豊かな森に囲まれ、「森と地獄の温泉」として親しまれる雲仙。
そんな雲仙のほど近く、何歳でも入学できて、楽しく学べて遅刻早退、OK!な「学校」ならぬ“楽校(がっこう)”があるのはご存知ですか?体験型の学校「とんさか森の楽校」をご紹介します。
“楽校”があるのは雲仙温泉から南島原方面へ少し下りた、南島原市西有家町の塔ノ坂地区。この地区にある、廃校になってしまった長野分校が毎週土曜日に“楽校”に生まれ変わります。
地元では「塔ノ坂」を「とんさか」と言います。だから「とんさか森の楽校」なのです。
長野分校は、毎週日曜日には「南島原食堂」として、島原半島・南島原市の特産であるそうめんや、塔ノ坂で採れたお野菜やお米を使ったランチを提供してたくさんのご家族やグループの方々が訪れているスポットです。
「塔ノ坂の長野分校」と聞いて「あ、あの食堂か」とピンときた方が、読者の中にいらっしゃるかもしれませんね。
雲仙の森の中にある「とんさか森の楽校」。
木造の校舎はなぜか懐かしい空気にリラックスしてしまいます。
校庭のサッカーのゴールや鉄棒が小さくてかわいい。
訪れた時間は午後1時、楽校開始は11時・・・遅刻です(汗
でも遅刻したからといって先生に叱られるわけではありません。好きな時間から参加できるのが”楽校”の楽しみ方!
この日の時間割は、
11:00 登校。登校後、自由に遊ぶ「あそび」の時間
12:00 楽校給食、給食後昼休みの「くつろぎ」の時間
13:00 「まなび」の時間は『よもぎ探しの探検ウォーク』
13:30 週替わり、メインの課外授業は『よもぎの薬草スイーツ』
15:00 お三時のお茶会、順次下校
少し不安になりながら校舎の中へ入ってみると、ぎりぎり給食に間に合いました。この日は参加の子どもたちが作ったカレーライスと南島原市特産のそうめん、サラダの献立でした。大人は希望であればプラス200円で、地元素材をふんだんに使う市内人気のカレー店「プラサード」の本格カレーも追加できちゃいます!贅沢~!
楽校給食がこちら。プラサードのカレーは写真右上。給食は牛乳もついてます!
参加のみんなでいただきます!ここでは年齢も国籍も関係ありません。
みんなで食べてハッピー!
楽校給食の後はくつろぎの時間、教室のおもちゃで遊んだり、楽器を演奏してみたり。もちろん校庭に出て元気いっぱい走り回るのもいいですね♪
13:00からは「まなび」の時間。この日は楽校の周りで「よもぎ」を探す探検ウォークで、参加の男の子達は張り切って出発!もちろん教室でのんびり過ごすのもOKです。
よもぎは「薬草の女王」とも言われる植物で、春の新芽を昔はよく草団子にして食べていました。
原っぱや畑の石垣の間、小川の側などによく見かける身近な薬草です。
楽校の周りにもたくさん自生していて、子どもたちはあちこちによもぎを見つけて喜んでいました。
昼休みにはセッションが始まったり・・・
校庭の遊具で遊んでみたり。
新緑が眩しいよもぎ。
メインの課外授業では、お待ちかねの「よもぎの薬草スイーツ」を作ります!
南島原市内にある「焼き菓子 ミューズ」のオーナー、相川さんが今回の先生。
用意していたよもぎを塩茹でしてペーストにしたものをお鍋で牛乳、砂糖、アガーと一緒に熱していきます。なにが出来上がるのかワクワク!
最後にカップに分けて、冷蔵庫で冷やすと・・・
先生が丁寧に教えてくれます。
キレイな緑のよもぎペースト。
自分で作る楽しさも。
淡い緑が森の楽校らしい「よもぎと牛乳のプリン」の完成!
やさしい甘さで、牛乳が苦手な参加者の子も美味しそうに食べていましたよ♪
茶摘、田植え、じゃがいもの収穫、様々な交流会など・・・季節ごとに様々な課外授業が予定されている“楽校”。
塔ノ坂の豊かな自然に触れながら年齢や出身の違う人達と協力して何かを達成する、普段では得がたい体験ができるそんな冒険スポットです。
みんなで作った「よもぎと牛乳のプリン」。
牛乳苦手な子がいるなんてわからないこの食べっぷり。
ノスタルジックな雰囲気漂う教室。
文・写真 鍛冶口祐子(グラフィックデザイナー、イラストレーター、ライター/YK. DESIGN WORKS)
掲載日:
2018/06/07
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〒859-3451 長崎県南島原市西有家町長野4421