長崎の醤油といえば、チョーコー醤油ですね。
でも、醤油ってどうやってつくっているんでしょう?
今回は、チョーコー醤油をつくっている長工醤油味噌協同組合大村工場を特別に訪ねることができました。*
下田さん親子を迎えてくれたのは、理事長の宮崎太樹さんと技術部研究開発課の嵩下愛果さんです。
「こんにちは!」
挨拶をしていると突然、誰かが飛び込んできました!
「つゆレンジャー!!」
そうです!5人は家族団らんを愛するスーパーヒーロー!
えびレッド、あごグリーン、かつおブルー、鍋つゆゴールド、まぜめんつゆシルバーなのです。
下田さん親子はビックリしながらも、大笑い!
今回は「つゆレンジャー」もお手伝いしてくれるそうで、なんだか楽しい工場見学になりそうです。
早速、工場案内ビデオを見てチョーコー醤油の歴史や醤油づくりの概要を知ります。
*2023年4月現在、感染症対策のため一般の工場見学は受け付けていません。
今回の冒険は、長工醤油味噌協同組合大村工場です。
宮崎理事長と嵩下さん、そして「つゆレンジャー」が登場!
まず工場案内ビデオを見て、チョーコー醤油の歴史や醤油づくりの概要を。
ビデオを見た後、原料や小さな樽などを机の上に並べて醤油づくりをわかりやすく説明してもらいます。
「醤油の原料は、大豆、小麦、塩です。一般的な醤油づくりには、大豆から油を抜いた脱脂加工大豆が使われますが、チョーコー醤油では丸大豆を使用することにこだわっています。更にチョーコー醤油の中でも最高ランクの醤油『超特選むらさき』には、米も使用しており、圧倒的に原料が多いことが特長です。だから旨味が違ってくるんですね」
確かに同じ1リットルの醤油を作るのに必要な原料を一般的な醤油と比較したペットボトルを見ると、全然違いますね。なるほど、おいしい醤油の秘密の一つがわかりました。
醤油作りの工程は、蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせ、そこに種麹(たねこうじ)を加え、麹を作ります。できた麹は食塩水と混ぜ合わせ、諸味(もろみ)を作ります。諸味はタンクで半年から1年かけて熟成した後、搾って、生の醤油をつくります。さらに火入れ、品質検査を受け、容器に充填されて完成です。
さあ、工場見学に出発しましょう!
醤油づくりをわかりやすく説明してもらいます。
一般的な醤油の原料(右)と比較すると圧倒的に原料が多いですね。
さあ、工場見学に出発しましょう!
最初に向かったのは試験分析室です。
研究員の方が忙しそうにいろいろな機械を使って分析をしています。
厳しい品質管理がここの仕事だそうですよ。
隣の研究開発室では年間100種くらいの新商品の試作を重ねているそうです。
次に向かったのが、「長崎醤油資料蔵」です。
昔の醤油づくりの工程や道具がわかるようになっています。
古い道具がいっぱい並んでいます。
「これは小麦を実と殻に分ける道具(唐箕=とうみ)です。レバーを回して風で分けていたんだよ。教科書で見たことないかな?」
「ああ〜、なんか見たことある!」と陽翔くん。
小麦を炒る釜、炒った小麦を挽く石臼、大豆を蒸す釜、塩水を作るざるなど、おもしろい道具があります。
最初に向かったのは試験分析室。ここで厳しい品質管理が行われています。
昔の醤油づくりの工程や道具を知ることができる「長崎醤油資料蔵」です。
小麦の実と殻を分ける道具(唐箕=とうみ)「なんか見たことある!」
昔の醤油の商店も再現されています。
ウン?良く見ると店番をしているのは「つゆレンジャー」!
これには下田さん親子も爆笑です。
2階には、麹をつくる室(むろ)。
「麹づくりはおいしい醤油をつくるために最も大事な工程です。一年中季節に関わらず一定の品質のものをつくらないといけないので職人技でないとダメだったんですよ」
次の工程が麹に塩水を加える仕込工程で、仕込んだものが諸味(もろみ)なります。
「諸味の発酵・熟成には、新鮮な空気が必要で、そのために攪拌しないといけません。その時に使ったのが柄振棒(えぶりぼう)す。持ってみる?」
陽翔くん、壮真君、それぞれ、柄振棒を持っては、動かしてみます。
昔の醤油の商店を再現したもの。店番していたのは「つゆレンジャー」!
おいしい醤油をつくるために最も大事な麹を作る室(むろ)
諸味(もろみ)攪拌させるために使った柄振棒(えぶりぼう)持って。
江戸時代、醤油は長崎から海外へも輸出されていました。
「波佐見焼などの陶器に詰めて輸出されていたんですよ」
そんな歴史を物語るのが通称「コンプラ瓶(ポルトガル語の『コンプラドール=仲買人』が語源)です。
陳列ケースの中にあるコンプラ瓶はまるで美術品のようで、下田さん親子も感心しきりです。
また1階に戻って、諸味を搾る道具や搾ってできた生揚(きあ)を加熱するための釜、澄ます樽、醤油を詰めた一升瓶などを見学。
昔の醤油づくりや道具を学んで、次は近代的な醤油づくりがどうなっているか?
楽しみです!
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
江戸時代、醤油は長崎から海外へも輸出されていました。
輸出する時に使われた波佐見焼のコンプラ瓶はまるで美術品のよう。
昔の醤油づくりや道具を学んで、次は近代的な醤油づくりが楽しみです。
掲載日:
2023/04/26
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