真ん中にある奈留島(なるしま)にある教会です。江上地区では1881年に4つの家族が洗礼を受け、その後キリスト教が広まって行きました。その後1906年に簡素な教会ができ、1918年、現在の教会に建て替えられました。
この教会は木造建築で、様式はシンプル。クリーム色の板張りの壁と水色の窓枠が印象的です。江上天主堂は、2008年に国の重要文化財に指定され、2018年には江上天主堂とその周辺が世界遺産の構成資産に登録されました。

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    クリーム色の板張りの壁と水色の窓枠がきれいな江上天主堂。

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    江上天主堂周辺は世界遺産の構成資産に登録されています。

旧五輪教会堂(きゅうごりんきょうかいどう)は、五島列島の北から2番目にある久賀島(ひさかじま)に建てられた教会です。
久賀島では禁教令によって、200人以上の人が狭い牢屋に閉じ込められ、その内42人が亡くなるという悲しい歴史が残っています。
禁教が解かれると、1881年に浜脇教会が建てられましたが、1931年に五輪教会として移築されました。さらに時代が進むと、教会の建物が傷んだため、解体して新しい教会を建てることに。ところが、その際に五輪教会の価値が認識されたので、その建物を残したままで、新しい教会が隣に建てられました。
教会の屋根は瓦葺で壁は板張り。その一方、窓やアーチなどが洋風であるため、和洋折衷の建築様式様式になっているのが特徴です。この教会は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「久賀島の集落」に建てられています。

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    五島崩れというキリシタン迫害の歴史が残る久賀島にある旧五輪教会堂。

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    解体寸前にその価値が認識された旧五輪教会堂は和洋折衷の建築様式。

青砂ヶ浦天主堂(あおさがうらてんしゅどう)は、五島列島の中でも北部に位置する中通島にあります。このエリアにいつごろからキリシタンが住むようになったのかははっきりしていません。
教会堂は日本人の手で建てられた赤レンガの洋風な建物です。威風堂々とした雰囲気が漂いますが、1878年頃にはまだ小さな集会所でしかなかったと言われています。外観はもちろん内装や窓などに伝統的な教会の様式や意匠が取り入れられています。今のような教会堂が建てられたのは1910年。現在のものは3代目です。青砂ヶ浦教会は2001年に国の重要文化財に指定されました。

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    日本人の手で建てられた赤レンガ造りの青砂ヶ浦天主堂。

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    伝統的な様式と意匠が特徴。

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    天主堂の建物の前に立つ聖母マリア像。

以上、五島列島に数多くある教会の中でも世界遺産の構成資産に登録されている教会と、国の重要文化財に指定されている教会を紹介しました。こうした教会を見学するには「教会巡りツアー」に参加するのが便利ですが、レンタカーを借りて自分のペースで回ることもできます。五島列島では、「エコな旅をして欲しい」という目的で、レンタカーとして電気自動車が導入されました。ぜひ利用してください。
また、教会を見学するには事前の申し込みが必要なところもあるので、調べてからお出かけください。

きれいな海や自然が残っている所として知られている五島列島。その島々に50にものぼる教会があるということは驚きです。それぞれにさまざまな歴史を背負った教会を訪ね、また美しい建築様式を鑑賞してみるのはどうでしょう。五島列島のもう一つの顔が見えてくると思います。

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    五島列島の教会を訪ねるには「教会巡りツアー」に参加するものよいかも。

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    レンタカーとして導入された電気自動車で「エコな旅」を楽しんでください。

掲載日: 2020/04/03
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
頭ヶ島天主堂 / 江上天主堂 / 旧五輪教会堂 / 青砂ヶ浦天主堂
TEL
頭ヶ島天主堂 / 江上天主堂 / 旧五輪教会堂:095-823-7650(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター)、青砂ヶ浦天主堂:095-952-8011、教会巡りツアー:095-942-0964(新上五島町観光物産協会)
住所
【頭ヶ島天主堂】〒857-4102 長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638
【江上天主堂】〒853-2202長崎県五島市奈留町大串1131-2
【旧五輪教会堂】〒853-2172 長崎県五島市蕨町993-11
【青砂ヶ浦天主堂】〒857-4402 長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241

【頭ヶ島天主堂】〒857-4102 長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638

【江上天主堂】〒853-2202長崎県五島市奈留町大串1131-2

【旧五輪教会堂】〒853-2172 長崎県五島市蕨町993-11

【青砂ヶ浦天主堂】〒857-4402 長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
【頭ヶ島天主堂】あり(集落の環境保全のためできるだけシャトルバス等の利用をお願いします)
【江上天主堂】あり
【旧五輪教会堂】あり(教会堂まで徒歩10分)
【青砂ヶ浦天主堂】あり(ミサ時は一般観光客の利用不可)
営業時間
【頭ヶ島天主堂】9:00〜17:00
【江上天主堂】9:00~12:00 / 13:00~16:00 教会守駐在中、但しミサの時は見学不可
【旧五輪教会堂】8:30~12:00 / 13:00~16:30 教会守駐在、それ以外は、自由見学
※上記3つの教会を見学したいときは、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターに電話または公式サイトで事前に問い合わせを。
【青砂ヶ浦天主堂】9:00~17:00(ミサ、冠婚葬祭時には不可の場合もあります。 閉まっている場合もあります。)
定休日
【頭ヶ島天主堂】なし
【江上天主堂】月曜日
【旧五輪教会堂】月曜日
【青砂ヶ浦天主堂】なし
対象年齢
全年齢
料金
【各教会】無料
【教会巡りツアー】コースにより料金が変わるので公式サイトで確認。
アクセス
【頭ヶ島天主堂】有川港から車で約20分
【江上天主堂】奈留港から車で約20分
【旧五輪教会堂】福江港からフェリーで約20分。田ノ浦港から車で30分、その後徒歩10分
【青砂ヶ浦天主堂】有川港から車で約20分
公式サイト
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター http://kyoukaigun.jp/reserve/list.php
頭ヶ島天主堂 http://kyoukaigun.jp/visit/detail.php?id=16
江上天主堂 http://kyoukaigun.jp/visit/detail.php?id=15
旧五輪教会堂 http://kyoukaigun.jp/visit/detail.php?id=14
青砂ヶ浦天主堂 https://www.nagasaki-tabinet.com/junrei/707/
教会巡りツアー https://shinkamigoto.nagasaki-tabinet.com/junrei/10429
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