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五島列島の特産物「五島うどんや」や「椿油」、作り方を体験してみよう!

長崎県・五島列島は名前の通り主要な島が5つ連なった九州の最西端にある列島です。長崎港からジェットフォイルに乗ると福江港には約85分で、有川港には約100分で到着します。今回はこの五島列島にどんな特産物があるのか調べてみました。

まず最初に五島列島がどんなところなのか知りたいですね。
この列島には、北から中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の5つの主要な島があります。でも、大小すべての島の数を合わせると140以上もあるんですよ。入組んだリアス式の海岸線がとてもきれいな所です。
5つの島の中で中心となるのは、南端にある一番大きな島「福江島」。この島には五島列島の行政の中心である五島市、そして交通の中心福江空港と福江港があります。その一方で、特産物の体験ができるのが北端にある中通島です。
その他、五島列島は、かつて「唐」に渡った空海などの「遣唐使」の日本最後の寄港地としても知られています。福江島の大瀬崎には「大瀬崎灯台」が立っていますが、この場所は、昔、遣唐使が唐から戻ってくるときの標になるようにのろしを上げたりかがり火をたいて知らせたところだそうです。

  • 五島列島のリアス式の海岸風景。

  • 五島列島の交通の中心、「福江港」

  • 福江島の大瀬崎灯台。昔は唐から戻ってくる遣唐使のためにここでのろしをあげたりかがり火をたいて知らせました。

五島列島の一番の名産物はなんといっても「五島うどん」。日本三大うどんの一つに数えられるこのうどん、いったいどのようにして始まったのでしょうか。
いろいろな説がありますが、一番有力な説は遣唐使が中国から持ち帰ったと言うものです。それは五島うどんの作り方である「手延べ製法」が中国の書物に書かれた内容と一致しているからだそうです。
現在も昔ながらの「手延べ製法」で作り続けている店が残っています。
五島うどんは、島の特産物である椿油を塗布しながら、棒のように形作った生地を2本の箸にかけます。そして引き延ばし束ねる作業を繰り返して紐のように細いうどんを作っていきます。そのため食べるときに「つるつる」とした食感が味わえます。
中通島有川の「五島手延うどん協同組合」と上五島地区船崎の「船崎饂飩伝承館」で、このうどん作りを体験することができます。作った後はもちろん試食。
体験しないで、ただできあがったうどんを食べたい時は、長崎県五島手延うどん振興協議会が運営する「うどんの里」がおすすめです。ここでは五島うどんをはじめ、その他の特産品も販売しています。

  • ©長崎県観光連盟
    うどん作りの体験。まず小麦粉をこねます。

  • ©長崎県観光連盟
    次に手で引っ張って延ばします。

  • ©長崎県観光連盟
    料理店で出来上がったうどんを食べたい場合は「五島うどんの里」がおすすめです。

五島うどんの食べ方にはいろいろありますが、定番は「地獄炊き」。これはたっぷりのお湯で茹で上げたうどんをそのまま鍋から取り出し「あご(トビウオ)」の出汁つゆや生卵に付けて食べる方法です。料理店ではコンロは使わないで熱々のうどんの入った鍋を出す所もあります。とてもシンプルな食べ方ですがうどんの味を一番良く味わえる方法かもしれませんね。
「地獄炊き」という名前ですが、地獄のように煮えたぎる鍋から麺を取り出すことが語源かと思いきや、最初にこの料理を食べた人が「しごくおいしい」と言ったのを誰かが「じごくおいしい」と聞き間違えたことから来ているという言い伝えがあります。どこかユーモラスですね。
その他の食べ方としてはエビやシイタケ、豚肉やホウレンソウなどを具にして汁を掛けて食べる方法もあります。

  • ©長崎県観光連盟
    定番の五島うどんの食べ方「地獄炊き」

  • このように定食にして食べる「地獄炊き」もあります。

  • 海老やシイタケをのせて食べる「五島うどん」

五島うどん作りにも使われる「椿油」も五島列島の特産品の一つです。五島列島には自然の椿の木が900万本も生育しています。この数は全国一だと言われています。椿油は1キログラムの種からたったの300ccしか取れないのでとても貴重なものです。採った油は、五島うどんやその他の料理に使うことができ、また、ヘアケアやフェイスケアなどに使う人もいます。
中通島を中心とする上五島地区には「つばき体験工房」があって、そこで椿油の「搾油(さくゆ)」を体験できます。他では体験できない椿油の搾油。ぜひトライしてみてください。

