今回の冒険の舞台は、西海市大瀬戸町雪浦!雪浦といえば毎年ゴールデンウィークに開催されている街歩きイベント「雪浦ウィーク」で有名です。
この「雪浦ウィーク」で人気なのが、勾玉(まがたま)作りです。
大塚さん親子に勾玉作りを指導してくれるのは、民泊「龍(たつ)の口荘園」を経営する林吉行さん。玄関前の棚には何やらおもしろそうな石が並べられています。
「これは石鍋と言って1000年前のものです。西海市はその昔、石鍋の一大生産地だったんですよ」と林さん。石と深い関係がある西海市の歴史や古代のロマンを感じて欲しいと、林さんが始めたのが勾玉作りです。
ふと見ると林さんの胸には変わった形の石の工芸物が。
「これが勾玉です。この辺で採れる長崎ヒスイという石を使って作ったんです」
ヘェ〜、古代の人々が神秘の力が宿る石として、お守りや魔除けとして大切にしてきた勾玉を作りましょう!
今回の冒険の舞台は、西海市大瀬戸町雪浦です。
勾玉作りを指導してくれる林吉行さん。
棚には西海市で作られていた石鍋が!
これが勾玉!長崎ヒスイという石を使って林さんが作ったオリジナルです。
庭先に設けたテーブルに材料と道具が用意されています。
勾玉作りはまず、石選びから。林さんが用意してくれたのは立方体の滑石(かっせき)です。滑石は柔らかいので加工するのにいいんだって。
また、すでにあらかた周りを削った石も用意されているので、小さいお子さんや時間があまりない方でも体験できるようになっています。
もちろん、大塚さん親子は、四角い石を選択!
色は白、黒、ピンクなど、いろいろあります。
「みんな好きな色を選んでください。淳平くん、どれにする?」
淳平くんは迷った末に、白色の石を選びました。お父さんも同じ色、お母さんはグレーっぽい色を選びました。
石には紐を通す穴が開けてあり、削りやすいように黒い線が描かれています。
庭に設けたテーブルに勾玉作りの材料と道具が並びます。
立方体の石やすでに加工した石の中から選びます。色もいろいろあります。
淳平くんは白色の石を選びました。うまく作れるかな?
「石はまず黒い線に沿って外側から削っていきましょう。この棒ヤスリで削ってくださいね。棒ヤスリは平たい面と丸くなった面があるので、使い分けながら削ってください」
早速、棒ヤスリをもらって削ります。
ザッ、ザッと棒ヤスリで石を削る音が響きます。意外と簡単に削れるのが不思議です。
「棒ヤスリの他に、砥石を使って削ってもいいよ」
砥石の方が力を込められるので淳平くんには合っているのかも。どんどん削れます。
「正直、ただ石を削るだけだと退屈かなと思ったけど、面白いですね」とお父さん。
林さんは我が意を得たりと笑顔です。
「うちは民泊もやっているんですけど、勾玉作りは高校生とか外国の方にも人気なんですよ」
「石はまず黒い線に沿って外側から削っていきましょう」と林さん。
淳平くんが棒ヤスリを使って石を削っていきます。
時には砥石を使って削ります。これだと力が入って、どんどん削れます。
外側と内側を粗削りしたお父さんは、内側の円形の部分を削る作業に移ります。使う道具は電動の棒グラインダー。ギーンという音とともに白い粉が飛び散ります。
「できるだけ丁寧に削ってくださいね」
淳平くんも、あらかた外側を削り終わり、真ん中の円形の部分を削る作業に。
棒ヤスリの太いところと細いところを上手く使ってできるだけ滑らかになるように削っていきます。
でもちょっぴり心配そう。どうしたのかな?
どうやら先に描かれた線通りに削れないのが心配になったみたい。
「勾玉は決まった形はないから好きなように削って大丈夫だよ。その線は作業しやすいように描いているだけだから」
林さんが引っ張り出してきた資料の写真を見ると、なるほど勾玉といってもいろいろな形があります。
淳平くんは安心したように力を込めて削ります。
お父さんは棒グラインダーで内側の円形の部分を削ります。
淳平くんは真ん中の円形の部分を削る作業に移ります。
「勾玉は決まった形はないから好きなように削っていいんだよ」と林さん。
ちょっと難しいグラインダー作業は、林さんに手伝ってもらっていい感じの形になりました。
まだちょっと角ばってはいますが、「まあいいでしょう」と林さんからOKが出ました。
水ペーパーを使って最後の仕上げにかかります。
磨いていくうちにツルツルになっていきます。
「ホラ、色が変わってきたでしょう?」
淳平くんが空に向かって石をかざすと、確かに透明感が出てきました。不思議だね!
しっかり磨いて、みんなのオリジナル勾玉ができました。
後は林さんが艶出しの椿油を塗り、紐を穴に通せばネックレスとして完成!
カッコいい!みんな首にかけてゴキゲンです。
最後は、林さんが記念撮影をしてくれて、楽しい約1時間半の勾玉づくりが終了しました。
西海市郷土史研究家でもある林さんのお話も勾玉づくりの楽しさをUPしてくれますよ。
古代のロマンを感じさせる勾玉作り、ぜひ、ご参加ください。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
いい感じの形に!ちょっと角ばっているけど、林さんからOKが出ました。
水ペーパーで最後の仕上げです。磨いていくうちにツルツルになっていきます。
オリジナルの勾玉ができました!後は椿油を塗って紐を通せば完成です。
掲載日:
2021/02/24
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