大村市の「花菖蒲園」は、玖島城(大村城)の堀跡を活用して作られたもので、171種類およそ10万株のハナショウブが植えられています。およそ30万本が咲き誇るのは九州最大級だとか。ことし(2022年)は5月9日ごろから咲き始め、6月最初の週末あたりが満開になるとの予想です。
訪ねた時は「三分咲き」とのことでしたが、いやいや、それでも花をじっくり鑑賞し、お堀の周りの遊歩道をゆっくりと歩き、子どもとたっぷり写真を撮って(お城の石垣とハナショウブは絵になります!)、初夏の「花見」を堪能しました。
この玖島城は、1599年(慶長4)に大村藩の初代藩主・大村喜前(よしあき)が築城。三方が海に囲まれた難攻不落の城は、およそ270年にわたり大村氏の居城となりました。2代目藩主・純頼(すみより)は、1614年(慶長19)に築城の名手と言われた加藤清正の指導を受け、北側にあった「大手」(表)を南側に移していて、この時に今も残る高く反る形の石垣が作られたそうです。
「オオムラザクラ」でも知られる大村公園。
国道から公園内に入るとあるのが「長堀」。一面、ハナショウブです。
城の石垣とハナショウブ。絵になります。
城の堀跡を活用したこの花菖蒲園は、1961年(昭和36)に熊本から肥後系のハナショウブを移植したのが始まりです。
国道に面した北側の入り口から公園内に進むとまず見えてくるのが「長堀」。青や紫の凛とした花が何とも美しく迎えてくれます。
園内には「江戸系」「肥後系」「伊勢系」と3つの系統のハナショウブが植えられていて、長堀では「江戸系」を見ることができます。古くは、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の『堀切の花菖蒲』にも描かれた花。「江戸っ子好みのキリっとした」粋なところが、江戸系の特徴です。
長堀に咲く「江戸系」。
これで三分咲き・・・満開はもっとすごいんでしょうねー
キリっとした江戸系。そういわれれば、確かに、すっきりシャープかも・・・。
キリっとした江戸系に対して、「肥後系」は熊本を中心に栽培されたもので、花弁がゆったりと垂れ、力強く堂々としています。
長堀から南側へ進んだ「南堀」では江戸系、肥後系、そして伊勢系がそれぞれ咲いていて、花の特徴を見比べることができます。
じっくり見てみると、確かに肥後系はゆったりした花、という印象。
そして、「伊勢系」は、三重県伊勢松坂で品種改良された「女性的で繊細」花なのだそう。肥後系を鑑賞した後だからか、ちょっとはかなげな感じに見えました。
南堀。東屋もあって、ゆっくりできるー
「肥後系」。花弁がゆったりとしてるのが特徴です。
「伊勢系」。ちりめん地が印象的です。
6月中旬ごろまでは楽しめるという大村公園のハナショウブ。花の終わりまでは、毎日23時までライトアップされています。
また、6月5日(日)には「おおむら花菖蒲まつり」も開催され、ステージイベントや出店で賑わいそうです。
遊歩道をゆっくり歩いて、およそ1時間の散策。日差しが強くなってきましたので、日よけの帽子や日傘、タオル、飲み物を忘れずにお越しください!
写真を撮るのも楽しかったー。とっても美しいー
堀の周りは遊歩道に。ウォーキングするのにぴったりのコースです。
サクラ、ハナショウブが終わると・・・もう夏ですね。
文・写真:長崎はな
長崎生まれ。長崎で好きなものは、お刺身、一口餃子、対馬のはちみつ、佐世保バーガー、島原のかんざらし、諫早のうなぎ、チリンチリンアイス・・・。旅好き、食いしん坊が長崎県内をめぐります!
掲載日:
2022/06/02
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大村市玖島1丁目43