約400年の伝統を誇る波佐見焼。日用食器として親しまれてきたこの波佐見焼は、近年、新しい感覚を取り入れたブランドも数多く誕生し、注目を集めています。
波佐見町の「陶芸の館」(観光交流センター)は波佐見焼の歴史を知ることができる資料館ですが、その中にある「くらわん館」では、波佐見焼の展示・販売のほか、絵付け、ろくろ、手びねりなどの陶芸体験ができます。
岩永さん親子は、ろくろ体験を選びました。
古代から近世にかけて、世界を代表する窯を再現した「世界の窯広場」
波佐見町の観光や波佐見焼を知るならここ、「陶芸の館」(観光交流センター)です。
「くらわん館」では、新しい感覚の波佐見焼を展示・販売しています。
陶芸体験は陶芸家の卵の修行の場として使用されている工房で行います。指導していただくのは、地元の学校で陶芸学習等も行っているHSOCA(ハソカ)代表取締役の本岡将典さん。「お茶碗、湯呑み茶碗、お皿・・、何を作りますか?」との本岡さんの質問に、岩永さん親子は、みんな団結心が強い!全員が「お茶碗を作りたい!」となりました。
本岡さんが、一通り手本を見せた後、お母さんと悠佐くんから挑戦。土を練って土台を置くところまではやってもらえるので初心者でも安心です。
まずはろくろの使い方を習います。ろくろは電動式でペダルを踏む力で回転台の速さを調整します。すごいスピードで回転する土の塊にこわごわ両手を伸ばす悠佐くん。アレッ?土がスベスベ。とっても気持ちがいい!
さあ、親指で真ん中に穴を開け、広げます。
本岡さんが一通り、お手本を見せてくれます。
回転する土に両手を伸ばして・・感触が気持ちいい〜
親指で穴を開け、広げます。
「お茶碗は焼くと小さくなるので、そこを考えて一回り大きく作ってください」と本岡さんがアドバイス。
外側に親指を、中に4本の指を入れ、少しずつ中を広げます。さらに両手を使って成形します。本岡さんの話によると途中で崩れたり、うまく形が作れなかったりすることもあるようですが、悠佐くんはしっかりと成形ができています。お母さんは、悠佐くんに話しかけることも忘れて、夢中で作業を続けます。
自分が思う形ができたら口があたる縁の部分に布をあて滑らかにします。悠佐くんは自信がなかったので本岡さんにお願い。お母さんは自分で頑張りました。糸で底を切って、「できたよ!」。悠佐くんはホッとしたようにお茶碗を差し出します。
外側の親指と中の4本の指で厚さを調整していきます。
お母さんは、悠佐くんに話しかけることも忘れて夢中で作業を続けます。
悠佐くんのお茶碗です。ちゃんとお茶碗の形になってるね。
おばあちゃんと大征くんの番です。大征くんも初めてのろくろ体験に嬉しそう。とにかく手にあたる土の感触が気持ちいいんです。左利きの大征くんはとまどうこともあるけれど、優しい本岡さんのアシストで切り抜け、無事完成。おばあちゃんも立派なお茶碗を作りました。
大征くんもろくろにかかります。手にあたる土の感触が気持ちいい!
指で中面に模様を作っているところ。
大征くんも無事完成です。
へらを使って名前などを彫り込みます。これでオリジナル感がグンとUPしますね。それからどんな色にするかを決定。工房での作業はこれで終了です。あとは本岡さんに託します。
さらに施釉(せゆう)(釉薬(ゆうやく)をかける)、焼成(仕上げ)の工程を経てできあがります。できあがりまでに約2ヶ月間。岩永家に届いたお茶碗は、びっくりするほど素敵なできばえ!まさに碗(ワン)ダフルでした!
初心者でも十分に楽しめて、しかも、毎日使えるオリジナル作品ができる陶芸体験は、親子の冒険にピッタリですね。
文・写真 中尾知徳
竹の箸を使って名前などを彫り込みます。オリジナル感がグーンとUP!
どんな色にするかを決めます。できあがりが楽しみです。
約2ヶ月で完成!素敵なできばえです。
掲載日:
2018/10/10
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