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冒険 386

平成新山ネイチャーセンターに行ってみよう!

1990年、雲仙・普賢岳が噴火し、溶岩が流れ出し、いくつもの溶岩ドームを形成しました。「平成新山」は、この時にできた複数の溶岩ドームの中で一番大きな溶岩ドームにつけられた名前です。そして2003年、この平成新山を間近に観察できる場所に「平成新山ネイチャーセンター」がつくられました。センターを訪ねて平成新山について学び、センター周辺を散策して、噴火後どのように修復されていったのか観察してみましょう。

平成新山は、標高が普賢岳の標高1359メートルよりも高く、1483メートルあります。高さが普賢岳よりも高いのは不思議な気がしますが、それは、噴火した山から流れ出す溶岩が次々と押し出されて巨大化し、時に元の山より大きな溶岩ドームが形成されるためです。平成新山が形成された当時、その周辺の自然は流れ出した溶岩のために破滅的な状態になりました。平成新山は今でもごつごつとした岩場の多い山ですが、あれから約20年が経過し、失われた動植物が戻ってきています。

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    1990年に噴火した雲仙・普賢岳から流れ出した溶岩によってできた平成新山

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    平成新山にも少しずつ動植物が戻ってきています。

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    桜の向こうに見える平成新山

2003年、平成新山を間近に望む南千本木の垂木台地に、「平成新山ネイチャーセンター」がつくられました。センター開設の目的は、平成新山の様子を観察したり、普賢岳の噴火で被害を受けた周辺の自然が、月日を経てどのように回復し、動植物が生育するようになったかを訪れた人に学んでもらうことです。ネイチャーセンターでは、その他、「眉山登山」などの恒例イベントも開催しています。

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    2003年に解説した平成新山ネイチャーセンター

  • ©平成新山ネイチャーセンター
    恒例のイベント「眉山登山」

では、ネイチャーセンターの中はどうなっているのでしょう。
館内にはいろいろな資料が展示され、数台のスクリーンが設置されています。これらのスクリーンに映し出される情報を通して、平成新山誕生の様子を学んだり、野外に設置されたカメラにつなげて、平成新山の実際の様子を観察することができるようになっています。
センター内には、休憩コーナーもあるので、いろいろなことを学びながらくつろぐこともできます。その一方で、万一の場合を想定して、センターの建物内には防火シャッターや防火扉を設置し、敷地内5カ所には300人が収容できる避難用シェルターが作られています。

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    平成新山の形成を伝えるコーナー

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    地層標本と岩石標本

  • ©平成新山ネイチャーセンター
    休憩コーナー

平成新山ネイチャーセンターの周辺には、展望地が2つ整備されています。まず、センターから南に歩いて約20分の所にある「平成新山展望園地」。島原まゆやまロード沿いに作られています。この展望地では、溶岩ドームから出てくる水蒸気、火砕流や土石流の跡、そして土砂災害防止のためのに作られた砂防ダムなどを見ることができます。この砂防ダムは日本一大きいものです。
千本木展望所は同様に島原まゆやまロード沿いにありますが、この展望地はネイチャーセンターの北側にあります。センターから歩くと約40分、車では7分ほどで着きます。この展望地がある千本木地区は、普賢岳噴火後に発生した火砕流、特にその流れに伴って発生した熱風によって断続的に被害を受けたところです。このエリアが現在、展望所としてつくりかえられ周辺の風景を観察することができます。

雲仙火山の活動や平成新山周辺の自然復活の様子などを伝えるためにオープンした平成新山ネイチャーセンター。館内には資料が展示され、スクリーンが置かれ、平成新山を間近に見ながら詳しい内容を観察したり学んだりすることができます。また、周辺に作られた展望地からは、火砕流の跡など、噴火によって影響を受けたエリアが現在どのように変化したのかを実際に見ることができます。ぜひ、平成新山ネイチャーセンターを訪ねてみてください。

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    島原まゆやまロード沿いにある平成新山展望園地

  • ©平成新山ネイチャーセンター
    展望園地から見える平成新山

  • ©平成新山ネイチャーセンター
    ネイチャーセンターの北側にある千本木展望所

写真提供:長崎県観光連盟、平成新山ネイチャーセンター
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日: 2021/05/07
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
平成新山ネイチャーセンター
TEL
0957-63-6752
住所
〒855-0077 長崎県島原市南千本木町甲2683

〒855-0077 長崎県島原市南千本木町甲2683

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
あり
営業時間
9:00〜17:00
*閉館後は駐車場も閉門
定休日
火曜日(火曜日が祝日の場合は、その翌日)、12月31日、1月1日
※春休み、GW、夏休み、冬休みの期間中は開館
対象年齢
全年齢
料金
無料
アクセス
諫早インターチェンジより車で約1時間30分
公式サイト
https://heiseinc.com/
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