長崎県新上五島町にある中通島と若松島。この２つの島の間の海にはたくさんの島が点々と浮かび絶景を造り出しています。島にある展望所から眺めたり、クルーズすれば素晴らしい景色が満喫できます。ではさっそく出かけてみましょう！

「若松瀬戸」は中通島と若松島の間に広がる海のエリアのことです。このエリアには桐ノ小島、上中島、下中島を初めとする約30の大小の島々が点在しています。瀬戸内海を思わせるようなその風景は「若松瀬戸」の名前にぴったり。リアス式の海岸線が美しいこのエリアは、西海国立公園の一部にも指定されています。

• 

  ©長崎県観光連盟
  若松瀬戸には、たくさんの島が点在しています。

• 

  ©長崎県観光連盟
  リアス式の海岸線が美しく絶景が楽しめます。

中通島と若松島を結んでいるのが「若松大橋」です。この橋は1991年に若松瀬戸にかけられた白い美しい橋。若松瀬戸の素晴らしい風景に一つのアクセントを与えてくれます。橋の長さは522メートル。橋の下に広がる海の中央付近には渦潮が発生することも。橋の近くにある広場を初め、いろいろな角度から写真を撮ることができます。この橋が開通したおかげで中通島と若松島の間の行き来が楽になりました。

• 

  ©長崎県観光連盟
  若松瀬戸に架けられた若松大橋。周りの美しい風景によくマッチしています。

• 

  ©長崎県観光連盟
  若松大橋は中通島と若松島を結んでいます。

若松瀬戸を観光するには、島をドライブしたり散策したりして楽しむ方法とクルージングをして楽しむ方法の２つがあります。
ドライブや散策で楽しむには、まず、若松瀬戸の東側にある中通島の三王山展望所に行ってみましょう。三王山は昔から信仰の山として親しまれてきた所です。山麓の荒川郷、八合目、そして山頂にそれぞれ神社が建てられています。
頂上には展望所があり、ここからは360度のパノラマが楽しめます。西に目を向けると眼下に荒川郷の村落が、そしてそこから若松瀬戸の美しい風景が広がります。

• 

  ©長崎県観光連盟
  三王山展望所に行く途中から見た風景。眼下に荒川郷の村落が見えます。

• 

  ©長崎県観光連盟
  高見から眺める若松瀬戸は絶景そのものです。

若松瀬戸の絶景を一望できるもう一つのスポット「龍観山展望所」は、若松島にあります。
遠くに白い若松大橋が見え、島が点々とする若松瀬戸を船が行きかう光景は、息を呑むほどステキ！展望所には広場があり、春になるとここに植えられている桜が満開になります。お花見やピクニックを楽しんでみるのはどうでしょう。朝早く行くと、野生のシカに出会うこともありますよ。
龍観山展望所からの眺めは、その美しさから長崎県新観光百選に選ばれています。

• 

  ©長崎県観光連盟
  龍観山展望所からは息を呑むほど美しい若松瀬戸の風景が一望できます。

• 

  ©長崎県観光連盟
  この展望所からは遠くに若松大橋も望めるんですよ。

若松瀬戸の観光のもう一つの方法であるクルージングは、若松港から出発します。
まず若松大橋の下を通り、水際に建てられた桐教会を遠望。そして「ハリノメンド」と呼ばれる奇岩や「キリシタン洞窟」を見学して、若松港に戻るというものです。
ハリノメンドの「メンド」とは五島の言葉で「穴」を意味します。つまり「針の穴」のことで、岩の中央に穴が開けられた変わった岩。その形が子供のキリストを抱く聖母マリアに見えると言われています。
キリシタン洞窟は、「五島崩れ」と呼ばれるキリシタンの弾圧が起きた時に、逃げてきた信者が隠れていた洞窟です。最終的には見つかってしまったのですが、1967年、そうした人達の悲しい人生を思い、洞窟の入口に十字架とキリスト像が建てられました。この洞窟には上陸して見学することができますが、天候により中止になることもあります。

エメラルドグリーンの海にいくつもの小島が点々とする若松瀬戸。その素晴らしい風景を、山頂の展望所から眺めたり、クルージングをして楽しんでみるのはどうでしょう。

• 

  ©長崎県観光連盟
  針の穴を意味する「ハリノメンド」は子どものキリストを抱いた聖母マリアのように見えます。

• 

  ©長崎県観光連盟
  若松瀬戸クルージングではキリシタン洞窟に上陸することができます。

写真提供：長崎県観光連盟
文：Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ！そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日： 2020/04/10
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。