長崎の醤油といえば、チョーコー醤油ですね。
チョーコー醤油をつくっている長工醤油味噌協同組合大村工場。
「長崎醤油資料蔵」で下田さん親子はまず醤油の歴史や昔の醤油づくりの歴史を教わりました。
さあ、今回は近代的な工場で現在の醤油づくりを学びましょう。*
案内してくれるのは、理事長の宮崎太樹さんと技術部 研究開発課の嵩下愛果さん、そして家族団らんを愛するスーパーヒーロー「つゆレンジャー」もお手伝いしてくれますよ!
工場の中に入ると巨大な機械が目の前にそびえています。
「ここが、醤油の原料となる大豆を蒸す機械です」と嵩下さん。
その名も『連続蒸煮缶(れんぞくじょうしゃかん)』といいます。
「蒸した大豆はそのままだと後で加える種麹が死んでしまうので、冷まして次の工程に送ります」
続いては・・
「そして、今、見えているのが小麦を炒る機械です」
*2023年4月現在、感染症対策のため一般の工場見学は受け付けていません。また、今回の見学ルートは通常とは異なります。
今回は近代的な工場で現在の醤油づくりを学びましょう。
醤油の原料となる大豆を蒸す機械です。
醤油の原料となる小麦を炒る機械です。
炒る工程が終わって、湯気があがっている小麦が出てきているのが見えます。
「大豆と小麦、麹(こうじ)菌を混合してベルトコンベアーで運びます」
ほとんど機械化されていて人の姿がありません。
下田さん親子も規模の大きさに圧倒されています。
「ここが室(むろ)です。2階建てになっていて、1階から空気を送って2階で麹をつくります。室は自動製麹装置(じどうせいきくそうち)というもので、3日かけて麹が完成します」
室の一つの扉を開けると、湿度の高い熱風が顔に当たります。
嵩下さんが、中から麹をすくって見せてくれました。
「これは2日目の麹です。色が黄緑っぽく変わっていますね」
お父さんと子どもたちも興味津々です。
理事長の宮崎さんがお父さんと子どもたちに提案です。
「1階の空気を送る室の扉を家族で力を合わせて開けてもらえるかな?」
そんなの簡単、簡単、と思っていたら・・
「うわあ〜!」
中からの空気の圧力に3人でも押さえきれなくなりそうです。
「もういいですよ!」と宮崎さんの声で扉を閉めようとしますが、これも簡単には行きません。
全力で押してやっと閉めることに成功!
「ヤバイ!」と壮真くんもビックリです。
湯気があがっている小麦が出てきます。
大豆と小麦、麹(こうじ)菌を混合したものが運ばれる室(むろ)です。
麹は3日かけてつくられます。2日目の麹はどんな感じ?興味津々です。
できた麹は食塩水と混ぜて、諸味(もろみ)発酵タンクで貯蔵されます。
諸味発酵タンクはとにかく大きい!
つゆレンジャーの皆さんと比較するとその大きさがわかります。
「このタンクの中には、素材がスーパーステンレスといって、醤油のような塩分の高いものを保管しても100年錆びないと言われるものもあります」と嵩下さん。
スゴイなあ〜!
工場を移動する時に気になったのが、壁が黒くなっているところ。
「これは掃除していないわけじゃないんですよ。日本酒や醤油をつくる会社はアルコール発酵するので、空気中に存在するアルコールが好きな黒菌というのがくっついているんです」
なるほど〜。
見学通路からできあがった諸味を袋に詰めるところを見ます。諸味充填装置です。
「400メートルにもなる長い布に諸味を詰めて1メートルごとに折り返して400段、大体6メートルぐらいの高さになります」
ここも自動化されています。
つゆレンジャーと比較すると諸味発酵タンクの大きさがわかります。
壁が黒いのは黒菌がくっついているからだそうです。
見学通路から諸味を袋に詰めるところを見ます。
諸味が搾られるところも見ることができました。
諸味圧搾機(もろみあっさくき)を使います。
3日間かけて搾りますが、1日目のものは自らの重みで搾り出されるのだそうです。
滴り落ちる黒い液体が見えます。
「これが一番搾りです」と宮崎さん。
ここまでくるのに半年から1年かかっています。
醤油づくりはこれで終わりではなく、濁りを取るための濾過(ろか)、さらに殺菌のための火入れなどの工程を経て、醤油になります。
本当に時間がかかっているんですね。
醤油作りの工程を一通り見た後に、醤油生搾り体験に挑戦します。
下田さん親子が交代で、用意してもらった諸味を、柄杓を使って桶から袋に入れます。
そして諸味の入った袋を重ね、搾り機にセットし、蓋をします。
諸味が搾られるところも見ることができました。
滴り落ちる液体が見えます。「これが一番搾りです」と宮崎さん。
生醤油搾りに挑戦!まず諸味を柄杓を使って桶から袋に入れます。
重りを乗せたら、てこの原理を使って棒に力を込めて搾ります。
これが、結構大変!
みんなで力を合わせて搾ると、下の蛇口から生醤油が滴り落ちてきます。
容器の中に溜まったら蓋をしてラベルを貼れば、オリジナルのマイ生醤油の完成です。
せっかくだからちょっと舐めてみよう!
ウン?いつも使っている醤油より味が濃い感じがするけど・・
「オイシイ!」
チョーコー醤油では、地元の産品を使った商品開発も積極的です。
「これは長崎にしかない“ゆうこう ”の果汁を使った新商品です。これもお土産に持って帰ってください」
下田さん親子も思わず笑顔です。
「とっても楽しかった!」と下田さん親子。食卓に並ぶチョーコー醤油がもっと身近になったようです。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
みんなで力を合わせて搾ろう!
生醤油を舐めてみよう!ウン?いつも使っている醤油とは違うけど・・
地元の産品を使った新商品もお土産にいただきました。
掲載日:
2023/05/03
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