島原市には、1日におよそ20万トンともいわれる清らかな湧き水、湧水があります。街中を歩くと、いたるところで、こんこんと湧き出てくる水。その場所は70か所を超えるそうで、まさに「水の都」、湧き水が市民の生活に息づいています。
田畑を潤し、生活用水として使われたり、私たちを潤してくれる島原の湧水。そのおいしい水を汲みに行ってみましょう!
まさに、「こんこん」と湧き出す清らかな水。
「鯉の泳ぐまち」。島原市新町一帯では、町内を清流が流れ、鯉が放流されています。
島原市の「水屋敷」。池では1日に4000トンもの水が湧くとのこと。
この湧き水は、江戸時代、1792年に雲仙岳が噴火した際に自然に湧き出したものということで、雲仙岳などに降った雨水が、火山灰層などをろ過され地下水となり、市内のあちらこちらから湧き出ています。火山は時に、噴火災害という大きな被害をもたらす一方で、豊かな恵みを与えているのですね。「日本名水百選」(1985年、当時の環境庁が選定)にも選ばれた島原湧水群。商店街がある万町辺りを歩いてみると、アーケードの両脇で水が湧きだしているのが分かります。
最初は、「あ、ここで湧き出してるー」と珍しく思ったものが、また少し歩いた角に水汲み場、もう少し行くとまた水汲み場・・・路地を曲がれば水路にも清流・・・「これは一体、どのぐらいの水が流れているのーーー!?」とその豊富な水量には驚くばかりです。
アーケードのいたるところに、水汲み場がありました。
路地に入れば、水路にはきれいな水が流れていて、ちょっと不思議な感じ。
こんなセンスのいい水汲み場も。
さっそく、水を汲んでみました。水温は15~16度ほど、とのことで手を差し出すとちょっとひんやり、という感じ。勢いよく、透明度が高い水です。
持って来たペットボトルに入れてドライブの帰りの水分補給にいただきました。雑味のない、まろやかな味。先に水を汲んでいた地元の人は、「お茶を煎れるとおいしいわよ」とおっしゃっていました。お米を炊くのに使ってもいいし、この水でコーヒーを淹れても柔らかい味わいになるそうです。
地元の人が自然の恵みに感謝しながら、大切に使ってきた島原の湧水群。商店街の水汲み場も掃除が行き届いて、大切に守っていこうとされていることが伝わります。また、島原を訪れた時に、自然の恵みを少し、分けていただきたいなぁと思うドライブの一日でした。
ひんやり冷たい。ペットボトルなどを持参して持ち帰る人も。
「水屋敷」などで湧水を使った「寒ざらし」やコーヒー等をいただけますよ。
湧水で作ったお抹茶。ひんやりしておいしい。
文・写真:長崎はな
長崎生まれ。長崎で好きなものは、お刺身、一口餃子、対馬のはちみつ、佐世保バーガー、島原のかんざらし、諫早のうなぎ、チリンチリンアイス・・・。旅好き、食いしん坊が長崎県内をめぐります!
掲載日:
2022/03/20
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島原市万町周辺