長崎市の「あぐりの丘」は、約50ヘクタールの広さを持つ農業公園型施設。動物とのふれあいやいろいろな体験ができる施設として人気です。
松田さん親子を迎えてくれたのは、長崎女子短期大学教授の松尾公則さん。実は松尾さんは別名、カエル先生と言われるほど、カエルのスペシャリストなんです。
「今日はあいにくの雨ですけど、絶好のオタマジャクシ日和、カエル日和です!」と先生。
雨でちょっとガッカリしていた子どもたちも笑顔になります。
臨時に借りた体験教室で簡単な説明を受けた後、オタマジャクシを捕まえる道具を持って池へ出かけます。
あぐりの丘へは何度も来たことがある松田さん親子ですが、池まで来たのは初めてです。
※2020年3月7日に取材しました
長崎市の農業公園型施設「あぐりの丘」です。
松田さん親子を迎えてくれた松尾公則さん。又の名をカエル先生!
オタマジャクシを捕まえに池に出かけます。
水の中を見ていた葉輝くんが叫びます。
「いっぱいおるよ!」
確かに真っ黒なオタマジャクシがビッシリ!これはスゴイ!
「カエルが2月に卵を産んで、ちょうど今(3月上旬)は、オタマジャクシになった頃だよ。この池には数十万匹のオタマジャクシがいるんじゃないかな?」
みんな驚いています。
透明な瓶にまず水を入れて網でオタマジャクシをすくいます。
「いっぱい捕ろうで。後で逃せばいいからね」と先生。
軽く網を入れるだけでおもしろいようにオタマジャクシが捕れます。
あっという間にたくさんのオタマジャクシをゲットできました。
オタマジャクシがビッシリ!これはスゴイ!
網でオタマジャクシをすくいます。
あっという間にたくさんのオタマジャクシをゲット!
体験教室に戻って、カエル先生のお話を聞きます。
「卵からオタマジャクシになります。オタマジャクシになると後ろ足が生えて、次に前足が生えます。
次に尻尾が消えてカエルになります」とイラストで説明した後、6種類のカエルのフィギュアを取り出し並べます。
「それじゃ、捕まえたオタマジャクシはどのカエルかな?」
松田さん親子がそれぞれ、悩みながら選びます。
「正解は、お母さんが選んだヒキガエルです!」
「ヤッター!!」とお母さんは大喜び。
先生がここで、
「みんな本物のカエルを見たいでしょ?」と言うと、
プラスチックケースの中から何か手に取り机の上に置きます。
途端に
「ウワア〜!」
「キャ〜ッ!」と大騒ぎです。
「これはヒキガエルのお母さんだよ」
体験教室に戻ってカエルとオタマジャクシの勉強をします。
カエルのフィギュアを机の上に。捕まえたオタマジャクシはどのカエルかな?
先生がケースから取り出したヒキガエルのお母さんにみんな大騒ぎ!
20センチほどの大きなヒキガエルを見るのはみんな初めて!先生が飼育しているヒキガエルだそうで、メスなんだけど、名前は「ヒキサブロウ」。
それにしても、ジッとしているね?
「今、冬だから、動かないんだよ。触ってごらん」
子どもたちは恐る恐る指で触ります。
「冷たい!」
満足そうな先生は、
「次にヒキガエルの鳴き声を聞こうか?」と鳴き声図鑑を開き、機械を使って鳴き声を再現します。
耳を澄ませる松田さん親子。
「キュ、キュ、キュ」カエルというより鳥の鳴き声みたい?意外です。
「鳴くのはオスだけ。鳴くことでメスを呼び寄せるんだよ」
楽しそうな男の子達と違って結心ちゃんだけは、お母さんの後ろから見つめています。
「結心ちゃんは、大きいカエルが怖いかな?それじゃ、小さいカエルだったら好き?」と先生に聞かれてコクリと首を振ります。
すると先生がケースから取り出したのは約5センチの緑色のアオガエル。かわいいね!
約20センチほどの大きさです。名前は「ヒキサブロウ」。
「ヒキサブロウ」に恐る恐る触る子ども達。オスの鳴き声も聴いてみよう!
結心ちゃんのために先生が緑色のアオガエルを出してくれました。
葉輝くんがアオガエルを指でつつきます。
「気持ちいい!」
結心ちゃんはやっぱり触れませんでしたが、笑顔で見つめています。
「ヨシ、次にヒキサブロウを手に載せてみるかい?」
お兄ちゃんの蓮佑くんが両手に載せてもらいます。
「ひんやりして気持ちいいでしょ。それに、お腹はプヨプヨしてるもんね」と先生。
葉輝くん、そしてお母さんも手に載せて、楽しそうです。
オタマジャクシを育てる餌は、ホウレンソウがいい−
足が生えてきたら陸地を作らないとカエルが溺れてしまう−
カエルになったら動く虫しか食べないから育てるのが難しい−
今まで知らなかったオタマジャクシやカエルの生態について、いっぱい勉強した松田さん親子。
「人間の生活に密着していたカエル達がどんどん姿を消しています。あぐりの丘は、長崎市の中では安全にしかもたくさんのオタマジャクシが観察できるところです。もっと子ども達に知ってもらいたいですね」
カエル先生ありがとうございました。
葉輝くんがアオガエルを指でつつきます。「気持ちいい!」
蓮佑くんが両手に「ヒキサブロウ」を載せてもらいます。
オタマジャクシやカエルの生態についていっぱい勉強しました。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
掲載日:
2020/05/13
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