松浦市はアジやサバなどの水揚げ量が全国でも多く、2019年「アジフライの聖地」を宣言しました。松浦魚市場やアジフライの聖地に関することなど、松浦市の漁業にフォーカスして紹介します。
松浦魚市場は1979年に開設された産地魚市場です。2021年3月には魚市場の改築工事が終了し、新しい魚市場になりました。
魚市場では毎日、海産物の取引が行われ、毎年秋には「松浦おさかなまつり」が開かれます。このイベントでは、魚市場が一般公開され、「模擬セリ」や子どもたちが参加できる「さかなのつかみどり」などが行われます。
©松浦市
2021年に改築された松浦魚市場
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毎年秋に開かれる「松浦おさかなまつり」では模擬セリが行われます
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「さかなのつかみどり」の様子
「松浦おさかなまつり」では、アジやサバのほか、松浦産のアジのすり身を入れた海鮮鍋の試食も行われます。特に五島海域、対馬海域でとれ、松浦で水揚げされるものはそれぞれ「旬(とき)アジ」「旬(とき)サバ」というブランド名がつけられています。このブランド名は1997年に、約20,000件もの応募の中から選ばれたものです。旬アジは4月〜8月にかけてとれたもので、重さが100グラム以上あるもの、旬サバは10月〜2月にとれたもので重さが400グラム以上あるものです。
©長崎県観光連盟
松浦のブランド魚・旬アジを使った料理
©長崎県観光連盟
松浦の旬サバの刺身
2019年4月、松浦市は「アジフライの聖地」を宣言しました。西日本魚市(株)の統計によると、松浦市のアジの水揚げ量は日本一。これまで松浦市で水揚げされたアジは主に刺身として多くの人に親しまれてきましたが、市は、「アジフライの聖地 松浦」プロジェクトを立ち上げ、アジフライとしても食べてもらおうというキャンペーンを開始しました。2020年3月にはこのプロジェクトが地方創生賞を受け、2020年12月、「アジフライの聖地」は商標登録され公式に認められました。
「どこに行ったら、アジフライが食べられるの?」という人のために、市はアジフライマップを作りました。このマップを見ながら松浦市の食事処を訪ね、身のふっくらとしたおいしいアジフライを味わってみましょう。
©長崎県松浦市地域経済活性課
ふっくらとした身がおいしい松浦のアジフライ
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過去に、福岡市の人気店にて期間限定で松浦産のアジフライ弁当を販売しました
松浦市はアジフライの聖地にちなんで、市内2カ所の道の駅「松浦海のふるさと館」と「鷹ら島」の敷地内に「『アジフライの聖地 松浦』石工モニュメント」設置し、2021年3月20日に除幕式が行われました。松浦海のふるさと館に設置されたモニュメントは直径2メートル、高さ1.5メートル、重さ3トンという石造の円盤。中央にはアジフライをお箸でつかもうとしているオブジェが置かれ、円周に「AJIFRY TOWN MATSUURA」の文字が刻まれています。
アジフライのモニュメントは、その他、農水産物などを直売している「とれたて福の島」とMR松浦駅、市内4カ所に異なるデザインのものが設置されています。
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道の駅 松浦海のふるさと館でモニュメントの除幕式が行われました
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道の駅鷹ら島に設置されたアジフライの聖地松浦石工モニュメント
©長崎県松浦市地域経済活性課
松浦駅に設置されたモニュメント
アジフライの聖地 松浦プロジェクトは、グッズやお菓子にも広がっています。グッズには、Tシャツ、ステッカー、ミニピン、トートバッグ、クリアファイル、タルタルソースディスペンサー、ポロシャツの7種類があります。これらのグッズを紹介している「アジフライマップ」は冊子のコンクール(日本地域情報コンテンツ大賞2020)で日本一となる大賞を受賞しました。グッズは、松尾農園、旬(とき)市場(松浦魚市場内)、まつうら観光物産協会など3カ所で買うことができます(2021年7月現在)。さらに、「アジフライ★キャラバンBOX」でもオリジナルグッズが販売されます。このボックスは、「アジフライの聖地 松浦プロジェクト」のPRアイコンとして作られたもので、黄色が目印。九州各地のフェスやイベント会場などに登場し、グッズ販売などを通してアジフライの聖地をアピールすることが計画されています。
また、松浦市内の7つのお菓子屋さんがアジフライをモチーフにしたお菓子を作って販売しています。その一つが、福井製菓店の「お菓子なアジフライ」。アジフライの形をした焼ドーナツの上にチョコレートで作ったタルタルソースがかかったタイプなど9種類あります。かわいらしさに思わずほっこりしてしまいますね。
日本一の水揚げ量を誇る松浦市のアジ。そのアジをより多くの人に食べてもらい同時に地方創生を目指した「アジフライの聖地」プロジェクト。今後も楽しい取り組みを展開していくそうです。ぜひ松浦市に足を運んでおいしいアジフライを味わってみてください!
©長崎県松浦市地域経済活性課
「アジフライ★キャラバンBOX」
(撮影場所:鷹島モンゴル村)
©長崎県松浦市地域経済活性課
松浦限定で販売されているアジフライグッズ
(写真はアジフライ★ミニピン)
©長崎県松浦市地域経済活性課
福井製菓店で販売中の「お菓子なアジフライ」
写真提供:松浦市地域経済活性課、長崎県観光連盟
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。
掲載日:
2021/06/25
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【松浦魚市場】〒859-4536 松浦市調川町下免695番地(松浦魚市場)
【道の駅松浦海のふるさと館】〒859-4507 長崎県松浦市志佐町庄野免226-30
【道の駅鷹ら島】〒859-4303 長崎県松浦市鷹島町神崎免1636