長崎県平戸市から北に約50キロメートルの所にある壱岐島は、面積にしたら約140平方キロメートルくらいしかない小さな島。でもこの島には、約150もの社神社庁登録の神社をはじめ、きれいな海岸、そして奇岩や史跡などたくさんの観光スポットがあります。
中でも勝本地区は壱岐島の一番北にあるエリアで、正村湾に面した勝本港を中心に町が形成されています。湾には、無人島の辰ノ島と名鳥島、そして警備所のある若宮島の三つの島があります。この中で観光が楽しめるのが辰の島。ここにはきれいな海水浴場「辰の島海水浴場」があって勝本港から船で行くことができます。また辰の島の島めぐり遊覧もあるので、ぜひ乗船して「マンモス岩」や「海の宮殿」などユニークな岩を観察してみてください。
©長崎県観光連盟
勝本の中心になっている勝本港
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勝本港から船で行く「辰の島海水浴場」。海水がとてもきれいです!
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島めぐり遊覧ではマンモス岩などユニークな岩が見えるよ!
勝本港の近くではいろいろな海の体験ができます。その一つが「壱岐イルカパーク&リゾート」でのイルカとのプログラム。そのうちのいくつかを紹介しますね。
タッチアンドフォト:イルカと一緒にアクションを3つ体験してそれぞれ写真撮影
イルカにごはん:イルカに餌をあげることができます。
トレーナー体験:トレーナーのやり方などを学んで実際に仕事やトレーニングにも参加。無事終了すると修了証がもらえるよ。
ドルフィン・エンカウンター:実際に水の中に入ってイルカを身近で観察したりトレーニングを見学
この施設が最初作られたときにはイルカパークしかなかったのですが、2019年4月にリニューアルオープンし、リゾートという名前が追加されました。カフェでは、スナックやケーキを食べたり、飲み物を飲んだりしてゆっくりできます。
勝本の海ではその他に「磯遊び」と「イカの一夜干し」が体験できます。磯遊びはイルカパークの西側にある串山海水浴場が会場。ふだん禁漁区になっているのですが、毎年半年だけ一般に開放してくれます。ここでは放流されたウニやサザエを自分の手で取ることができるんですよ!題して「磯あそび in 勝本」。
「イカの一夜干し」では、勝本の名産物であるイカをさいて半日ほど干す作業が体験できます。干したものは後で宅配便で送ってくれます。修学旅行のプログラムに組まれることが多いのですが、予約すれば一般の人も体験できます。
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イルカパークではイルカに触ったり一緒に写真を撮ったりできるよ。
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ウニとサザエが取れる「磯遊び」を体験しよう!
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予約すると勝本名物のイカを割いて干す体験に参加できます。
壱岐のシンボルになっている「猿岩」は、勝本から南に車で20分位行った郷ノ浦地区にあります。一つの岩が猿のような形をしているところからつけられた名前です。高さ約50メートルあるこの岩は、どこか物悲しく海を見つめる猿の後姿を連想させますね。瞼まであって本当に猿そっくり!でも岩の周りをぐるっと回って横から見ると、猿の姿は消えうせ普通の岩に変身。自然の力はおもしろいですね!
このあたり一帯からは美しい夕日も見えて、インスタ映えするスポットとして人気があります。ぜひ猿岩を入れたステキな写真を撮ってみてください。駐車場のそばには「お猿のかご家」というショップがあって、お土産が買えますよ。それから駐車場から歩いてすぐの所には「黒崎砲台跡」があります。東洋一とも言われているもので、昔、対馬海峡に入って来た敵の艦隊を攻撃するために作られました。
猿岩の周辺は壱岐対馬国定公園に指定されています。
猿そっくりに見える岩も反対側に回ると普通の岩に変身!
公園からは遠方にきれいな海が見えます。
勝本では毎日、朝市が開かれています。今から400年ほど前の江戸時代に地元の漁民と近くの農民が、それぞれ収穫したものを物々交換するようになって始まったと言われています。今では毎朝8時になると、勝本浦商店街の店先に市が立ちます。取れたての新鮮さが呼び物!地元の人だけでなく観光客にも人気があります。
海産物も農産物も豊富な勝本ですが、その中でも名物はウニ。壱岐の「ウニめし」は定評。ぜひ食べてみてくださいね。
もう一つ紹介したい壱岐の名物は豆腐です。普通の豆腐が1丁約400グラムなのに対して壱岐の豆腐は900グラムもあります。大きさは1.5倍。固いことでも知られています。にがりに壱岐の海水を使っているのが特徴。「壱州豆腐」とも呼ばれ、今では島内だけでなく、島外からも注文を受けています。
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物々交換で始まった勝本の朝市は毎朝開かれます。新鮮な海産物や農産物が手に入るよ!
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壱岐の名物ウニめしを食べるのを忘れないでね。
普通の豆腐より大きくてかたい壱岐の島豆腐も味わってみてください。
鬼凧(おんだこ)は壱岐の民芸品の一つ。昔から伝わる鬼退治の伝説に基づいて作られるようになりました。その伝説とは、昔壱岐で悪事を働く鬼を、「百合若」という大臣が首を切ってやっつけたと言うもの。切り取られた鬼の首が大臣の兜に食らいついた姿を絵にしたのが鬼凧です。恐ろしい鬼の顔の下に凛々しい大臣の顔が見えますね。
この鬼凧はお土産としてショップなどで買うことができますが、猿岩近くにある「出会いの村」で鬼凧の色付けも体験できるよ。壱岐観光の楽しい思い出が作れて、家に帰ったら凧揚げをして遊ぶことができるね!
「出会いの村」は宿泊施設を備えた壱岐の文化交流・研修センターになっていて、鬼だこの他にもシーカヤックや釣り、貝細工などの体験プログラムが用意されています。
遊覧船での島めぐ、イルカとのふれあいや磯遊び、そして鬼凧作りなど壱岐の勝本には体験できることが盛りだくさん!「イキイキ」しててとっても楽しそう!おいしい島の食べ物も食べてみたいし猿岩で記念写真も撮って見たいね!でも壱岐にはまだまだ見所がたくさんあるんですよ。続きはまた別の機会にお伝えしますね。
写真提供:長崎県観光連盟ほか
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。
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壱岐の民芸品の一つ「鬼凧」
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鬼凧を作っている地元の人
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出会いの村では鬼凧の色付けが体験できます。ここにはその他にもたくさんの体験プログラムが用意されているよ。
掲載日:
2019/09/17
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【辰の島巡り遊覧クルーズ / 磯遊び in 勝本(出発・勝本港)】〒811-5501長崎県壱岐市勝本町勝本浦575-61
【壱岐イルカパーク&リゾート】〒811-5512 長崎県壱岐市勝本町東触2668番地3
【出会いの村】〒811-5103長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触492