長崎では、凧(タコ)のことをハタと呼び、毎年春に長崎市の各地で大会が行われています。特に唐八景(とうはっけい)公園で行われる長崎ハタ揚げ大会は壮観で、大勢の人がかけつけます。(*2019年は4月7日に開催されました)
大会当日の会場は駐車場がないので藤原さん親子は周辺に設けられた臨時駐車場からシャトルバスで移動。早速、長崎ハタの会事務局長の中村榮治さんにご挨拶です。
「今回は平成最後の大会です。しっかりハタのことを勉強して、楽しんで帰ってください。」
中村さんからハタをいただいた藤原さん親子は、親子ハタ揚げ教室に参加。ハタ作り&ハタ揚げ名人の小川暁博さんに指導を仰ぎます。
長崎ハタ揚げ大会会場の長崎市唐八景公園です。
長崎ハタの会事務局長の中村榮治さんにご挨拶。ハタをいただきました。
ハタ作り&ハタ揚げ名人の小川さんに指導を仰ぎます。
「まず糸をハタに取り付けます。こうやって・・」とハタに糸をつける方法を実演。みんな見よう見まねで糸を取りつけます。
「それじゃ、いいですか?風が吹いたら糸を引く、弱まったら糸を緩める。そうしたらハタは落ちません。揚げるのは一人でもできますが・・」とこともなげにハタを振り回しハタを揚げます。さすが名人!
「でも、これは難しいので、一人がハタを持ち、もう一人が糸を持ってスピードをつけて後ろに下がるといいですね。お父さんやってみますか?」
というわけで小川さんがハタを持ち、お父さんが糸を持って走ることに。
「いいですか!」
小川さんがハタを手放し、お父さんが走ります。でも、あえなくハタは墜落!
「もっと早う走らんば!」小川さんが叱咤(しった)します。
2度、3度とトライしますが、お父さんは揚げることができません。
「今日はあんたは揚げきらんよ!」と小川さんにいわれ、お父さんは「厳しいなあ!」とつぶやきます。
小川さんが糸のつけ方を実演します。
お父さんが糸を持って小川さんと一緒に揚げることに。
2度、3度とトライしますが・・・
いやあ、ハタが揚がらないのはお父さんの腕のせいじゃなくて風のせいだから。
「今日は風が難しい。弱いし方向が定まってないから」と小川さん。
そんな厳しい条件でも、やはり名人は違います。風をとらえてハタを上空へ。それを見ていた子どもたちから、
「スゴイね!」と感心する声がします。
「お嬢ちゃん、持ってみなさい!」
小川さんから糸を持たせてもらった奈緒子ちゃんは、初めてのハタ揚げに興奮です。
難しい風をとらえてハタを揚げる小川さん。
名人の技に「スゴイね!」と子どもたちも感心です。
糸を持たせてもらった奈緒子ちゃん。初めてのハタ揚げです!
小川さんは競技の審判に加わるためにこれ以上指導することができず、後は自分たちで頑張るしかありません。でも状況はますます悪化。無風状態になり、周りを見渡しても全くハタが揚がっていません。
そんな中でも藤原さん親子は何度もトライしますが、全くダメ。見かねた周りの人が何人もお手伝いをしてくれますが、どうにもなりません。
「せっかく来たのに揚げることができないのかな?」と子どもたちの表情も冴えません。
いつの間にか無風状態に。周りを見渡してもハタが揚がっていません。
見かねた周りの人(全く知らない人!)が親切に手伝ってくれますが・・・
全くダメ!今日は揚げることができないのかな?
1時間ぐらい経ったでしょうか。もう帰ろうかとあきらめはじめた頃、風が吹き始めたのです。
ハタは見事に風を受けて大空に舞い上がりました。
「ウワア〜!」と藤原さん親子は大喜び。待った甲斐があったね。
まわりでも次々とハタが揚がり、素晴らしい風景が広がっています。
糸を緩めたり引いたりして、ハタはどんどん揚がっていきます。
みんなの笑顔も一緒にグングン揚がっていくようです。
春休みに体験したハタ揚げは藤原さん親子にとっても素敵な思い出になったのではないでしょうか。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
ようやく風が吹いてハタが大空に舞い上がりました!
藤原さん親子の笑顔もハタと一緒に揚がっていくようです。
春休みに体験したハタ揚げ。きっと素敵な思い出になったよね。
掲載日:
2019/05/01
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