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旧石器時代の人々の暮らしって!?~佐世保・福井洞窟ミュージアムに行ってみよう!

2021年にオープンした「福井洞窟ミュージアム」。佐世保市吉井町にある国指定史跡「福井洞窟」から出土した石器や土器など、およそ400点を展示し、旧石器時代から縄文時代というおよそ2万年前から1万年前までの人々の暮らしについて紹介しています。

この福井洞窟は、福井川に面した間口16.4メートル、奥行き5.5メートル、高さ4メートルの岩陰で、ミュージアムからおよそ4キロメートル離れた場所にあります。1935年(昭和10)に洞窟内の神社の改築工事をした際に、「土器」や「やじり」が見つかり、遺跡の存在が知られました。これまで4度の発掘調査で、東アジアに移り住んだ私たちの祖先となる人たちが炉の周りで道具を作っていた跡なども発見されました。狩猟が中心の旧石器時代から、住居にとどまる縄文時代の「定住生活」への変化といった、当時の暮らしぶりがよく分かる貴重な遺跡であることが分かりました。

  • ©佐世保市教育委員会
    入場者は初年度目標の2倍となる2万3000人!(2022年4月末現在)

  • ©佐世保市教育委員会
    館内には資料およそ400点を展示。

  • ©佐世保市教育委員会
    「福井洞窟」。ここで旧石器時代から縄文時代にかけて人々が暮らしていたそう。

福井洞窟の地層を掘っていくと、15の層に分かれていて、約1万9000年から1万年前の間の土器や石器などおよそ7万点が出土しました。最も下の第15層からは安山岩で作られた槍の先のような石器が見つかり、この地層はおよそ1万9000年以上前のものと推定されています。
また、見つかった石器は、当時、日本で初めて発掘された最古の旧石器で、福井洞窟での発掘をきっかけに歴史研究が進むようになったそうです。
さらに、狩りの道具材料となった石に注目してみると、古くは安山岩が使われていたものの、時代が進んだ上の地層では黒曜石のものが見つかりました。このことから、黒曜石の産地である松浦市や伊万里市、川棚町などと福井洞窟のエリアとの交流があったことが分かるそうです。

  • ©佐世保市教育委員会
    「福井洞窟」の実際の地層。旧石器時代からの生活が見えてくる。

  • ©佐世保市教育委員会
    発掘された石器。1万9000年も前のものだ。

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    福井洞窟から出土した隆起線文土器。16000~15300年前のもの。

入ってまず、驚くのは大きな地層。発掘現場からはぎ取ってきた地層は高さ6メートルもあるそうです。発掘現場をほぼ原寸大で再現していて、洞窟遺跡のこと、そして貴重な発見につながる発掘調査のことを分かりやすく知ることができます。
そして、国の重要文化財に指定された出土品を含む、およそ400点の資料展示。狩猟や調理などに使われた道具や縄文土器・・・狩猟具「細石刃(さいせきじん)」というカミソリの刃のような石器を骨や木の側面に埋め込んで槍などのように使って大きな動物を狩るのに使った、とか・・・煮炊きをするのに土器が使われ、人々が「ムラ」を作っていく、とか・・・小さな発見から古代のことが少しずつ分かっていくことも、とても興味深いですね。
特に面白い!と思ったのが「炉」の跡。石の状態から300℃以上の熱を受けていたとのことで、地層の年代から1万7700年前にこの洞窟で人類が火を使っていたことが分かるそうです。火にあたりながらどんなことをしていたのでしょうか。どんなものを作って食べていたのか、どんな話をしていたのでしょうか。想像するだけでワクワクしますね。

また、館内では発掘調査の資料を見たり、実際に火おこし体験や麻の衣装の試着などができ、当時に思いをめぐらせながら「暮らしの体験」をすることもできます。

  • ©佐世保市教育委員会
    発掘現場の再現コーナー。この発掘から古代への扉が開かれたんだね。

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    この「細石刃核」を薄く切り出した「細石刃(さいせきじん)」で狩りが行われた。

  • ©佐世保市教育委員会
    「炉」の跡。ここで、食事をしたのかな、と想像するだけで楽しい。

2万年前もの人たちも、佐世保のこのエリアで暮らし、狩りをしたり、土器を作ったり、食事をしたり・・・本当に不思議な気分にもなる福井洞窟ミュージアム。実は佐世保市には福井洞窟のほかにも洞窟遺跡が点在していて、その数はあわせて31!洞窟遺跡日本一のまち、なんだそう。これは、古代の人たちのことをもっともっと知りたい!と興味がどんどん湧き上がってくるミュージアムですね。ぜひ、行ってみてください!

  • ©佐世保市教育委員会
    古代の生活の様子を体験するコーナーも。

  • ©佐世保市教育委員会
    トリックアートコーナーで写真を撮ってみよう!

  • ©佐世保市教育委員会
    佐世保は洞窟遺跡日本一のまち!

写真提供:佐世保市教育委員会
文:冒険する長崎事務局

掲載日: 2022/05/19
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
福井洞窟ミュージアム
TEL
0956-64-3830
住所
佐世保市吉井町立石473番地(佐世保市吉井地区コミュニティセンターに併設)

佐世保市吉井町立石473番地(佐世保市吉井地区コミュニティセンターに併設)

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
102台
営業時間
午前9時00分~午後5時00分(最終入館は午後4時30分)
定休日
毎週月曜日(祝日の場合は次の平日)及び年末年始(12月29日~1月3日)
対象年齢
小学生~
料金
無料
アクセス
・西九州道自動車道佐々ICより約15分。
・JR佐世保駅から西肥バス「平戸バス平戸桟橋行」半急行で45分。「吉井バス停」下車徒歩5分。
・JR佐世保駅から松浦鉄道「平戸・伊万里方面行」で55分。「吉井駅」下車徒歩10分。
公式サイト
https://www.fukuicave.jp
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