佐世保港の一画にはたくさんの艦艇が停泊している倉島岸壁があります。海上自衛隊では艦艇の見学を通して海上自衛隊の任務を理解してもらう「倉島一般公開見学」を定期的に開催しており、護衛艦を間近に見ることができるチャンスとあって、井口さん親子が参加。あらかじめ見学できる護衛艦は決まっていて、撮影日の護衛艦は「あさひ」でした。
倉島岸壁で待っていたのは護衛艦「あさひ」の2等海尉飯田睦さん、2等海曹今里政哉さん、2等海曹江口沙希さんの三人。怖い人が待っているのではとちょっと心配でしたが、皆さん笑顔で迎えてくれて一安心です。
さあ、タラップを登って「あさひ」の中へ。といっても見学が許されているのは甲板のみ。ヘリコプターを格納する後方甲板からスタートです。
「基本的に海の上は揺れるので、床は滑ったりしないよう表面はガサガサしています。」と飯田さん。
真面目に話す飯田さんですが、「ほら、ここを見てください」と一点を示します。ヘリを係留する床の金具の周りに、何やら模様が・・
「ハート型ですね。遊び心で入れています」
お父さん、お母さんが思わず笑います。
佐世保市の倉島岸壁に到着して案内人の皆さんにご挨拶
左から今回案内していただいた護衛艦「あさひ」の飯田睦さん、今里政哉さん、江口沙希さん。
ヘリコプターを格納する場所からスタート!
格納場所の前にはヘリコプターが発着するヘリポートが広がっています。白い線はヘリコプターが着艦するときに迷わないための目印だそう。ガラスの窓で覆われたコクピットみたいなものは管制室です。ここから無線を使ってヘリコプターを誘導します。
見学コースは右回りで前方甲板に向かいます。次に案内されたのが魚雷防御装置。魚雷は音波を利用して相手にぶつかるので、「あさひ」から音波を発する物体を海に発射することで魚雷があたるのを邪魔するのだそうです。
製品名は「投射型制止式ジャマーランチャー」―、お父さんが口を挟みます。「邪魔をするからジャマーなんですか?」
「そうなんです!」と今里さん。ダジャレですか!
ヘリコプターが迷わないよう白い線が目印です。
コクピットみたいなのがヘリコプターの管制室
右上に見えるのが魚雷防御装置、ジャマーランチャー
今里さんが次に説明してくれたのが自走式デコイランチャー。攻撃してくる魚雷をおとりになって誘導するデコイを発射する装備だそうです。
高性能20mm機関砲など、攻撃のための装備もあります。機密事項もあって案内人の皆さんが答えられないこともありますが、最新鋭の装備にお父さんやお母さんは興味津々です。でも、子ども達にはちょっと難しいかな。
右に見える筒状のものが自走式デコイランチャー
高性能20mm機関砲
最新鋭の装備にお父さんは興味津々です。
「あさひ」の前方にやってきました。ひときわ目を引くのが62口径5インチ砲。本当に大きな大砲です。
「ここから大砲を撃ったら、弾はどこまで飛ぶと思いますか?」と飯田さん。
みんな真剣に考えて答えますが、当たりません。
飯田さんがこっそり耳打ちしてくれたその距離に井口さん親子はビックリです。
実際にどこまで飛ぶかは、護衛艦を見学して聞いてみてね。
見晴らしのいい甲板では、記念写真も撮影できます。井口さん親子が写真を撮影してもらおうとしていたら、ナント、「あさひ」の高岡艦長がやってきて特別に艦長の帽子を陽翔くんに貸してくれました。
敬礼姿の陽翔くん、カッコイイよ。
それを見ていたお父さんもたまらず艦長の帽子を借りてパチリ。大感激です。
62口径5インチ砲!大きいなあ〜
「あさひ」の高岡艦長も撮影風景を見学
艦長から特別に帽子を借りちゃった!
前方から再び後方へ戻る途中にも、案内人の皆さんがいろいろ装備を解説してくれますが、その口ぶりに「あさひ」が大好きなこと、また、国を守るという任務についての誇りを感じます。
最初にスタートしたヘリコプターの格納庫に戻ってきました。最後に皆さんと一緒に記念撮影で終了。約1時間半の護衛艦見学は、大満足の冒険でした。
*「倉島一般公開見学」は、天候や任務の都合で急遽中止、変更する場合もあります。公開の日程はホームページで確認してください。
文・写真 中尾知徳
スタート地点のヘリコプターの格納庫に戻ってきました。
案内人の皆さんと一緒に記念撮影
なかなかできない冒険に大満足でした。
掲載日:
2019/01/09
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
〒857-8555 長崎県佐世保市干尽町9番1号