全長約300メートルの西海橋・新西海橋の真下を流れる伊ノ浦瀬戸は、日本三大急潮の一つに数えられるほど、激しい潮の流れで有名です。
冒険カーで伊ノ浦港に向かった原口さん親子を迎えてくれたのは、わかめ漁師の湯川和昭さんと船長の山内和博さんです。
今回の冒険は「わかめ採り」。わかめ採りは2月半ば〜4月終わりが旬です。
「激しい潮の流れに揉まれるので、ここのわかめはおいしいですよ」と湯川さん。
さぞかし、原口さん親子もわかめ採りを楽しみに・・・、と思っていたら、愛菜ちゃんから衝撃の一言。
「わかめ、嫌い!」
エーッ、愛菜ちゃんそんなこと言わないで!
潮の流れが止まっている間にわかめ採りの場所へ出発!
巨大な針尾の無線塔を眺めながら、風を切って走る船の上はチョー、気持ち良い〜!
港からは新西海橋と西海橋が見えます。
原口さん親子は船でわかめ採りへ。楽しみだね。
針尾の無線塔を眺めながらわかめ採りの場所へ。
5分ほど船で走ってわかめ採りができる場所へ到着。船を碇で固定して、湯川さんがわかめを採る専用の棒を取り出します。4メートルほどの棒の先には特殊な卍型の刃がついています。
「それじゃいいですか?海の中に黒いところが見えるでしょ。あれがわかめです。わかめは根っこが岩にしっかりとくっついています。それで、この棒を海の中に入れて、わかめを絡めて右に10回転させます。1、2、3、・・、ハイ、10回、そうしたら棒を引き上げます」
湯川さんが棒をゆっくり引き上げると、棒の先に茶色いわかめがひっかかっています。
目の前で初めて生のわかめを見た子どもたちは、「ワー、スゴイ!」とビックリ!
湯川さんが専用の棒を使って、わかめ採りの方法を教えます。
棒の先にはわかめがひっかかっています。
「ワー、スゴイ!」と子どもたち。
それじゃあ、お兄ちゃんの武龍くんからやってみよう!
わかめがありそうな場所をめざして棒を海中に突っ込んで、10回右に回転させます。
「そうそう、その調子!」と湯川さん。
さあ、引き上げようとしたら、
「重い!」と思わず武龍くんが叫びます。
わかめが意外に重く、湯川さんが引き上げをお手伝い。
卍型の刃に、たくさんのわかめがひっかかっています。船の上で、刃から丁寧にわかめを離します。
お兄ちゃんの武龍くんからやってみよう!
湯川さんのお手伝いを借りて、棒を引き上げます。
刃にはわかめがいっぱい引っかかっています。
次に奈那美ちゃん、愛菜ちゃんが挑戦です。こちらも棒を回転させるまではできますが、引き上げはできません。お父さんやお母さんも力を合わせて棒を引き上げます。
「ソーレッ!」
上がってきたわかめにみんな大喜びです。
「みんな触ってごらん」と湯川さんの声に、我先にと子どもたちがわかめに触ります。
「硬い!」
「ヌルヌルしてる!」
食卓のわかめしか知らない子どもたちにとっては不思議な感じです。
30分ほどで、20リットル程度の釣り用のバッグいっぱいのわかめをゲットできました。
奈那美ちゃん、愛菜ちゃんも挑戦!家族みんなでわかめを引き上げます。
初めて生のわかめに触ったら・・・
こんなにわかめをゲットできました。
採れたわかめは、湯川さんのお宅で調理します。沸騰した鍋のお湯に生のわかめを投入すると、アッと言う間に茶色から鮮やかな緑色に変わります。不思議!
次に水で冷やしたら、湯川さんの奥さん、輝久江さんが茎と葉の部分を手で分ける方法を教えます。
茎と葉をわけるのは、コツがいるのでそう簡単にはできないのだそうですが、
「オー、お兄ちゃん上手だね。今度手伝いに来てよ」
褒められた武龍くんは照れくさそうです。
作業が終わったら、みんなが採ったわかめをいただきます。
「柔らかい!」
「おいしい!」
わかめ採りに行く前は「嫌い!」といっていた愛菜ちゃんも満足の味です。
テーブルの上には、わかめのお吸い物や地元の野菜などを使った輝久江さん手作りの料理が所狭しと並び、まるでピクニックのよう。楽しいひとときでした。
わかめ漁師、湯川さんは「和(かず)んち」という民泊体験を行っていて、春はわかめ、夏はマダイ釣りなどが楽しめるほか、絶景の西海橋クルージングなども行っています。湯川さんご夫婦の和やかな雰囲気に魅せられたリピーターも数多くいらっしゃいます。
皆さんも、ぜひ、体験されてはいかがでしょうか?
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
お湯に入れるとアッという間に、茶色から鮮やかな緑色に変わります!
わかめを茎と葉の部分に分けます。子どもたちも一生懸命お手伝い!
みんなで採ったわかめをいただきます。「オイシイ!」
掲載日:
2019/05/15
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