長崎市のすぐ南に延びている長崎半島。その半島の先端の部分は野母崎（のもざき）の地名を取って「野母崎半島」とも呼ばれています。３方を海に囲まれたこの半島からは、西側に軍艦島も見え、夕日が美しいことでも知られています。そんな野母崎をドライブしながら探索してみましょう。

権現山（ごんげんやま）展望台は野母崎だけでなく日本本土としても最西端にあるスポットです。標高１１５メートルの高台に作られたこの展望台からは、軍艦島、五島列島、天草など広い範囲の風景が展望できます。展望台の敷地内には、昔外国船の到来などを監視する場所として使われたことを説明する看板が立っています。現在では、写真愛好家にも人気のあるところで、例えば冬になると鶴の群を撮影するカメラマンがやってくるそうです。また、梅や桜、ツツジなどの季節の花も美しく、このエリアの住民の憩いの場にもなっています。

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  標高１１５メートルの高台に作られた権現山展望台

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  展望台から見た風景

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  展望台から見える軍艦島

「のもざき朝市」は2004年にオープンした生産者直売所です。野母崎三和漁協の約70人の組合員が水揚げした魚介類を入荷しています。朝市は8～12時まで開いていて大変な人気。建物はそれほど大きくないですが、特に土曜日は混みあいます。入荷されるのは一般の魚の他に、サザエやアワビなどもあり、とても新鮮なため、料理店や居酒屋の料理人などプロもやってきます。その他野母崎の名産として知られる焼きカマボコなども買うことができます。

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  2004年にオープンした比較的新しいのもざき朝市

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  朝市の建物はそんなに大きくないけれど土曜日にはたくさんの人がやってきます。

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  朝市内ではサザエやアワビも売っています。
  （写真はイメージです）

海のきれいな野母崎半島には「高浜海水浴場」と「脇岬海水浴場」があります。
高浜海水浴場は白い砂浜の周辺に木が茂り、そこにコバルトブルーの海の水が押し寄せます。その美しさから「新観光百選」「日本の渚百選」「快水浴場百選」「日本の水浴場８８選」などに選ばれています。
この海水浴場の近くには「夫婦岩（めおといわ）」と呼ばれる奇岩が立っています。２つの岩が仲良く並んでいるので付けられた名前で、今では２つの岩の間に綱が掛けられています。ぜひ夕日の沈むときに夫婦岩を眺めてみてください。
脇岬海水浴場は野母崎と樺島を結ぶ海岸線の中央にあり、２キロに渡って延びるビーチが特徴です。ここはセーリングなどマリンスポーツが盛んな所です。干潮になると「ビーチロック」と呼ばれる板状の岩が顔を出します。かなり大きなものなので長崎県の天然記念物に指定されています。

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  高浜海水浴場は美しいビーチとしていろいろな「百選」に選ばれています。

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  夕日を受けた夫婦岩はとても美しいです！

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  マリンスポーツが盛んな脇岬海水浴場では干潮になるとビーチロックが顔を出します。

樺島（かばしま）大橋は野母崎半島の東に横たわる樺島とこの半島を結ぶ橋です。「ランガートラス式」という構造で作られ、1986年に完成しました。橋の全長は２２７メートル、幅７．５メートル。赤いアーチがきれいな橋です。
樺島町の人口は2015年の国勢調査によると、743人。島は全体的に山地となっているため島の住民のほとんどが北部の漁港周辺に集中して住んでいます。

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  野母崎半島と樺島とを結ぶ全長２２７メートルの樺島大橋

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  樺島大橋はランガートラス式という構造で作られています。

樺島の南端には「樺島灯台」があります。1932年に海抜１００メートルの断崖に立てられた高さ１１．８メートルの灯台で、白い外壁が美しく輝きます。建設されて以来、この地域を行き来する船舶や漁船の安全を守ってきました。1971年に無線監視が導入されたため、灯台は無人化されました。その後、灯台の中には資料館が作られ、周辺は公園や駐車場などが整備されました。今では、樺島の観光スポットとして多くの人が訪れるようになっています。また村落との間には３キロにわたるハイキングコースも整備されているので、ぜひ散策を楽しんでください。

きれいな海に囲まれた野母崎は静かで自然がたくさん残っている所です。遠くまで見渡せる展望台や鮮魚が手に入る直売所、そして美しい海水浴場や樺島灯台などの観光スポットを訪ねながら、この半島のドライブを楽しんでみてください。

写真提供：長崎県観光連盟ほか
文：Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ！そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

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  樺島灯台はこの地域を行きかう船舶や漁船の安全を守ってきました。

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  樺島南端の断崖に建てられた灯台は今では観光スポットになっています。

掲載日： 2019/10/04
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