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緑豊かな庭園や眼鏡橋のある諫早「高城回廊」を歩いてみよう!

「高城回廊」は諫早市の中心部近くにある一周約1.3キロの散策路です。水路や公園、そして史跡を結ぶため「水と緑の文化の路(みち)」と呼ばれています。

高城回廊を歩くにはどこからスタートしても良いのですが、道路の反対側にある諫早図書館からスタートするとスムーズに一周できるでしょう。この図書館の西側には、諫早市出身の漢詩人「野口寧齋(のぐちねいさい)顕彰碑」があります。野口寧斎は、明治時代の詩人・歌人として知られる正岡子規と肩を並べる有名な人物で、碑には、「日本を代表する漢詩人、諫早文庫の創設者」という文字が刻まれています。

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    諫早図書館の横に建てられた野口寧齋顕彰碑

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    緑の多い高城回廊

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    散策路は公園につながっています。

図書館のすぐ近くの、県立諫早高校の敷地内に残るのが「御書院(ごしょいん)」です。見学には専用門から入ります。「御書院(ごしょいん)」は江戸時代、諫早家の初代「龍造寺家晴(りゅうぞうじいえはる)」によって作られました。廻遊式の日本庭園は約6,700平方メートルの広さを持つ立派なもの。庭園内には太鼓橋や樹齢500年以上のクスノキ、また、月見灯籠などが配置され趣のある雰囲気を作り出しています。
また、庭園内にある池は本明川につながる小野用水から水を引いて作られていて、かつてはこの池にオシドリがやってきていて、国の天然記念物に指定されていました。ただ、残念なことに、1957年に起こった諫早大水害によって土砂で池が埋まったため、天然記念物の指定は解除されてしまいました。
御書院の敷地は大正時代、諫早県立中学校を建てる時に諫早家から寄付され、後に県立諫早高校になりました。

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    廻遊式庭園が美しい御書院

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    御書院は諫早家の初代によって作られました。

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    庭園内には月見灯籠や太鼓橋などが置かれ趣があります。

御書院の敷地内にはかつて屋敷が建てられていて、佐賀藩主が客を接待するのに使っていたという記録が残っています。その屋敷はすでに取り壊されてしまいましたが、今は庭園内に茶室が建てられています。
茶室は伝統的な日本式の建物で、畳を敷いた部屋から御書院の美しい庭園を眺めることができます。普段は施錠していますが、事前に諫早高校に電話連絡をすれば内部を見学することができます。

  • ©長崎県観光連盟
    御書院の庭園内に建てられた茶室

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    伝統的な日本式の室内からは庭園が眺められます。

  • ©諫早観光物産コンベンション協会
    茶室の中は諫早高校に連絡すると見学することができます。

御書院を後に高城回廊をさらに歩いて行くと、疎水(そすい)「小野用水」に出ます。疎水とは、灌漑や船の運搬などの目的で作った水路のことです。小野用水が作られたのは今から約200年前のこと。農業用水として本明川から水を引いて作ったもので、長さは8.5キロ。下流の開拓地の水田に水を供給する役割を果たしていました。今では、諫早市の緑化計画の一環として整備され、環境保護の立場から大切な役割を担っています。
小野用水は1943年に、農林水産省の「疎水百選」に選ばれています。

©諫早観光物産コンベンション協会 「疎水100選」に選ばれている小野用水

高城回廊散策の最後は諫早公園にある「眼鏡橋」と、その東側にある「高城公園」を訪ねましょう。
諫早公園は、高城城の跡地を公園にしたもので「日本の歴史公園100選」に選ばれています。この公園は別名「ツツジ公園」と呼ばれるほどたくさんのツツジが楽しめるほか、樹齢約600年の大クスノキも見ることができます。
園内には、長さ50メートルの「眼鏡橋」が作られていて、レトロな石造りが公園の緑に良く映えます。2つのアーチでできたこの諫早の「眼鏡橋」、有名な長崎市の眼鏡橋と比べると、「目」が「切れ長」なのが特徴です。1958年に国の重要文化財に指定されました。
眼鏡橋から道路を隔てたところには、高城公園が作られています。園内の中央付近には、「大悲観世音像」があります。これは、諫早大水害で亡くなった方たちの冥福を祈るために建てられたものです。また、園内には「じゃぶじゃぶ水路」が作られていますから、気温が高くなったら遊んでみましょう。

諫早高校の敷地内に残る御書院や国の重要文化財に指定されている眼鏡橋、そして諫早の開拓を支えた小野用水など諫早市の歴史に触れながら、緑多い自然の中の散策が楽しめる高城回廊。ぜひ出かけて「水と緑の文化の路」を歩いてみてください。

  • ©長崎県観光連盟
    国の重要文化財に指定されている諫早公園の眼鏡橋

  • ©長崎県観光連盟
    樹齢約600年の大クスノキ

  • ©長崎県観光連盟
    高城公園に建てられた大悲観世音像

写真提供:諫早観光物産コンベンション協会、長崎県観光連盟

文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日: 2021/05/31
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
御書院、諫早公園
TEL
【御書院】0957-22-1500(諫早市役所 総務部秘書広報課)
【御書院の茶室】0957-22-1222(県立諫早高校)
【諫早公園】0957-22-1500(諫早市緑化公園課)
住所
【御書院】〒854-0014 長崎県諫早市東小路町1-7(諫早高校敷地内)
【諫早公園】〒854-0016 長崎県諫早市高城町772

【御書院】〒854-0014 長崎県諫早市東小路町1-7(諫早高校敷地内)

【諫早公園】〒854-0016 長崎県諫早市高城町772

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
営業時間
【御書院】10:00〜16:00
(3月1日〜5月31日、9月1日〜11月30日、その他の月は土・日、祝日に見学可能)
定休日
【御書院】月曜日
対象年齢
全年齢
料金
【御書院】なし
【諫早公園】なし
アクセス
【御書院】JR諫早駅から徒歩約5分
【諫早公園】JR諫早駅から徒歩約10分
公式サイト
御書院 https://www.city.isahaya.nagasaki.jp/post03/1501.html
諫早公園 https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/315
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