冒険家族、前川さん親子がやってきたのは、雲仙市国見町の「神代小路(こうじろくうじ)」。
「国見神代小路ガイドツアー」はいくつかコースがありますが、今回は「鍋島邸・神代小路コース」を選択。
名物ガイド「鍋島三線弾兵衛 正雲」こと、今村さんに、国の重要文化財、鍋島邸をタップリ案内してもらったら、街並みを散策します。
神代小路は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、街全体が一体的に整備されています。
また、地区内に約60本の緋寒桜が植栽され、例年花が咲く頃に合わせてイベントも開催されています。
名物ガイド「鍋島三線弾兵衛 正雲」こと、今村さん。
国の重要文化財、鍋島邸を案内してもらいました。
鍋島邸の後は、今村さんとともに街並みを散策します。
江戸時代の地割りが良く残されていて、大通りの道の広さは昔のまま。
古い建物や生垣、水路などと相まって、まるでタイムスリップしたような気分です。
「生垣に竹が多く植えてありますが、これは戦になった時に弓矢の矢に使うためです。『矢竹(やたけ)』ですね」
「こちらは190年ぐらい前の家ですよ」
今村さんの解説を聞きながら、のんびりと歩きます。
生まれも育ちも神代の今村さんは、神代の歴史や素晴らしさをたくさんの人に知ってもらいたいとガイドをしてきましたが、まだまだ知らない人が多いのを残念に思っています。
そこで、もっとインパクトを与えたいと、現在のいでたちで、手作りの三線を弾き、時には歌や講談を入れてガイドをするようになったそうです。
江戸時代の地割りがよく残されていて、タイムスリップしたような気分!
生垣には戦になった時に弓矢の矢に使えるように竹が植えてあります。
今村さんの解説を聞きながら、のんびりと歩きます。
ひときわ印象的な建物が見えてきました。
「これも古くて大正時代、約110年前に建てられました。家の門の前にある蔵なので門蔵造りと言います」
「モングラ?」
「そう、モグラじゃなくてモングラ!」
さらに歩くと立派な門構えの建物が。
家老職の家系の方が復元された帆足邸の長屋門です。
今村さんが足を止めて大通りから脇の道を指差します。
「道がまっすぐになっていないでしょ。これには理由があるんです」
何もないように見えるけれど・・・
機械式で製造した初期のガラス。顔を近づけると波打っています。
家老職家系の方が復元された帆足邸の長屋門です。
今村さんが足を止めて大通りから脇の道を指差します。
「これは『枡形(ますがた)』といって戦になった時、敵に一気に攻め込まれないよう、あえて道を曲げているんです」
解説があると何気ない風景も違って見えます。
散策の最後は、永松邸。
茅葺き屋根の武家屋敷です。建てられたのは今から300年以上前と推測されています。
「武家屋敷は幾つかの入り口がありました。殿様、お客様、家族などで分けられていたんですよ」
中はどうなっているんだろうね?
解説があると何気ない風景も違って見えます。
散策のゴールは、茅葺き屋根の永松邸です。
永松邸が建てられたのは今から300年以上前と推測されています。
「どうです?見たことないでしょう?」
見上げると大きな柱や竹と萱で組んだ天井が見えます。
ヘエ〜、茅葺き屋根の中はこうなっているんだ。
数度の改修が行われていますが、随所に武家屋敷の面影を残しています。
鍋島邸、そして神代小路を散策するコースはこれで終了です。
子どもたちにはちょっと難しかったかもと心配していた今村さん。
「どうだった?」
「ここはこうだよとか、何年前にできたよとか、いろいろ教えてもらっておもしろかった!」と陽向ちゃん。
「良かった!また来てね」
最初、今村さんのいでたちに怖がっていた詩葉ちゃんも、今村さんとハイタッチです。
忘れられない思い出になる「国見神代小路ガイドツアー」!
皆さんも、ぜひ、今村さんのガイドをお楽しみください。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
見上げると大きな柱や竹と萱で組んだ天井が見えます。
「いろいろ教えてもらって楽しかった」と陽向ちゃん。
詩葉ちゃんも、今村さんとハイタッチです!
掲載日:
2025/03/26
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〒859-1303 長崎県雲仙市国見町神代103-1