  • ©長崎県観光連盟
    上五島地区にある「つばき体験工房」

  • ©長崎県観光連盟
    椿の実はこんなふうに木になっています。この実を集めて油を取ります。

  • ©長崎県観光連盟
    抽出した油を瓶に入れて販売します。ヘアケアやフェイスケアにも使われます。

五島列島のもう一つの特産品は鯨肉料理。五島列島はかつて捕鯨が盛んな所として知られていました。「かつて」と書いたのは、今では鯨の数が減ったため商業用の捕鯨が禁じられているからです。
でも鯨肉料理は今でも五島列島の郷土料理として残っているんですよ。商業用捕鯨は禁止されていますが、調査捕鯨から取れた鯨の肉を購入して使っています。よく知られている料理は「鯨と平干大根の煮物」。その他鯨の刺身やなますなどがあります。
鯨料理を楽しんだ後は、中通島にある鯨の資料館「鯨賓館ミュージアム」を訪ねてみてください。ここでは、昔の捕鯨の様子を伝えるパネルやミンク鯨の骨格標本、実物大模型などが展示されています。

五島列島の特産物として五島うどん、椿油、鯨肉料理について、特産物となった背景と体験の情報などを紹介しました。ぜひ訪ねて体験して、五島列島の特産物を味わったり触れたりしてみてください。

写真提供:長崎県観光連盟 ほか
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

  • ©長崎県観光連盟
    鯨のお刺身

  • ©長崎県観光連盟
    鯨賓館ミュージアム館内の全景。形が鯨みたいだね。

  • ©長崎県観光連盟
    鯨賓館ミュージアムに展示されている実物大の鯨の模型

掲載日: 2019/06/18
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
五島うどんづくり体験 / つばき体験工房 / 鯨賓館ミュージアム
TEL
五島うどんづくり体験(0959-42-0964:新上五島町観光物産協会) / つばき体験工房(0959-42-0964:新上五島観光物産協会、 0959-55-3219:一般財団法人新上五島町振興公社) / 鯨賓館ミュージアム(0959-42-0180)
住所
【五島うどんづくり体験 / 五島手延うどん協同組合】〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷428-31
【五島うどんづくり体験 / 船崎饂飩伝承館】〒857-4405 長崎県南松浦郡新上五島町船崎郷496
【つばき体験工房】〒857-4601 長崎県南松浦郡新上五島町小串郷1071-2
【鯨賓館ミュージアム】〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷578-36

【五島うどんづくり体験 / 五島手延うどん協同組合】〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷428-31

【五島うどんづくり体験 / 船崎饂飩伝承館】〒857-4405 長崎県南松浦郡新上五島町船崎郷496

【つばき体験工房】〒857-4601 長崎県南松浦郡新上五島町小串郷1071-2

【鯨賓館ミュージアム】〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷578-36

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
あり
営業時間
【五島うどんづくり体験】
※店舗により異なる(予約時にご確認ください)

【つばき体験工房】
9:00〜16:00(要予約)

【鯨賓館ミュージアム】
9:00~17:00
定休日
【五島うどんづくり体験】
※店舗により異なる(予約時にご確認ください)

【つばき体験工房】
8月13日〜8月16日、12月29日〜1月3日

【鯨賓館ミュージアム】
毎週月曜日
年末年始(12月29日〜1月3日)
対象年齢
全年齢
料金
【五島うどんづくり体験】
1~4人まで10,000円
5人以上では一人当たり2,200円

【つばき体験工房】
大人    1,540円
中学生以下 820円
(材料代は別料金)
8名以上 1割引

【鯨賓館ミュージアム】
一般   200円
小中学生 100円
アクセス
【五島うどんづくり体験】
五島手延うどん協同組合:有川港から車で1分
船崎饂飩伝承館:有川港から車で20分

【つばき体験工房】
有川港から車で20分

【鯨賓館ミュージアム】
有川港多目的ターミナル内
公式サイト
【五島うどんづくり体験】 http://www.goto-tenobeudon.jp/
【五島うどんづくり体験】 https://www.goto-udon.jp/
【五島うどんづくり体験】 http://shinkamigoto.nagasaki-tabinet.com/guide/51930/
【鯨賓館ミュージアム】 http://k101ow01.town.shinkamigoto.nagasaki.jp/geihinkan/museum/index.html
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