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冒険 252

これぞカミ技!動物のフンから紙を作ろう!

今回の冒険者
パパ:西極 春幸さん / ママ:栄子さん
海翔くん(8歳) / 陸翔くん(8歳) / 翔くん(6歳) / 翼くん(3歳)

西海市西彼町の長崎バイオパークは、人と動物との共生を学ぶ動物園。ただ観察するだけでなく動物に触ったり餌をあげたりできるふれあいを大切にしています。また、長崎バイオパークならではの体験イベントも数多くあります。今回はとっておきの“動物のフンから紙を作る”体験!
西極さん親子を迎えてくれたのは営業企画の中村晋平さん。早速、体験場所のアンデス広場に移動します。
紙作りのセッティングが既にされていますが、目を引くのが青いバケツの中にある物体!
「シマウマのフンです。これが今回の紙づくりの原料ですね」
チモシーという牧草がシマウマの餌。消化されなかった繊維質がフンに混じっているので、紙作りの原料になるんです。

シマウマのフンと聞いて嫌がるかなと思ったら、さすが男の子たち!興味津々です。
「草食動物のフンはそんなに臭くないんです。やっぱり肉食動物の方が臭いですよ」
空のバケツを用意し、網を置きます。そこにスコップを使ってフンを移動します。
「それじゃあ、スコップで良く崩してね」
子どもたちは嫌がることもなく、楽しそうにフン崩しに熱中します。
ときどき水を加えながら丹念にフンを崩し、繊維状の物が見えたらOK!

  • 長崎バイオパークを訪れた西極さん親子を迎えてくれたのは中村晋平さん。

  • シマウマのフン!これが紙づくりの原料です。

  • ときどき水を加えながらスコップでフンを崩します。

網に残った繊維状の塊をトレイにひっくり返します。
「ハンバーグみたい!」と子どもたち。
次に鍋の沸騰したお湯の中にこの繊維状のものを、スコップを使って入れます。
菌を殺すためにこれから6時間煮るんだそうですが、今日は時間がないので短縮バージョンで次の工程へ。
鍋から取り出した繊維をトレイに置き、漂白と殺菌のために次亜塩素酸という薬品を垂らします。
すると茶色の繊維が、時間が経つにつれて次第に白くなっていきます。

  • 網に残った繊維状の塊をトレイにひっくり返します。

  • 鍋の沸騰したお湯の中に繊維状の塊を入れます。

  • 次亜塩素酸という薬品を垂らすと、茶色の繊維が次第に白くなります。

中村さんがビニール袋に入った乾いた繊維を西極さん親子に見せます。
「漂白・殺菌した繊維を乾燥させたものがこれです」
全く臭いはありません。あのフンがこんなになるなんてビックリ!
「さあ、次の段階です。目の前にある牛乳パックをちぎって細かくしてください」
フンから取り出した繊維だけではすぐバラバラになるので牛乳パックをつなぎに入れます。

牛乳パックをみんなでちぎってミキサーに入れます。
「では、ちぎった牛乳パックを水と一緒に混ぜますよ。スイッチを入れたり、切ったりするのがポイントです」
ブイーン、ブイーンとスイッチを入れたり、切ったりしながらミキサーにかけます。
「ハイ、次にフンの繊維を入れて一緒に混ぜてください」
フンの繊維を牛乳パックの3分の1くらい入れ、ミキサーにかけます。
ドロドロの液体になるまで充分混ぜます。

  • フンから取り出して、漂白・殺菌、さらに乾燥させた繊維です。

  • 牛乳パックをちぎって細かくし、水と一緒にミキサーにかけます。

  • フンの繊維を入れて、さらにミキサーにかけます。

ドロドロになった液体をミキサーからプラスチックケースに移します。
そこに、せんたく糊を流し入れます。
「さあ、手でよく混ぜてね」
子どもたちは大喜びで、手を使って混ぜます。
「それじゃあ、これは見たことがあるかな?」
中村さんが木枠に網を貼ったものを見せますが、何だろう?
「これは和紙を作るときに使われる紙漉の道具です。2〜3回液体に潜らせて上げるんだよ」
まず翔くんがチャレンジ!
「そうそう!優しくね」

  • ドロドロになった液体をケースに移します。

  • せんたく糊を流し入れます。

  • 2〜3回液体に潜らせて、紙漉をします。

2〜3ミリ程度の厚さになったら、タオルの上にひっくり返します。
子どもたちは順番に紙漉を行い、タオルの上に自分の紙をひっくり返します。
ここから通常は、2〜3日、天日干しをするらしいのですが、今日はアイロンを使って乾燥させます。
中村さんがアイロンをかけると湯気と一緒に香りが漂います。
「お芋みたいな匂いがするね」
確かに!いい匂いだね。牧草を食べているので、そんな匂いがするのかな?
しっかり乾燥させれば、オリジナル紙の出来上がり!これぞカミ技です。
紙を手に取って、「動物のフンから紙ができるなんて知らなかった!」と子ども達も大喜び。
形をきちんとして切手を貼れば、ハガキにもなるんだって。
できた紙はお土産品として持ち帰りです。
滅多にできない体験をした西極さん親子は、この後、園内を散策し、長崎バイオパークを満喫しました。

長崎バイオパークは今年、2020年に開園40周年を迎えるそう。記念イベントもたくさん用意されているようなので、親子で訪れてはいかがでしょうか?

文・写真 取材ディレクター 中尾知徳

  • 和紙を作る要領で紙漉します。

  • タオルの上でアイロンをかけ、濡れた紙を乾燥させます。

  • しっかり乾燥させて、形を整えれば完成!ハガキにも使えます。

掲載日: 2020/03/25
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
長崎バイオパーク
TEL
0959-27-1090
住所
〒851-3302 長崎県西海市西彼町中山郷2291-1

〒851-3302 長崎県西海市西彼町中山郷2291-1

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
あり
営業時間
10:00〜17:00(入園締切16:00)
定休日
無休
対象年齢
全年齢
料金
入園料 大人1,700円 中高生1,100円 3歳〜小学生800円
*動物のフンから紙作り体験は、修学旅行生などの団体が対象です。
アクセス
JR佐世保駅から車で約50分
JR長崎駅から車で約55分
公式サイト
http://www.biopark.co.jp/
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アクティビティタグ

この記事は KTNテレビ長崎「冒険県 冒険する長崎 プロジェクト」(毎週水曜日 20:54〜21:00)で 2020/3/25に放送されたものです。Youtube チャンネルでも配信中!
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