毎年2月中旬から3月中旬にかけて、長崎県北で最も長い川である佐々川では、海から産卵に上がってきたシロウオをすくいとるシロウオ漁が行われています。このシロウオ漁に一般の人でも参加できるのがシロウオ漁体験。今回は、遠藤さん親子が挑戦します。
漁の現場に行く前に、集合場所でまずライフジャケットを装着。それから、堤を歩いて体験の場所へ向かいます。川の両側には足場がギッシリ。その数、70を超えるといわれます。
佐々川にはシロウオを獲るためにたくさんの足場が組まれています。
漁の現場に行く前にライフジャケットを装着します。
歩いて体験の場所へ向かいます。
急な階段を降りて、川に突き出した足場へ行くと、待っていたのは那須義一さんです。
「川の中に網が見えるでしょ。佐々川伝統の四つ手網漁といって、これでシロウオをすくいとるんだよ。シロウオは透明だから見えにくいけど、あの白い色の枠を見ているとシロウオがいるかどうかわかるから、いたら網を上げるんだよ」
那須さんの指導で網を上げる練習です。網を上げる長い棒はてこの原理を使って上げます。
「ヨシ、それじゃ、あとはシロウオを待とうか」
川に突き出た足場に立ちます。手すりもあって安定感があるので安心です。
指導してくれるのは那須義一さん。定年退職後にシロウオ漁を始めたとか。
佐々川独特の四つ手網漁。白い枠がシロウオを見つけるポイント。
光愛ちゃんはじっと川面を見つめますが、なかなかシロウオは見えません。
「今年は不漁でね。シロウオがあまり獲れなくて困っているんだ」と那須さん。そうなんだ。
シロウオは透明な体の小魚で成魚は約5センチメートル。生きたままポン酢で食べる踊り食いが有名だそう。
「光愛ちゃん、踊り食いしたい?」
光愛ちゃんは激しく首を横に振ります。
さて、何度か引き上げてみますが全く姿をみせません。しかも時間が経つにつれ潮が引いていくため水面がどんどん下がっていくばかり。
ついに30分でタイムアップとなりました。残念!
那須さんも気の毒そうにしています。こればっかりは仕方ないよね。
何度も網を上げて確認します。
じっと川面を見つめますが・・
結局、30分でタイムアップ。残念!
お隣の足場で漁をしていた方のバケツを見せてもらうことに。バケツを覗き込むと、これがシロウオ!本当に体が透き通ってる!
光愛ちゃんもビックリです。ああ、このシロウオが獲れていたらなあ〜。
那須さんから佐々駅の方でシロウオまつり(※2019年は3月3日に開催されました)のイベントをやっていると聞き、堤を歩いていくことに。
堤は河津桜(カワヅザクラ)という早咲きの桜が満開です。また、黄色い菜の花も咲いていて、歩くのが楽しくなります。
これがシロウオ!本当に体が透き通っている!
河津桜と菜の花が咲く堤をお父さんと一緒に歩きました。
きれいな河津桜。堤には約260本があるそうです。
イベント会場にやってきた二人は「シロウオすくい」の看板を発見!これはやらねば。金魚すくいの要領でシロウオをすくいます。素早く動き回るシロウオですが、お父さんが最初のひとすくいでシロウオをゲット!
獲ったシロウオはその場で踊り食いにできるんだそうです。
ポン酢が入ったカップにシロウオを入れて、お父さんがいただきます。
「口の中で泳いでる!おいしい!」
それを見ていた光愛ちゃんに、お父さんが「食べる?」と聞きます。光愛ちゃんは思わずうなずきます。シロウオを口に入れた光愛ちゃんは、目を白黒!
しばらくして、「おいしい!」と一言。
そうか、やっぱりおいしいんだ。シロウオ漁はうまくいかなかったけれど、初めての踊り食いができてよかったね。
佐々町ではシロウオを使ったかきあげ丼や炊き込みご飯ほか、オリジナルの料理も考案されていて、2019年3月にはグルメフェアも開催されました。
毎年3月には、シロウオまつりが開かれるので、ぜひ、佐々町の春の味覚を楽しんでください。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
シロウオすくいに挑戦。お父さん、ウマイ!
ポン酢の中にシロウオがいます。
初めての踊り食い!どうかな?
掲載日:
2019/04/03
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