長崎市元船町にある長崎港ターミナル。
「船に乗るための場所」というイメージがありますが、実は子どもと一緒にぶらりとお出かけするにはもってこいのスポット。今回はそんな長崎港ターミナルを巡ります。
長崎港ターミナルの外観は、斜めに切った竹筒のような、コンクリート製の筒形の部分がそびえ立っているのが印象的です。
この筒型の部分の中は、壁が真っ白でとっても明るいエントランスホール!
採光窓からたっぷり光が入り、分厚いコンクリートの外観からするとちょっと意外なほど明るく開放感があります。
外から見た形そのままの、高さのある天井。奥には黄色いブリッジ。
建築家の高松伸氏が設計を手掛けたことで知られるこのターミナルビルは、外観はもちろん、建物の中もなんだか不思議でワクワクします。
完成から四半世紀以上が経ちますが、ダイナミックで遊び心のあるデザインは、いまの子どもたちの目にも新鮮に映るはずです。
完成は1995年。白を基調とした清潔なエントランスホールは、いまでも「未来」感が漂っています。
頭上を横切る黄色い橋(売店側より撮影)
エントランスホールの2階部分。
エントランスホールで目を引くのが、軍艦島の大きな模型。250分の1スケールで、まだ人々が暮らしていた頃の軍艦島が再現されています。360度どこからでも眺めることができ、ジオラマを見て遊ぶような感覚で当時の街並みを知ることができますよ。
長崎港ターミナルの館内には、このような長崎にまつわる展示がいくつもあります。
模型、パネル、ミニシアターなど種類は様々。クオリティと着眼点が秀逸で、長崎に長年住んでいる大人でも見入ってしまうものばかり。これが無料で楽しめるのはありがたいです。
軍艦島の模型。台の側面に貼られているのは現在の写真。対比が哀愁を誘います。
海上から見る景色の素晴らしさは、長崎に暮らしていると忘れがちです。
生活の中で実物を見ることが少なくなった伝統工芸品たち。貴重で大切にしたいコーナーです。
エントランスホールを抜けると、切符売場と待合室。
天井を見上げると、照明が星空のように散りばめられていて綺麗です。
海側はガラス張りで、桟橋と船が見えます。
お天気の良い日には外に出て、桟橋付近をぶらぶら歩いても気持ちが良いですよ。
筆者が撮影に訪れた日は、五島行きジェットフォイルの「ぺがさす」や遊覧船「観光丸」、同じく遊覧船の「マルベージャ」が停まっているのを見ることができました。
それぞれの船には個性豊かな名前がついているので、子どもと一緒に覚えても楽しそうですね。
星空のような天井
桟橋に停泊する遊覧船「観光丸」と「マルべージャ」
稲佐山が見える方面もぶらぶら歩くことができます。
2階は五島行きのフェリー乗り場と待合室。
待合室からの見晴しが抜群に良く、港ならではの美しい景色を楽しむことが出来ます。
長崎港ターミナルは、目の前が海。視界を遮るものが何もないため、両岸の街並みやの世界遺産群がよく見えます。
待合室の窓は横に長く、少し弧を描いているので、どこに立って眺めても絶景!
少し後ろに下がって眺めると、一本の絵巻物を鑑賞しているような感動がありますよ。
窓のすぐそば、しっかり目の届くところに『ちびっこ広場』という小さなキッズスペースがあるので、子どもを遊ばせつつ、ほっと一息ついてもいいかもしれませんね。
とにかく横に長い窓。窓の外に見える大きな錨は大正時代に実際に使われていたものです。
出島ワーフ方面も素敵。
可愛らしい「ちびっこ広場」
2階に来たらぜひ見て帰ってほしいのが、長崎の世界遺産や五島について学ぶことができるミニシアター。
シアターといっても映画館のように気を使う必要がないので、気軽に見てみましょう。
上映される動画は全部で7種類。『軍艦島と長崎産業革命遺産』や五島市観光プロモーション『ただ癒されよう』など、それぞれ5~15分程度の映像が順繰りに流れています。
短い映像の中に魅力がぎゅっと詰まっていて、ちょっぴり旅行気分が味わえるのでおすすめです。
長崎港ターミナルは長崎駅からもアクセス良好。館内には授乳室やおむつ替えシートといった、子ども連れにも嬉しい設備が整っており、安心して足を運ぶことができます。
探検気分で建物の中を巡ったり、ちょっとした資料館感覚で展示を楽しんだり、景色を見ながらほっと一息ついたり。
なかなか旅に行けない今だからこそ、長崎港ターミナルへ足を運んでみてはいかがでしょうか。
文・写真:ふみこ
長崎市出身。県外に出て改めて気づいた長崎の魅力を、少しずつ発信していけたらと思います。
掲載日:
2021/01/25
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
長崎市元船町17-3