今回の冒険の舞台は 長崎市にある「相川町馬乗川平休耕田」です。
野中さん親子を迎えてくれたのは、防水のつなぎを着込んだ長崎大学教育学部准教授の大庭伸也さんとそのお子さん達。
「良く来ましたね。これから、たくさんの水の生き物を観察しましょう」
早速、先生を先頭に散策路を通って歩きます。
大庭先生、ここはどんな場所なんですか?
「この場所は、10年ぐらい前に稲を作らなくなった田んぼです。そのままにしておくとニホンアカガエルやカスミサンショウウオ、ヘイケボタルなど湿地に住む貴重な生き物が絶滅してしまうので、地元の自治会の皆さんが水の管理や草刈り、漏水チェックなどを行うことで、多様な生物が生息する自然体験の学習の場として利用されているんですよ」
大庭先生も時々ここを訪れて、生き物の調査をしてるんだって。誰でも、生き物の観察ができる場所なんだね。
やってきたのは長崎市の「相川町馬乗川平休耕田」です。
今回の案内人は、長崎大学准教授の大庭伸也先生とそのお子さん達です。
先生を先頭に散策路を通って、歩きます。
大庭先生が水田湿地の中に足を踏み入れ、進み、チェックします。
そして、用意していた網で水を掬うと‥
アカハライモリにクロズマメゲンゴロウ、オタマジャクシなど、いろいろな生き物が!
バットの中に入れられた生き物を見て子ども達が歓声をあげます。
「ヘエ〜、スゴイなあ〜!」
4歳の晴太くんは見ているだけでなく指先で突いたりしています。
先生がまず湿地の中に入って、状況を観察します。
先生が網を掬ったら、こんなにたくさんの生き物がいました。
「ヘエ〜!すごいなあ〜!」と子ども達が歓声をあげます。
でも、やっぱり見ているだけじゃつまらないよね。
「先生!中に入ってもいいですか?」
先生達のような装備をしてこなかったけれど、ぜひ入りたい!
「それじゃ、深いところがあるからね、注意して、入ってごらん」
子ども達は裸足になって恐る恐る踏み入れます。
「ウワア〜!」
「押さないでよ!」
子ども達は、それぞれ生き物を捕まえられそうな場所へと足を進めます。
「何かいた!」
大吾くんは素手ではなかなか捕まえられないので、網を借りて、エイッ!
「先生、これは何?」
捕まえるたびに先生が説明してくれます。
「これはヤゴ。トンボになるんだよ」
みんなも網を借りて、夢中になって掬います。
先生がどうしても見せたかったものが、網に入りました!
「オッ、これはコオイムシ!背中に小さい卵があるでしょ。だからコオイムシって言うんだ。お父さんしか子育てしない虫なんだよ」
やっぱり見ているだけじゃつまらない!湿地の中に入ろう!
「何かいた!」大吾くんが網で掬います。
小さい卵をいっぱい背負った、その名も「コオイムシ」!
李桜ちゃんが捕まえたのはアカハライモリ!
「お腹が赤いからアカハライモリって言うんだよ」
次に捕まえたのは?
「カメムシの仲間、ヒメアメンボだね。臭いを嗅いでごらん!」
あのクサイ臭いのするカメムシ?やめた方がいいんじゃない?
でも、鼻に近づける李桜ちゃん!
「何もニオイがしないよ?」
ちょっと拍子抜けだね。大庭先生、その様子を見て笑顔。ヒメアメンボはカメムシの仲間だけど、飴みたいなニオイで臭くないんだって。
昇吾くんも何か捕まえたみたい
李桜ちゃんも何か捕まえたぞ!
捕まえたのはアカハライモリ!
昇吾くんも何か捕まえたみたい!
昇吾くんが捕まえたのはカスミサンショウウオ!
「エラがついているからまだ子どもなんだって」
先生から聞いた説明を李桜ちゃんがお父さんに伝えます。
「ホオ〜」
子ども達がイキイキとしている表情を見て、お父さん、お母さんも嬉しそうです。
李桜ちゃんはアカハライモリを手で掴んでは、
「触るのもすっかり慣れちゃった!」と楽しそう。
すっかり仲良くなった野中家と大庭先生の子ども達は、泥だらけになった体を川で一緒にキレイにして、夜を待ちます。
陽が暮れて、みんなが待っていたのは・・
黄色い光がフワッと光ります。
「いた!ホタルだ!」
「どこどこ?」
「あそこ!」
「川の方にもいるよ!」
興奮した子ども達の声が響きます。
幻想的な光の舞は、本当にキレイ!
本当に昼も夜も楽しい教室でした。
皆さんもぜひ、お出かけください。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
「カスミサンショウウオ」だあ〜!
生き物に触るのもヘッチャラになったね。
ホタルもゲット!昼も夜も楽しい教室でした!
掲載日:
2020/06/17
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