濃いピンクの美しい緋寒桜に誘われて、雲仙市国見町の神代小路(こうじろ・くうじ)を訪ねました。まるで、タイムスリップをしたかのような、歴史を感じさせる街並みです。
神代小路は、島原鉄道「神代駅」から歩いて10分ほど、国道251号から長浜海水浴場の近くの交差点を神代小学校方面に車で入って3分程度のところ、鍋島邸や武家屋敷の永松邸などが点在するおよそ9.8ヘクタールの住宅地を指します。2005年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されていて、江戸時代の街並みが今に残るエリアです。
鍋島邸から臨む神代小路の街並み。静けさが心地よい
中からお侍さんが出て来そうな・・・
訪れた日はぽかぽか陽気で、青空が美しいー
この地区は、江戸時代には佐賀藩(鍋島藩)の飛び地として知られています。元禄時代には神代小路の街並みが整備され、武家屋敷が立ち並んだそうで、国の重要文化財でもある「旧鍋島家住宅(鍋島邸)」は元々は「陣屋」だった場所に昭和初期に建てられました。
入場料を払って、さっそく中へ。一部2階建ての大きなお屋敷です。入ってすぐ目を引いたのは、池!鯉が泳ぐ池(泉水池)の周りをぐるりと廊下があり、たくさんの部屋が並んでいます。部屋の配置、古いガラスの入った格子窓、丁寧な細工の欄間や立派な調度品・・・どのような暮らしをしていたのか、想像するだけで楽しくなってきます。学校の授業で勉強する歴史だけでなく、どんな食べ物を食べていたのか、どんな衣服を着ていたのだろうか・・・考えてみたり、おうちの人たちと話してみたり、調べてみると、もっともっと歴史に興味がわくと思いますよ。
また、屋敷の周りにも江戸時代の建物や長屋門なども必見です!
池の周りがぐるりと廊下。とても落ち着いた雰囲気です。
調度品の一つ一つがとてもステキ。
どんな食事を作っていたのだろう・・・想像すると楽しいですね。
そして何と言っても、素晴らしかったのが、毎年2月下旬ごろから咲き始めるという緋寒桜(ひかんざくら)。濃いピンクがとても目を引きます。鍋島邸の庭園をのぼってみると、そこにも美しい緋寒桜が・・・メジロも見つけました!なんとも静かで時間が流れていて、本当に100年以上も前の時代にいるんじゃないかな、と思ったほど。
こちらの鍋島邸では水仙や椿、桜、藤・・・も楽しめるとのことで、咲く花々を楽しみながらのんびりと古き良き街並みの散歩を楽しむのも良し、地元の歴史を学びながら歩くのも良し、のどかな春の一日をお楽しみください。
鍋島邸の庭園の緋寒桜。
まだつぼみもあり、もうしばらく緋寒桜は楽しめそう(2022年3月6日現在)
神代小路の家々でも、緋寒桜が見ごろ。青空に映えて美しい。
文・写真: 文:長崎はな
長崎生まれ。長崎で好きなものは、お刺身、一口餃子、対馬のはちみつ、佐世保バーガー、島原のかんざらし、諫早のうなぎ、チリンチリンアイス・・・。旅好き、食いしん坊が長崎県内をめぐります!
掲載日:
2022/03/10
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長崎県雲仙市国見町神代丙103番地1