普段、当たり前のように使っている鉛筆や消しゴムなどの「文具」。どうして書いた文字が消しゴムで消えるのかな?蛍光ペンが光って見えるのはなぜ?ハサミで紙が切れるしくみは?などなど・・・実は不思議なことがいっぱいです。
長崎市科学館で開催中(会期:2022年11月19日〜2023年1月29日)の冬の企画展「文具を科学する」で、その謎を解明してみましょう!
会場には、鉛筆や消しゴム、ハサミやのりなどアイテムごとにコーナーが分かれていて、それぞれの歴史や製造方法、しくみが分かりやすく説明されています。
例えば鉛筆。
始まりは1564年にイギリスの鉱山で良質な黒鉛が発見されたことだそうで、その黒鉛の周りをひもで巻いて持ちやすく改良をしたり、芯の濃さを調節する方法を開発した経緯が年表になっています。
そもそも1本の木の棒の真ん中にどのように芯を入れているのかな、と不思議だったのですが、元々は板!そこに何本もの溝を付けて、芯を載せ、上に板を重ねて接着。1本ずつを切り離して作っているのだそうで、新たな発見につながりました。
長崎市科学館の「文具を科学する」。ワクワクの入り口!
「鉛筆ができるまで」。工場見学をしている気分です
鉛筆は、1本の棒から作られていると思いきや、木の板に溝を付けて、切り離しているんだって
文具の歴史やしくみが分かったところで、次は不思議を体験してみましょう。
鉛筆には、「B」や「H」、「F」といった記号が付いてますが、これは芯の濃さと硬さを表しているのだそうです。Hは「HARD」(硬い)、Bは「BLACK」(黒い)、Fは「FARM」(しっかりした)という意味で、「2B」より「3B」「5B」のように数字が多い方がより濃く柔らかい芯で、「H」より「2H」「4H」の方が硬くて薄い芯を指します。「F」はその中間となります。
実際に、テーブルの上にある「10H」と「F」、「10B」の鉛筆の書き比べてみると・・・「10H」は硬くてまるで金属の針で文字を書いているようです。その一方、「10B」はすらすら滑らかに書けますが、書いた文字をうっかり触ってしまうと手に黒鉛の粉が付いて汚れてしまいます。
学校の勉強では、2BやHB辺りを使うことが多いですが、例えば絵を描くときには4Bや5Bを使うと様々な表現ができたり、細かい図を書く「製図」では5Hや6Hといった硬めの芯が好まれるのだそう。
自分で手に取って試してみると、なるほど!とその仕組みや用途がよくわかります。
消しゴムは優しく丁寧に使う方が、よりきれいに消すことができるんだって
鉛筆の芯の濃さや硬さの違いを実際に試してみよう!
蛍光ペン。ブラックライトを当てると光るって、知ってた?
このほか、会場にはお絵描きコーナーや「巨大な文具」と一緒に写真撮影ができる楽しいコーナーも設けられています。私たちの身近にいつもあって、最近はどんどん進化している文具。文具を科学する体験で、ますますを身近に感じることができそうです。
クレヨンで描いた上に絵の具をのせる「はじき絵」。これも「科学のしくみ」の応用なんだね
クレヨンを使って思いっきり描いてみよう!
抱えるほどの大きさの消しゴムやボンド。これは面白い写真が撮れそうです
文:冒険する長崎事務局
掲載日:
2022/12/12
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長崎市油木町7-2