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ほっと「息つく」生月島、歴史と自然を求めて出かけてみよう!

生月島(いきつきしま)は、長崎県平戸市の北西にある島です。平戸市の一番大きな平戸島のすぐ北になります。「生月」という名前は、昔、遣隋使や遣唐使が中国から日本に帰ってくる時にこの島を見て日本までもうすぐだと、ほっと「息をついた」ことから名付けられたと言われています。そんな生月島には独特の歴史や雄大な自然が残っています。さっそく出かけてみましょう!

まず、生月島に行くには隣の平戸島との間に架けられた生月大橋を渡ります。開通は1991年。最初は有料でしたが2010年から無料になっています。全長960メートルのスカイブルーが美しい橋です。海の中に2つの柱が立ち、その上に3つの弓なりの形状が作られています。柱の間の最長距離が400メートルあり、これが当時世界で一番長かったことから、1991年には土木学会の作品部門で優れた橋に贈られる田中賞を受賞。生月大橋のたもとの大橋公園には、観光案内所や売店などがあります。また橋から降りてくる道路の東側には舘浦魚港(たらうちぎょこう)が広がっています。

  • ©長崎県観光連盟
    スカイブルーが美しい生月大橋は全長960メートルです。

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    生月大橋のたもとにある大橋公園からきれいな生月大橋が見えます。

  • ©長崎県観光連盟
    大橋の東側には館浦魚港が広がっています。

生月大橋を渡ってすぐ西側にある大橋公園、そのさらに西側にあるのが「平戸市生月町博物館・島の館」です。島の館は2階建ての建物で、1階には主に生月島の主要産業だった捕鯨業に関する歴史や文化を示す資料が展示されています。特にジオラマからは、捕鯨の迫力が伝わってきます。館内には魚の剥製も展示。その数250点を越えます。常設コーナーには、「勇魚とりの物語(捕鯨)」、「島の暮らし(民俗)」、「フィッシャーマンズアリーナ(漁業を魅せる展示)」などがあります。

  • ©長崎県観光連盟
    平戸市生月町博物館・島の館の入り口付近には鯨の像が作られています。

  • ©長崎県観光連盟
    捕鯨の様子を示すジオラマは迫力に溢れています。

  • ©平戸市文化観光商工部
    ジオラマの上方には鯨の骨も展示されています。

キリスト教が日本に入ってきたころ、生月島は島民のほとんど全員がキリシタンになった場所であり、この信仰は特に今でも「カクレキリシタン」と呼ばれる信者によって受け継がれています。島の館の2階には、そうしたカクレキリシタンに関する歴史的な資料が展示されています。捕鯨で生まれた富がキリシタンの生活を支えたと言われており、この博物館の展示を見ると、生月島の捕鯨業とカクレキリシタンの歴史や文化が深いつながりを持っていることがわかります。

  • ©長崎県観光連盟
    2階には生月島のカクレキリシタンの信仰の歴史を伝える実物資料が多数展示されています。

  • ©長崎県観光連盟
    「カクレキリシタン」の民家を復元したもの

  • ©長崎県観光連盟
    こうした衣服も展示されています。

生月大魚籃観音(いきつきだいぎょらんかんのん)は、舘浦漁港近くの高台にたてられたブロンズ像です。3メートルの基壇の上に、高さ18メートルの観音像が着座しています。近くで見るとかなりの大きさ。観音像は、世界の平和と、海で亡くなった人々や魚介類の霊を追悼して1980年にたてられました。台座の中には、この観音像のミニチュア(10分の1の大きさ)や木彫り観音像など約70体が祀られており、中に入って見学することができます。

  • ©長崎県観光連盟
    3メートルの基壇の上に作られた高さ18メートルの生月大魚藍観音

  • ©長崎県観光連盟
    観音像は世界の平和と海で亡くなった人々や魚介類の霊を追悼してたてられました。

生月島は南北10キロに渡って細く伸びた島です。東側には平野が広がり町が発達していますが、西側は険しい山が海岸間近まで迫るエリア。この西側エリアの一部はその美しい風景から西海国立公園に含まれています。そしてこの海岸に沿って10キロに渡って続くのが「生月サンセットウェイ」と呼ばれる道路です。その名の通り、夕方になると美しい夕日を見ながらドライブすることができます。道路の突端には白亜の「大バエ灯台」があります。この灯台は海から約100メートルの断崖の上に作られたもの。灯台の上部は展望台になっていて、360度のパノラマが楽しめます。ここから眺める夕日はまた格別です。

長崎県平戸市の北部にある生月島。決して大きな島ではありませんが、この島には、昔栄えた捕鯨業や悲しいカクレキリシタンの歴史があり、また、美しい海と険しい山が織りなす大自然が残っています。平戸島との間に生月大橋があるのでアクセスも簡単。ぜひ計画して出かけてみましょう。

  • ©平戸市文化観光商工部
    生月島の東側は、海岸間近まで険しい山が迫ります。このエリアに作られた「生月サンセットウェイ」を走りましょう。

  • ©長崎県観光連盟
    島の北側の突端にある大バエ灯台は海から100メートルの断崖の上にたてられています。

  • ©平戸市文化観光商工部
    灯台上部の展望台からきれいな夕日を眺めましょう。

写真提供:長崎県観光連盟、平戸市文化観光商工部
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。
スポット情報

掲載日: 2020/04/24
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
生月大橋 / 平戸市生月町博物館・島の館 / 生月大魚籃観音 / 大バエ灯台
TEL
生月大橋:0950-53-3380(生月大橋管理事務所)、平戸市生月町博物館・島の館:0950-53-3000、生月大魚籃観音:0950-53-1113(生月観音堂)、大バエ灯台:0950-22-4111 (平戸市観光課)
住所
【生月大橋】〒859-5373 長崎県平戸市春日町呼崎1-4
【平戸市生月町博物館・島の館】〒859-5706 長崎県平戸市生月町南免4289-1
【生月大魚籃観音】〒859-5704 長崎県平戸市生月町山田免570-1
【大バエ灯台】〒859-5707 長崎県平戸市生月町御崎26-2

【生月大橋】〒859-5373 長崎県平戸市春日町呼崎1-4

【平戸市生月町博物館・島の館】〒859-5706 長崎県平戸市生月町南免4289-1

【生月大魚籃観音】〒859-5704 長崎県平戸市生月町山田免570-1

【大バエ灯台】〒859-5707 長崎県平戸市生月町御崎26-2

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
【生月大橋】あり
【平戸市生月町博物館・島の館】あり(無料56台分)
【生月大魚籃観音】あり
【大バエ灯台】あり(無料20台分)
営業時間
【平戸市生月町博物館・島の館】9:00~17:00
【生月大魚籃観音】8:30~17:00(11月~2月は16:30まで)
定休日
【平戸市生月町博物館・島の館】1月1日・2日(燻蒸等による特別休館有)
対象年齢
全年齢
料金
【平戸市生月町博物館・島の館】
大人 520円
高校生 310円
小中生 210円
アクセス
【生月大橋】平戸大橋から車で約30分
【平戸市生月町博物館・島の館】生月大橋から車で約2分
【生月大魚籃観音】生月大橋から車で約7分
【大バエ灯台】生月大橋から車で約30分
公式サイト
生月大橋 https://www.city.hirado.nagasaki.jp/kanko/shizen/shi07.html
平戸市生月町博物館・島の館 https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/590/
生月大魚籃観音 https://www.city.hirado.nagasaki.jp/kanko/bnka/bnk05.html
大バエ灯台 https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/595/
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