炭鉱で栄え、最盛期には5,300人もの人が住んでいた軍艦島(端島)。
現在は無人島となった島ですが、2015年に世界遺産に登録され、再び注目を集めています。
今回は、30のアトラクションを通して、軍艦島のことを楽しくわかりやすく学べる「軍艦島デジタルミュージアム」に行ってきました!
1階で受付を済ませて2階へ上がると、目の前には大きなプロジェクションマッピングがあります。
全長30メートルのスクリーンには、約3,000枚の写真が投影され、軍艦島の当時の様子を見ることができます。
「軍艦島に台風が来たときに、建物の屋上から大波の見物をすることが娯楽だった」「緑無き島だった軍艦島では、子どもたちが屋上で青空農園をしていた」など、スタッフが丁寧に解説をしてくれます。
プロジェクションマッピングの向かいにはタッチパネルがあり、気になる質問をタッチすると、目の前の画面にその答えが表示されるアトラクションも。また、その横には画面上の軍艦島をマウスやコントローラーで動かして、まるで軍艦島を散歩している気分になれる「軍艦島3D散歩」の展示もあります。軍艦島は、30分で島内を一周できるほどの小さな島ですが、神社や映画館があったことがわかります。
モザイクアートで浮かび上がる軍艦島。
気になるものをタップすれば、目の前の画面に答えが映し出されます。
マウスで動かして細かなところまで見ることが出来ます。
奥へ進むと「採炭現場への道」というプロジェクションマッピングがあります。
炭鉱マンが家を出て、炭鉱現場へ行くまでの道のりをリアルな映像で見ることができます。
トロッコに乗って炭鉱内部を進む様子や、エレベーターで地下に降りる映像はとてもリアル。
画面に近い席の方が映像に入り込んで見ることができるので、ぜひ前の方に座って見てください。
その隣には、軍艦島のアパートの暮らしが再現された部屋があります。
炭鉱マンの給料はとても高かったらしく、当時は珍しかった多くの電化製品が家にあったことがわかります。
靴を脱いで実際に部屋に入れるので、まるでタイムスリップしたかのような気持ちになれますよ。
向かいにある映像ギャラリーでは、軍艦島の歴史を映像で学ぶことができる「History of Hashima」の上映と、ドローンで撮影した軍艦島の映像「UAV 3D 軍艦島」を見ることができます。どちらも上映時間が約10分と短めのため、気楽に見ることが出来ますね。
実際にトロッコに乗っているかのような臨場感です。
当時の暮らしが再現された部屋。
映像でわかりやすく学ぶことが出来ます。
3階に上がり左側へ曲がると、たくさんの展示物がズラリ。
立入禁止区域に仮想上陸することができる「軍艦島VR」では、まるで本当にその場にいるかのような臨場感を味わえます。また、軍艦島の空を飛べる「すすむVR」も。最先端技術で軍艦島を体感してください。
また、ここで見逃して欲しくないのが「軍艦島30号棟」の模型。
ひとつひとつの部屋を覗くこともできるので、当時の島民たちの暮らしを覗き見してみてください。
遊んでいる子どもたちや、お酒を飲んでいる人、寝ている人などがミニチュアで再現されています。
模型のすぐそばでは、実際に30号棟に住んでいた人たちのインタビュー映像を見ることもできますよ。
このエリアには軍艦島で実際に使われていた品々の展示もあります。
レコード、教科書、牛乳瓶などの日用品の展示だけでなく、中には給与書の展示も。
今は無人島ですが、実際に軍艦島で暮らしていた人たちがいたという事実をよりリアルに感じます。
VRで立入禁止区域を見ることが出来ます。
当時の品の展示も。
ひとつひとつの部屋から当時の暮らしを覗けます。
3階の右側のエリアに進むと、立体的なプロジェクションマッピングがすぐ目の前に。
元島民の写真やコメントが次々に投影されていき、島民たちの島への想いがひしひしと伝わってきます。
奥へ進むと「Wonder Island」という題名の水墨画があります。
一見普通の絵かと思いきや、目の前で絵に向かって手を振ると、その部分だけ絵が色づくという不思議な仕掛け。
ちなみにこの絵は、実際に軍艦島で採れた石炭を用いて書かれたそうですよ。
また、ジオラマ×デジタル映像で表現された「シマノリズム」では、150分の1サイズで再現された軍艦島を、デジタル映像の人々が動き回ります。建物と建物の間を歩く人や、プールで泳ぐ子どもたちなどがたくさん。いつまでも見ていたくなるようなおもしろさがあります。
立体的なプロジェクションマッピング。
「Wonder Island」
手を振った部分だけ色鮮やかな絵に早変わり。
「シマノリズム」
プールで泳ぐ子どもたちがデジタル映像で映し出されます。
4階に上がると、まずはタッチパネル式の軍艦島クイズに挑戦!
筆者も挑戦してみると、10問中7問正解することができました。
ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね。
軍艦島クイズを終えて振り返ると、そこには軍艦島のマスコットキャラクター「ガンショーくん」が!
お茶目なポーズをとって出迎えてくれました。
ガンショーくんに導かれ奥へ進むと、2019年8月24日に公開されたばかりのガンショーくんルームがありました。ガンショーくんルームには、かわいいガンショーくんの展示物がたくさんありますが、一番の目玉は壁で待ち構えるガンショーくんの口の中。スタッフに「手を入れてみてください」と案内され、恐る恐るガンジョーくんの口の中に手を入れてみると・・・?あっと驚く仕掛けがあります。ぜひご自身で体験してみてくださいね。
ガンショーくんルームにはパート2もあり、ここにはガンショーくんのCMの原画や絵コンテがズラリ。
「テレビで見たことある!」と子どもたちのテンションが上がること間違いなしです。
他にも、軍艦島にある急勾配の階段「地獄段」を再現したセットで、コスプレをして写真を撮ることが出来たり、MR(ミックスド・リアリティ)ホロレンズを用いたコンテンツで、バーチャル空間と現実世界の融合を楽しんだりと、子どもたちが夢中になる仕掛けがたくさん!ガンショーくんのグッズ販売もあるので、こちらもぜひお見逃しなく。
軍艦島デジタルミュージアムは、今回紹介することができなかった展示物もまだまだたくさん!
資料が並んでいるだけでなく、VRを使って自ら体験したり、機械を自分で操作して学ぶことができる展示が多い印象でした。子どもたちも飽きずに楽しく、軍艦島のことが学べる施設ではないかと思います。
ちなみに、長崎県民の方は「ケンミン割」でミュージアム入館料が50パーセントOFFになります。(長崎県民であることが分かる身分証明書の提示要)。軍艦島クルーズとのセット割もあるので、軍艦島デジタルミュージアムであらかじめ知識を得たあとに、実際に軍艦島に行くのもおすすめです。
最先端技術を用いて、軍艦島のことを楽しく学べる「軍艦島デジタルミュージアム」にぜひ行ってみてください!
文・写真:結子 生まれは長崎。育ちも長崎。大好きな長崎のワクワクをお届けします
振り返るとガンショ―くんが!
口の中に手を入れてみてください。
実際のCM撮影で使われた原画。
掲載日:
2019/10/11
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
長崎県長崎市松が枝町5-6