今回の冒険の舞台は、五島市三井楽町の「ステンドグラス工房 538」。海岸の側にたたずむ工房は、元は倉庫だったというレンガ壁の趣のある建物です。迎えてくれたのは、代表の濱崎由美子さん。作品づくりのかたわらステンドグラスの魅力を知ってもらうための体験教室を実施しています。
同じ五島に住んでいながら、「ステンドグラス工房 538」の存在を初めて知った有川さん一家が、体験教室に参加しました。
まるでプライベートビーチのような海岸のそばに建つ工房
「ステンドグラス工房 538」代表の濱崎由美子さんです。
工房内には、ステンドグラスの作品がいっぱい。
今回は、フォトフレームづくりに挑戦。フレームの形をイメージした色とりどりのガラス片がすでに用意されています。このガラス片の側面に銅板のシールを巻いていくことからスタート。簡単そうに見えてなかなかうまく巻けません。「シールとシールの間に隙間があると、壊れる原因になるからね」と濱崎さん。
シールを一回手で巻いた後、竹の箸を使ってギュツ、ギュッと押し込んでいきます。
ガラス片のフレームが用意されています。
ガラスの側面に巻く銅板のシール
さあ、銅板のシールを巻いていこう。
シールを巻き終わったら、ハンダづけの作業。デザインのとおりにガラス片を接着していきます。平行を保って一気にコテを動かすのがポイントです。もちろん、子どもたちはハンダづけの作業は初めて。でもお兄ちゃんの昇竜くんは、ことも無げに作業をこなします。まるで職人さんみたい。弟の虎位くんは、濱崎さんの指導を受けながら、しっかりと作業を続けます。お父さんも「こんなに真剣にしているところは見たことがないですね」と感心しきりです。
ハンダづけの作業です。
お父さんもこどもたちの作業を見つめます。
初めてのハンダづけの作業。難しいね。
ガラスの色をよく出すために金属ブラシを使って傷をつけます。ステンドグラスのステンドは、「傷をつけるという意味があるんですよ」と濱崎さん。
さらに、ハンダづけした部分が酸化するのを防ぐ「ブラッキー」という液体を塗ります。
塗り終わったら、綺麗に水洗いをします。
金属ブラシで表面に傷をつけます。
ハンダが酸化するのを防ぐ「ブラッキー」を塗ります。
塗り終わったら綺麗に水洗いします。
椿油を塗って艶出しをします。塗ってもいい油はいろいろありますが、やっぱり五島の特産品である椿油です。
最後に濱崎さんが写真を挟むガラスを取り付けて終了。ステンドグラスのフォトフレームが完成しました。
約2時間半かけてできあがったフォトフレームに子どもたちは、満足しています。
お母さんもフォトフレーム作りを楽しみましたが、それよりも、「子どもたちが黙々と作業する違った一面が見られてよかったです」と嬉しそう。
椿油を塗って艶出しです。
フォトフレームの完成です。
みんな、どんな写真を飾るのかな?
有川さん一家は、三井楽教会にも立ち寄り、濱崎さんたちが約6年かけて製作したというステンドグラスを鑑賞。
その美しさに感激していました。皆さんも、ぜひ、立ち寄ってみてください。
文・写真 中尾知徳
三井楽教会。残念ながら中は撮影禁止。ぜひ実際に行ってみて!
掲載日:
2018/07/25
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〒853-0601長崎県五島市三井楽町濱ノ畔806-9