壱岐は本州と対馬の中間地点にある島。面積にしたら138.6km²の小さな島で、長崎市の約3分の1しかないのですが、この島には神社庁登録の神社がなんと150社も!こんなにたくさんの神社が作られた理由にはいくつかの説がありますが、決定的な理由はわかっていないようです。とにかく信仰の島壱岐の神社を参拝してパワーをもらいましょう。
まず最初は男獄(おんだけ)神社。この神社は標高168メートルの男岳にあります。昔は山全体が神様と考えられていたので簡単に入ることはできませんでした。この神社でユニークなのは境内のあちこちに見られる200以上並んだ石猿。男獄神社では受験や縁談、ビジネスなどの神様猿田彦命が祀られています。拝殿裏にある岩では、コンパスを当てると正常に動かなくなるためパワースポットとしても注目を浴びています。
©長崎県観光連盟
男獄神社の鳥居
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ずらっと並んだ石猿
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ここにも石猿が
小島神社は海に浮かぶ小さな島に作られた神社です。この神社がある小島は島自体が神様として崇められているので、島からは小石や枝など小さなものでも持ちかえることが許されていません。普段は「海に浮かんでいる」ようにみえる神社ですが、干潮になると海水が引いて島と陸地の間にある砂地が顔を表します。潮の引き具合によって参道だけが見える時間帯もあります。干潮の時間を調べてその前後の1時間を利用して島に渡り参拝しましょう。
満潮になると島が海に浮かんでいるように見えます。
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干潮時は島と海岸の間にある砂地が現れます。
潮の引き具合によって参道が現れます。
國片主(くにかたぬし)神社は壱岐島のちょうど真ん中に位置する神社です。すぐ近くには島の真ん中を意味する「へそ石」も置かれ、神社から100メートルほど北には国分寺跡もあり、昔このエリアが壱岐の中心地だったことがわかります。
この神社は学問の神様と言われた菅原道真公を祀ってあり、別名「国分天満宮」とも呼ばれています。境内には「願掛け鳥居」と呼ばれる3つの小さな鳥居が建てられています。右から合格祈願、健康祈願、商売繁盛となっていて自分の願い事に合わせて鳥居をくぐると願い事が叶うと言われています。
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國片主神社の鳥居
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境内は整然としています。
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3つの願掛け鳥居。どの鳥居に願い事をしますか。
住吉神社は「三韓征伐」といって、昔、朝鮮半島で行われた戦いの時に守ってくれた「住吉大神」という神様を祀ってある神社です。住吉神社は日本の他の地域にもありますが、壱岐の住吉神社は日本最古と言われており、中に飾られた「絹本着色高野四社明神像」という絵画は長崎県の文化財に指定されています。境内には二股に分かれた楠がありますが、これは「夫婦楠」と呼ばれています。男性は左回りに、女性は右回りに1周すると願いが叶うと言われています。
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住吉神社の境内
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住吉神社の拝殿内
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住吉神社の境内にある夫婦楠
月読神社には、月夜見命、月弓命、月讀命の3つのご祭神が祀られています。月信仰は太陽信仰よりも古いとされており、月読神社では夜を支配する月を神格化して崇めているのです。京都や伊勢にも月読神社がありますが、これは壱岐の月読神社から分かれて行ったものだそうです。つまり壱岐の月読神社が全国の月読神社の元宮だということになります。境内はうっそうと茂る大木のためかひんやりとした雰囲気が漂います。
壱岐の神社巡りいかがでしたか。面積にするとそれほど大きくない壱岐ですが、神社の数の多さとそれぞれの神社のユニークさに驚かされますね。ぜひ実際に参拝して祈祷し、パワーをもらいましょう!
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。
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月読神社の入口。背後に見える境内はうっそうとしています。
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月の神様が崇められている
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壱岐の月読神社は全国の月読社の元社
掲載日:
2019/03/05
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【男獄神社】〒811-5466 壱岐市芦辺町箱崎本村触1678
【小島神社】〒811-5315 壱岐市芦辺町諸吉二亦触1969
【國片主神社】〒811-5732壱岐市芦辺町国分東触766-4
【住吉神社】〒811-5742 壱岐市芦辺町住吉東触470
【月読神社】〒811-5732 壱岐市芦辺町国分東触464