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「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~」④~「鼻はじき」に「ぬっぺ」・・・独特の名前が気になる!諫早・大村の郷土料理を食べてみよう!

5回シリーズで紹介している長崎県の郷土料理。今回は県央地区の2市、大村と諫早の郷土料理についてご紹介します。
これらの郷土料理は、農林水産省が全国各地の多様な食文化を次の世代に継承する活動の一つとして、各県ごとに郷土料理を選んだもので、長崎県の郷土料理として、ちゃんぽんや皿うどんなど、30のメニューが掲載されています。「冒険する長崎プロジェクト」では、これまで島原半島や県北地域、それに離島の郷土料理を見てきましたが、どれも地域でとれる食材を使って、長崎らしい少し甘めの味付けで、もてなし料理などとして各地で伝えられてきたことがよく分かりました。また、「アルマド」(ゆで卵の周りに食紅で色付けした上で、魚のすり身で包んで揚げたもの。語源はポルトガル語やオランダ語と言われる平戸の郷土料理)や島原の乱と大きく関わっている「具雑煮」など、それぞれの地域の歴史ともつながる料理が多いことも新しい発見です。

県央地区の郷土料理で特に注目したいのが、それぞれの料理の名前。どうしてその名前が付いたのかな、と気になるです。
その一つが、「鼻はじき」。諫早の郷土料理です。お皿には、細長く切りそろえたきゅうりやにんじん、こんにゃく、エビ、鶏のささみなどが放射線状に並べられ、辛子酢みそを付けていただきます。元々は法事やお盆の時に出される料理でしたが、今では普段の食卓にものぼることがあるんだとか。
辛子が鼻に「ツン」と来る、嗅覚を刺激する=鼻をはじく、ことから「鼻はじき」という名前になったそうです。ほかにもわさびなどを加えた漬物や和え物を「鼻はじき」と呼ぶ地域があるようですが、諫早では栄養バランスのよい食材をきれいに並べた一品を「鼻はじき」と呼んでいます。ツン、と来るのがいいんだよね、と大人になったらおいしさがよりわかるかな。

そして、もう一つ諫早には「ぬっぺ」という、やはり名前の由来が気になる郷土料理があります。里いもなどのとろみで「ぬっとり」(ねっとり!?)することから、ぬっぺと呼ぶようになったそうです。鶏肉や里いも、ごぼうに大根などの根菜類、それに厚揚げを入れた煮物ですが、それぞれを小さく切っていることが特徴。全国に似たような料理がありますが、諫早の場合、法事の時の料理として作られたり、鯨肉などを加えて結婚式などのお祝い料理として振舞われました。たくさんの野菜も入っていて栄養があることから、保存食として地域に根付いています。

諫早市目代(めしろ)地区の「鶏飯」は、地元では「といめし」と読む郷土料理。鶏のことを「とい」ということからその名がついたそうです。正月やお盆、祭りなどの時に振舞われる混ぜごはんで、作るのは「男性」という習わしがあるそう。昔は各家庭で飼っていた鶏を料理するのに、男性が自ら鶏をさばいて調理を担当していたことから、今でも男性が作る郷土料理となりました。味付けはしょうゆとみりん。生姜を少し入れるのがポイントのようです。鶏肉だけでもおいしいけれど、ごぼうやにんじん、干ししいたけなどの具材を加えるとより風味が増します。市内の料理店でも「鶏飯」を提供しているところがありますので、探してみてください。

  • 出展元:農林水産省webサイト「うちの郷土料理」
    画像提供元:(公社)長崎県栄養士会
    放射線状に美しく盛り付けられた「鼻はじき」

  • 出展元:農林水産省webサイト「うちの郷土料理」
    画像提供元:(公社)長崎県栄養士会
    ねっとりした見た目から「ぬっぺ」。栄養満点の郷土料理です

  • 出展元:農林水産省webサイト「うちの郷土料理」
    諫早・目代地区の「鶏飯」。男性が作る習わしです

大村市の郷土料理としてよく知られているのは、何と言っても「大村寿司」。郷土料理の紹介シリーズ第2回の県北地域篇で取り上げた佐々町の「押し寿司/もろぶた寿司」と同じ起源を持つお祝いの料理です。室町時代に領地を取り戻した大村純伊(おおむら・すみこれ)が帰還した時に、領民たちが出した料理がこの押し寿司。「もろぶた」という浅い木箱の上に、ごはんと具を載せた押し寿司を広げて振舞いました。これは大勢の兵隊のための食器がなかったからですが、押し寿司を切り分け勝利を祝いながらみんなで食べた料理が今の時代まで伝わりました。
大村寿司は、にんじんやごぼう、かんぴょう、きぬさやなどを具として混ぜ、色鮮やかな錦糸卵を上にかけています。貴重な砂糖をたくさん使うことが「おもてなし」と考えられた時代の名残で、今でもとても甘めの味付けとなっています。

もう一つ、大村市の特産・落花生(ピーナッツ)を使った郷土料理が「にごみ」。鶏もも肉にじゃがいもやにんじん、れんこん、干ししいたけ、切り昆布などを1センチ角ぐらいに切って煮込みます。ゆでた落花生を薄皮がついたまま加えるのがポイントで、江戸時代には大村で作られるようになっていたそうです。
諫早の「ぬっぺ」と同様、たくさんの具材が入っていて栄養満点、冠婚葬祭など人が集まるときに出された料理です。落花生が入っている煮物、どんな触感でしょうか。カリカリコリコリするのかな。食べてみたいですね。

ご紹介した郷土料理は、それぞれの地域のお店で食べることができるほか、祭りや物産イベントなどでも販売されることがあります。
大村市では、2023年、「第16回長崎街道大村藩宿場まつり」(2月11日(土・祝)9時30分~15時00分、ボートレース大村第5駐車場で開催)や「おおむら桜まつり」(仮)(3月26日(日)10時30分~15時30分、大村公園第3駐車場で開催)で、市内の特産品などとあわせて大村寿司の販売が決まっています。
ドライブを楽しみながら、郷土料理めぐりをしてみるのもイイ!かもね。

  • ©大村市ふるさと物産室
    見た目が本当に美しい「大村寿司」。お菓子みたいだ

  • ©大村市ふるさと物産室
    落花生が入った「にごみ」。いろんな具材が入っていて触感が面白そう

  • ©大村市ふるさと物産室
    過去の長崎街道大村藩宿場まつり。大村寿司が販売されました

写真提供:農林水産省webサイト「うちの郷土料理」/(公財)長崎県栄養士会、大村市ふるさと物産室
文:冒険する長崎事務局

掲載日: 2023/02/03
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

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長崎県央地域(諫早市、大村市)
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