鎖国時代、出島のオランダ商館医シーボルトは、お滝さんという女性を愛し、美しい空色のアジサイに「オタクサ」という学名をつけました。しかしある時、シーボルトはスパイの容疑をかけられ国外追放となり、お滝さんと離ればなれになってしまいます。ふたりが再び会えたのは、国外追放から約30年後だったそう。
そんなふたりにまつわる場所で毎年5月から6月*にかけて開催される「ながさき紫陽花(おたくさ)まつり」。色鮮やかに咲き誇る美しい紫陽花を見に行ってきました。
*2019年の「ながさき紫陽花まつり」は5月25日~6月16日に開催されました。
眼鏡橋の両側に紫陽花が並びます。
出島やシーボルト宅跡も会場になっています。
ピンクに紫ととても彩り豊か。
紫陽花まつりの期間中、長崎市の眼鏡橋付近の中島川沿いには、様々な色合いの紫陽花がずらっと並んでいます。陽が出ている時間にはチリンチリンアイスの屋台も出ており、お祭りのわくわく感を高めてくれます。
ひとつひとつの紫陽花には、名前が書かれたプレートがついています。中には思わず二度見してしまうユニークな名前のものも。個性豊かな紫陽花をじっくり鑑賞してくださいね。
丸っこく大きな紫陽花。
星形に配置された紫陽花も。
その名の通り紫陽花がダンスパーティーをしているよう。
取材に訪れた日は、今にも雨が降りだしそうな曇り空。しかし、中島川付近は観光客や地元の方で大賑わい。
しゃがみこんで紫陽花の写真を撮る人がいれば、紫陽花の横のベンチに座っておしゃべりをしている人も。長崎の街に紫陽花が馴染んでいるからこその光景だなと感じます。中島川付近は、とても穏やかな時間が流れていました。
あの名作と同じ名前の紫陽花も。
朝に見ると元気が出そうな紫陽花の名前。
眼鏡橋と紫陽花のコラボレーションが見られるのもこの時期だけ。
ながさき紫陽花まつりは中島川付近以外にもシーボルト記念館や出島、グラバー園などでも開催されています。シーボルト記念館では、企画展「シーボルトとおたくさ」が行われており、シーボルトが帰国後に発表した「日本植物誌」をはじめ、様々な資料を見ることができます。さらにグラバー園では「NIGHT GLOVER GARDEN」も開催。夜間開園でしか見ることのできない夜景とのコラボレーションは必見です。
拳と比較してもひとつひとつの紫陽花が大きく、存在感があります。
梅雨空に紫陽花が映えます。
花壇には自生の紫陽花も。
ながさき紫陽花まつりでは、関連イベントも数多く実施されます。開催期間限定の「ながさき紫陽花さるく」では、ガイドの方がシーボルトとお滝さんにまつわる場所を案内してくれます。また、期間中は紫陽花をイメージした料理を楽しむことができる「長崎そっぷ」も。「そっぷ」はオランダ語でスープという意味。
巡ってよし、見てよし、食べてよしのながさき紫陽花まつり、ぜひ行ってみてください!
文・写真:結子 生まれは長崎。育ちも長崎。大好きな長崎のワクワクをお届けします。
©長崎県観光連盟
シーボルト記念館の紫陽花。
©長崎県観光連盟
グラバー園にはハート型の紫陽花も。
©長崎県観光連盟
長崎の街をさるくガイドの方が丁寧に案内してくれます。
掲載日:
2019/06/25
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【中島川 眼鏡橋周辺】〒850-0874 長崎県長崎市魚の町2
【シーボルト記念館】〒850-0011長崎県長崎市鳴滝2-7-40
【グラバー園】〒850-0931長崎県長崎市南山手町8-1