近ごろ話題の「ストリートピアノ」。世界各地、日本各地の空港や駅、商業施設などにピアノが置かれ、誰もが自由に好きな曲を弾いていいですよ、というもの。「街角ピアノ」とも呼ばれ、演奏する様子がテレビ番組などで紹介されています。思い思いに奏でる音楽と演奏する人の物語に感動したり、楽しいリズムに心躍ったり、とイマドキのコミュニケーションツールになっています。

長崎県内でも、長崎市の浜町アーケードや佐世保市の島瀬美術センターなどに設置され、通りがかりに美しい音色を耳にすることがありました。自分でも弾いてみたいな、と思いつつ、たくさんの人が見ている前ではちょっと尻込みする気持ちもあり、なかなか挑戦できなかったのですが･･･「稲佐山の展望台にもあるよ」と聞き、まだ観光客が少ない朝の時間を狙って見に行ってみました。

入り口からぐるぐるとスロープを上っていく展望台の１階に置かれたグランドピアノ。展望台には、施設の方以外はまだ誰もいません。
ピアノのふたを開け、鍵盤を押してみます。
ドー♪
思ったよりも、響く音。ちょっとドキドキしますね。今度は和音。
ジャーン♪
吹き抜けにぼわーん、と柔らかく反響します。
何を弾こうとも、これを弾こうと楽譜を用意してきたわけではなかったので、思いつく曲を･･･と･･･
茶色の小瓶♪、渚のアデリーヌ♪、ライディーン♪、カノン♪･･･と指の動くままにポロポロンと弾いてみます。

ちょっと楽しい気分ですね。
上手い下手は関係ないのかもしれません。

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  ストリートピアノが置かれている長崎市の稲佐山展望台

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  グランドピアノ！誰でも自由に弾くことができます

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  ちょっとドキドキしながら、弾いてみました

稲佐山展望台のストリートピアノは、2021年12月に設置されました。元々、このグランドピアノは稲佐山野外音楽堂に置かれていましたが、稲佐山管理事務所によりますと「地域活性化と魅力ある施設づくりにつなげよう」と展望台に移されたそうです。
普段は誰でも自由に利用できるほか、クリスマスや七夕の時期にはピアノコンサートが開かれました。市内の中高生や「ストリートピアニスト」が次々と演奏。コンサートホールとはまた違って、街角ならではの気軽な音楽コンサートを楽しみました。

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  ©リージョナルクリエーション長崎
  稲佐山展望台で開かれたストリートピアノのコンサート

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  ©リージョナルクリエーション長崎
  中高校生などが素晴らしい音色を響かせました

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  ©リージョナルクリエーション長崎
  ピアノだけでなく、チェロなど弦楽器との協奏もいいですね

JR長崎駅でも優しい音が聞こえてきました。
2022年秋、改札口前にウェディング協議会が設置したストリートピアノ。駅にあるから「駅ピアノ」とも呼ばれます。
結婚式や披露宴に関わる企業でつくる協議会では、西九州新幹線の開業のお祝いにとピアノの設置を企画。長崎に来る人、駅を利用する人たちに音楽で楽しんでもらいたいと話しています。
駅に列車が到着するのを待つ20分ほどの間にも、通りがかった人たちがぽろろん、と奏でていきます。可愛らしかったのは小学生ぐらいの女の子。お母さんと一緒に楽譜持参で、バイエルの練習曲を披露。途中でつっかえながらも、一生懸命、弾き終えると、聞いていた人も思わず拍手。女の子は恥ずかしそうに楽譜をしまい、帰っていきました。
列車が着き、駅に降り立った観光客のグループも、楽しそうに1曲演奏。長崎の玄関口が明るく楽しい気分で包まれました。

最初の一歩はドキドキするけれど、少しの勇気と少しの冒険心。そこから楽しい世界が広がるよ、そんなことを教えてくれるストリートピアノ。みなさんも、街角で見つけたらぜひ、弾いてみてくださいね。

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  JR長崎駅の「駅ピアノ」。駅を利用する多くの人が演奏を楽しんでいます

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  弾くまではちょっとドキドキするけど、弾いてみるとやっぱり楽しい♪

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  駅の改札口前にあるピアノ。長崎に聞いた人を歓迎する音色です

写真提供：リージョナルクリエーション長崎
写真・文：冒険する長崎事務局

掲載日： 2023/04/14
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