波佐見町の山奥にある楠本農園。オーナーである楠本和義さんは、林野庁が平成17年に認定した「日本の森の名手・名人100人」の一人で、自分の山でできる雑木(主にクヌギの木)を使って作る原木しいたけにこだわりを持った名人です。築90年を超えた趣のあるお家の前で迎えてくれた楠本さんは、挨拶もそこそこに、田中さん親子を山の中にあるしいたけ狩りができるハウスまで案内してくれました。ハウスの中に入ると、原木しいたけを栽培する原木が山積みされています。
楠本農園のオーナー、楠本和義さんが迎えてくれました。
楠本さんが、田中さん親子を山の中へ。
ハウスの中には、しいたけを栽培する原木が山積みされています。
原木をよく見るとしいたけが生えているのがわかります。「この木は、一番栄養分を蓄える秋に切って、1〜2ヶ月かけて枯らします。そうしたら、しいたけの菌を打ち込んで、2年かけてしいたけを発生させるんです」。原木しいたけは自然の条件に左右されるため手間暇がかかります。原木をつかわないしいたけ栽培が多くを占める中、楠本さんがこだわるのは、やっぱり歯ごたえとおいしさが違うから。それに、5〜6年かけて、栄養分がなくなった原木は、カブトムシのような虫が食べて糞になり、それをミミズが食べて栄養分を作り、植物が育つ自然のサイクルになっている・・。
今まで知らなかった話に田中さん親子も真剣に耳を傾けます。
「それじゃ、しいたけを穫る練習をしようか?軸の根元をひねってごらん。白いヒダ(傘の裏側)のところは触らないでね。痛みが早くなるよ」。言われるままに舞桜ちゃんと光舞ちゃんがやりますが、結構硬くて穫れません。「もっと力を入れて!」とお父さんとお母さん。力一杯ひねって、やっと穫れました。舞桜ちゃんと光舞ちゃんの顔に笑顔が広がります。
これが原木しいたけ!
しいたけに触って。さあ、穫る練習だよ。
やっと穫れた!嬉しいね。
さあ、しいたけ狩りです。「できるだけ傘が開いているのを選んでね」と楠本さん。家族それぞれ、おもいおもいにしいたけを探します。舞桜ちゃんは目を皿のようにして、しいたけをゲット!お母さんも負けじと競うようにしいたけをゲットしていきます。
舞桜ちゃんがしいたけをゲット!
お母さん穫れたよ!
お母さんもいい形のしいたけをゲット!
光舞ちゃんとお父さんも次々にしいたけをゲット。6歳の光舞ちゃんでも、低い位置に育っているしいたけが穫れるから、とっても楽しい!みんなのカゴがしいたけでいっぱいになっていきます。
さあ、これだけ穫れたら、後はいっぱい食べるだけ。楠本さんのお家に戻ります。
ついピースサインがでます!
みんなカゴいっぱいになったね。
しいたけ早く食べたい!
楠本さんのお家では、奥さんの初代さんが、炭火焼バーベキューの準備を済ませていました。しいたけを焼く前に舞桜ちゃんが初子さんに教えてもらって軸の硬い石突き(原木についていた部分)をハサミでカット。網の上にしいたけの傘の方を下向きに置いて炭火で焼きます。途中、味付けに塩をかけて、湯気が出始めたら裏返し。香ばしい香りが漂います。
さあ、食べましょう。舞桜ちゃんは一口食べて「おいしい!」。お母さんも「味が濃い!メッチャ、おいしい!」とビックリです。さすが、楠本さん自慢の原木しいたけです。特別に作っていただいたしいたけのてんぷらも本当においしかったです。
収穫するだけでなく、食べる楽しみがあり、さらに自然の豊かさを感じられる原木しいたけのしいたけ狩り。お客様とのふれあいを大切にする楠本さんご夫妻との語らいも印象深い冒険でした。
*通常の収穫体験は、試食はできません。
文・写真 中尾知徳
楠本さんの奥さん、初代さんが料理の手ほどき。
しいたけを炭火で焼きます。香ばしい香りが漂います。
一味違う原木しいたけ。家族みんな大満足です。
掲載日:
2018/10/31
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