新上五島町の特産品といえば、日本三大うどんの一つに数えられる五島手延うどんですね。
冒険家族、橋本さん親子が向かったのは、五島手延うどん発祥の地と言われる船崎郷の「船崎饂飩伝承館」。
迎えてくれたのは、田下義徳さんです。
「今日は、五島手延うどんを皆さんで作ってください」と田下さん。
館内で田下さんから説明を受けます。
「その昔、遣唐使によって中国からうどんが船崎に伝わり、広がっていったと言われていることから、船崎は五島手延うどんの発祥の地と言われています」
ヘエ〜、そうなんですね。
説明板を使って、五島手延うどんの作り方も教えてもらいます。これから昔ながらの製法を体験させてもらうのですが、時間短縮のため、部分的に体験させてもらうことにします。
橋本さん親子が向かったのは、新上五島町船崎郷の「船崎饂飩伝承館」です。
迎えてくれたのは、田下義徳さんです。
説明板を使って、五島手延うどんの作り方を教えてもらいます。
小麦粉と塩水をよくこねて、椿油を表面に塗った生地が、細く紐状に延ばされて用意してあります。
田下さんが椅子に座り、2本の竹管を木枠の穴に差込みます。
「それじゃ、私が見本を見せますね。この紐状になった生地によりをかけながら2本の管にかけていきます」
スッ、スッと両手を使って素早くかけていきます。
かけば(掛巻)作業と言うらしいのですが、キレイに、しかも太さが均一になる様は、まさに熟練の技です。
子ども達は、その動きに見とれています。
「さあ、みんなでやってみましょう」
小麦粉と塩水をこねて、椿油を塗った生地が用意してあります。
田下さんがかけば(掛巻)作業の見本を見せてくれます。
熟練の技に、子どもたちは見とれています。
みんなが分かれて、かけば作業に取りかかります。
右にかけるときは右によりをかけて、左にかけるときは左によりをかけて・・
頭で分かってはいても、実際にやるのは難しい!
でも愛ちゃんは、要領を飲み込んだのか、間違いなくかけられるようになりました。
「そうそう!いいね」と田下さんが褒めてくれます。
悠くんも田下さんから教えてもらい、時間はかかっていますが、丁寧にかけていきます。
想くんは、お母さんの下でよりをかける作業に専念。
作業が終わると木箱に集めます。
このまま2時間ほど寝かせるそうです。
みんなが分かれて、かけば作業に取りかかります。実際にやるのは難しい!
悠くんは田下さんに教えてもらって、想くんはお母さんと一緒に作業します。
かけば作業が終わったら木箱に集め、この状態で2時間寝かせるそうです。
田下さんが、作業室の奥から既に2時間寝かせた生地を運んできました。
「次は小引きです。生地を引っ張って延ばします」と田下さん。
2人1組になって、延ばすのですが、切れるのが怖くて、なかなか思い切って力を入れられません。
「もっと引っ張って!」
エイッと力を入れて引っ張ると、グーンと生地が延びます。
「切れないね〜!」とみんなビックリ!
延ばした生地はまた寝かせないといけません。田下さんが、既に寝かせておいた生地を運んできて、はたかけ作業に移ります。「はた」というのは干す器具のことを言います。
2人1組になって生地を引っ張ります。
エイッと引っ張ると、グーンと生地が延びます。「切れないね〜」とビックリ!
はたかけ作業に移ります。「はた」は干す器具のことです。
愛ちゃんが田下さんに手伝ってもらって、竹管を「はた」の一番上の穴に差し込み、生地を延ばします。下の穴までは1.5メートルぐらいあるので、一度に伸ばすのではなく、3回ぐらいに分けて延ばします。
グーン、グーン、グーンと延ばして、延ばして!
「スゴイ!切れないね!」とみんな目を丸くしています。
延ばしたら、次は2本の竿を生地の間に差し入れ、両側にくっつかないよう上から下に向かって広げていきます。
ここまで作業が進むと、見慣れた五島うどんの細さになった!
天井に設置してある扇風機の風に吹かれてキレイに揺れています。
子ども達は田下さんに手伝ってもらって、お父さん、お母さんは自力ではたかけ作業にかかります。
ところが生地が作業中、プツン、プツンと切れてしまいます。
「アレ?」と当惑するお母さん。
原因は竹管を「はた」の上の穴と下の穴が真っ直ぐになるように差し込んでいなかったことみたい。
それでも、何とか、用意していた生地をはたかけすることができました。
このまま時間をかけて乾燥させます。
みんなで作った五島手延うどんは、田下さんが選別、検査、結束して、自宅へ発送してくれます。
後日、橋本家では、おいしくいただいたそうです。
現在では、五島手延うどんも機械化が進んでいますが、「船崎饂飩伝承館」では、貴重な昔ながらの製法が体験できます。ぜひ、親子で体験してみてください。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
上の穴から下の穴までは1.5メートルぐらい!3回ぐらいに分けて延ばします。
2本の竿を使って生地の間に差し入れ、広げます。
貴重な昔ながらの製法で作る五島手延うどん作り体験でした。
掲載日:
2022/01/05
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〒857-4405 長崎県南松浦郡新上五島町船崎郷497