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季節の花に囲まれ、イベントが多い島原城と武家屋敷を訪ねてみよう!

日本100名城の一つ「島原城」は島原半島の東海岸に建てられた城で、東には有明海を、西には雲仙岳を望みます。城の近くには昔の面影のある武家屋敷が今でも残っています。春には梅や桜が咲き、夏には睡蓮の花に囲まれる美しい島原城と武家屋敷。ここではユニークなイベントも開かれます。では早速探索してみましょう!

島原城の建設は1618年、松倉重政によって始まり、約7年の年月を掛けて完成されました。ところが明治時代になると「廃城令」によって城は取り壊されてしまったのです。そして長い年月が過ぎたのですが、島原地区の人たちが島原城を「心のよりどころ」としてその復元を強く望んだので、1960年に西櫓が、1964年には天守閣が復元されました。
天守閣の最上階からは雲仙岳を初め島原市の市街地が一望できます。現在、天守閣は、「歴史資料館」としてキリシタンや藩政時代の資料を展示しています。

  • ©長崎県観光連盟
    1964年に復元された天守閣

  • ©長崎県観光連盟
    天守閣からは雲仙岳と島原の市街地が見えます。

  • 1980年に復元された丑寅の櫓。昔は北東のことを丑寅と呼んでいました。

島原城は石垣の美しさでも知られている所です。廃城令でほとんどの建物を失った島原城でしたが石垣と堀はそのまま残されたのです。
ところが2012年6月に降った大雨で、島原城の石垣の一部が崩れたことは大きなニュースになりましたね。それは築城以来380年以上もの間、崩壊することのなかった石垣が崩れたためにニュースになったのです。その大雨がすごかったことも確かなのですが、それほど長い間風雨に耐えて来た石垣がどんなに頑丈に作られていたかがわかりますね。
石垣は頑丈なだけでなく3メートル以上ある高いもの。ただ単に機能的に作られているだけでなく、表面に光沢のある鏡石をところどころに入れ、見た目の美しさにも配慮がされています。また「屏風折れ」といって天守閣を守るように配置されているので、その付近はまるで迷路のようになっています。

  • 高く頑丈に作られた石垣は島原城の見どころの一つ。天守閣付近は迷路のように配置されています。

  • 島原城本丸の石垣

島原城の周りには初春から夏に掛けて季節毎に梅、桜、蓮の花が満開となります。
梅の花が咲くのは1月下旬から2月下旬。天守閣の近くに300本の紅梅と白梅が植えられています。紅梅が先に咲き、それが終わるころに白梅が咲き始めます。
桜は約250本のソメイヨシノが植えられており、3月下旬から4月上旬に満開になります。島原城は、昔から「桜馬場」と呼ばれた桜の名所で、今でも長崎県内の人気度では上位に入ります。
また、城の周りにめぐらされた堀にはたくさんの蓮が生育しています。元々は明治時代に食用のために植えられたそうですが、今では城の見どころの一つになっています。蓮の花は8月上旬が見頃です。

  • ©長崎県観光連盟
    初春には約300本植えられた梅が満開

  • ©長崎県観光連盟
    島原城は昔から「桜馬場」とよばれる桜の名所です。

  • ©長崎県観光連盟
    食用として植えられた蓮ですが、今では夏に咲く美しい花が観光スポットに。

島原市にある武家屋敷は島原城から歩いて5分くらいの所にあります。昔は通りが7つもあり、約700軒の家が建てられていました。
こうした通りに付けられた「上新丁」「下新丁」「古丁」「中ノ丁」「下ノ丁」などの名前は今でも残っていますが、通りには今では普通の住宅が建てられています。ただ島原城に近い「下の丁」だけは「武家屋敷町並み保存地区」として保存されています。この通りには山本邸、篠塚邸、島田邸の3軒の屋敷が無料開放され中に入って見ることができます。また通りの中央には湧水を引いて生活に使っていた水路が残っています。

島原市には、「別当」を勤めていた「中村家」の屋敷門が残っています。武家屋敷から南に10分ほど歩いた所にあります。別当の屋敷は要人の宿としても使われていて、坂本龍馬や勝海舟も泊まったことがあると言われています。ただ、実際の屋敷はすでに壊されて、その門だけが現在の所に移設されました。

  • ©長崎県観光連盟
    武家屋敷として保存されている下の丁。今でも残っている水路には生活に必要な水が流れていました。

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    下の丁の篠塚住宅。武家屋敷にはこのように茅葺の屋根の家もありました。

  • ©長崎県観光連盟
    旧古町別当・中村家屋敷門。昔はこの門をくぐると大きなお屋敷があり大名などが宿泊に使っていました。

「島原城下ひなめぐり」は、毎年2月上旬から3月上旬にかけて開かれる大きなイベントです。主会場の島原城「観光復興記念館」をはじめ、武家屋敷や商店街、旅館など100ヶ所以上に約3,000体のひな人形が飾られます。 この中にはもちろん伝統的な七段飾りのひな人形もありますが、市民の手作りの人形も飾られるので大変ユニークで趣のあるイベントになっています。
島原地方のもう一つの有名なイベント「島原城薪能(たきぎのう)」は昔から伝えられ島原地方で、伝承した日本古来の伝統芸能「能」を公演するものです。この芸能は長い間途絶えていましたが1983年に復活されそれ以来、島原地区の市民の間で広まっています。イベントでは、島原城を背景に作られた野外の舞台で公演されます。公演の日程はその年によって変わりますが、2018年は10月13日に行われました。このイベントでは子どもたちの参加による「子ども狂言」も披露されます。

島原城と武家屋敷の探索いかがでしたか。隠れキリシタンや島原の乱などで知られる島原地区ですが、お城や武家屋敷にも見どころがたくさんあることがわかりますね。四季折々の花を楽しんだり、季節のイベントにもぜひ参加して島原地方の歴史や文化に親しんでみましょう!

写真提供:長崎県観光連盟
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

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    「島原城下ひなめぐり」の主会場になっている島原城観光復興記念館

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    イベントでは100カ所以上にひな人形が飾られます。

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    復活された薪能が島原城をバックに上演されます。

掲載日: 2019/06/04
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
島原城 / 武家屋敷
TEL
島原城(0957-62-4766:(株)島原観光ビューロー) / 武家屋敷(0957-63-1087:武家屋敷 売店)
住所
【島原城】〒855-0036 長崎県島原市城内1丁目1183-1
【武家屋敷】〒855-0052 長崎県島原市下の丁

【島原城】〒855-0036 長崎県島原市城内1丁目1183-1

【武家屋敷】〒855-0052 長崎県島原市下の丁

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
なし
営業時間
【島原城】
9:00~17:30

【武家屋敷】
武家屋敷 9:00~17:00
武家屋敷売店 9:00~17:30
定休日
12月29日、12月30日
対象年齢
全年齢
料金
【島原城】
天守閣・西望記念館・観光復興記念館の共通券
大人 540円
小人 270円

【武家屋敷】
無料
アクセス
【島原城】
島原駅から徒歩約10分

【武家屋敷】
島原駅から徒歩約15分
公式サイト
【島原城】 https://shimabarajou.com/
【武家屋敷】 https://www.city.shimabara.lg.jp/page935.html
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