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南島原市の港町「口之津」、南蛮船来航の歴史を辿ってみよう!

島原半島の最南端にある南島原市の口之津(くちのつ)エリアは、16世紀には南蛮船が来航した所として知られています。また明治になると福岡県の三井三池炭鉱で産出された石炭を積み出す港町としても賑わいました。資料館や史跡などを訪ね、口之津の昔にトリップしてみましょう!

口之津の発展の中心となった口之津港。2020年3月には港のターミナルビルが新築されました。
港の回りの海は十分な深さがあるため、昔から大型船も入港。また風を防げる地形になっているため、潮や風の収まるのを待つための良港として利用されてきました。スペインやポルトガルの交易商人やキリスト教の宣教師を乗せた「南蛮船」が来航するようになったのは1567年。それ以来、口之津は交易や布教の中心として栄えました。

  • ©南島原市観光振興課
    口之津港のターミナルビルは2020年3月に新築されオープンしました。

  • ©長崎県観光連盟
    島鉄フェリーが行き来する口之津港に、昔は南蛮船が来航しました。

口之津港から南に降りて行くと、赤いアーチ型の橋「なんばん大橋」が見えてきます。
この橋を渡りさらに進むと口之津公園に着きます。海岸に沿って作られている公園までのこの道は、右側に森林、左側に海があり、気持ちの良い散策路になっています。口之津公園は、海に面した小高い丘の上に作られた公園です。公園内には長い滑り台やアスレチック遊具などがあり、丘の上からは島原湾の風景が見渡せます。また公園内には、樹齢80年以上の桜の大木が約200本、つつじが約1600本あり、春になると訪れる人の目を楽しませてくれます。

  • ©長崎県観光連盟
    赤いアーチ型がきれいな「なんばん大橋」。

  • ©長崎県観光連盟
    口之津公園には長い滑り台やアスレチック遊具があって楽しめますよ。

口之津歴史民俗資料館は口之津の今と昔を伝える資料を展示している資料館です。以前はなんばん大橋を渡ってすぐの所にありましたが、2020年3月に口之津港ターミナルビルが新設されたことに伴い、資料館はこのビル内に移設されました。以前の建物は分館として一部の資料を展示しています。
本館の役目を果たしているこの新しい資料館に展示されている資料を見ると、かつて口之津が賑わいを見せた3つの時代の様子が分かります。最初は、南蛮船が来航した16世紀後半。2番目が福岡県の三井三池炭鉱で産出した石炭を海外に輸出するための中継港として栄えた明治時代。そして3番目が日本一多い船員を排出した昭和時代です。

  • ©南島原市観光振興課
    口之津歴史民俗資料館は新設された口之津港ターミナルビルに移設されました。。

  • ©南島原市観光振興課
    口之津歴史民俗資料館の名前が見えます。

  • ©南島原市観光振興課
    館内には昔賑わいを見せた時代の口之津の歴史資料が展示されています。

旧口之津歴史民俗資料館本館は貴重な生活用品や民具などを展示しています。この建物は、元々は長崎税関口之津支署庁舎でした。1980年に国から譲り受けて資料館として運営するように。明治時代の洋風な建築様式を取り入れた建物は県の有形文化財に指定されています。
資料館の隣には「海の資料館」があります。海といっしょに栄えた口之津の歴史を示す品や海外の工芸品などを展示しています。こちらの建物も白い壁と茶色の屋根が特徴の洋風な建物。正面にはりっぱなポーチが作られています。

  • ©長崎県観光連盟
    昔の口之津歴史民俗資料館。今は分館として昔使われた生活用品などを展示しています。

  • ©長崎県観光連盟
    口之津の海の歴史がわかる海の資料館。

  • ©長崎県観光連盟
    海の資料館には口之津の海の歴史を示す品や海外の工芸品などを展示。

口之津でもう一ヶ所訪ねたいのが口之津港の北側に位置する開田公園です。芝生が敷かれた広場や展望台などがある開田公園の一角に「南蛮船来航の地」の碑が立っています。1567年に初めて口之津に来航した南蛮船を記念して立てられたもので、県の史跡に指定されています。この最初の南蛮船来航の時から口之津の交易とキリスト教の歴史が始まりました。

南島原市の港町口之津は南蛮船の来航や、石炭の中継地として発展した所です。港や資料館、そして公園や記念碑などを訪ねると口之津の昔の姿が見えてきますね。ぜひ出かけてタイムトリップしてみてください。

  • ©長崎県観光連盟
    口之津港の北側にある開田公園。

  • ©長崎県観光連盟
    初めて口之津の地を訪れた南蛮船の来航を記念して立てられた碑。

写真提供:長崎県観光連盟、南島原市観光振興課
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日: 2020/05/12
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
口之津港 / なんばん大橋 / 口之津公園 / 口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館 / 開田公園・南蛮船来航の地
TEL
口之津港・なんばん大橋・口之津公園・開田公園:0957-65-6333(南島原市ひまわり観光協会)、口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館:0957-73-6773
住所
【口之津港】〒859-2504長崎県南島原市口之津町丙4358-6
【なんばん大橋】〒859-2501長崎県南島原市口之津町甲17
【口之津公園】〒859-2501長崎県南島原市口之津町東大泊
【口之津歴史民俗資料館本館】〒859-2504長崎県南島原市口之津町丙4358-6 口之津港ターミナルビル内
【口之津歴史民俗資料館分館・海の資料館】〒859-2502長崎県南島原市口之津町甲16-7
【開田公園・南蛮船来航の地】〒859-2504長崎県南島原市口之津町4101

【口之津港】〒859-2504長崎県南島原市口之津町丙4358-6

【なんばん大橋】〒859-2501長崎県南島原市口之津町甲17

【口之津公園】〒859-2501長崎県南島原市口之津町東大泊

【口之津歴史民俗資料館本館】〒859-2504長崎県南島原市口之津町丙4358-6 口之津港ターミナルビル内

【口之津歴史民俗資料館分館・海の資料館】〒859-2502長崎県南島原市口之津町甲16-7

【開田公園・南蛮船来航の地】〒859-2504長崎県南島原市口之津町4101

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
【口之津港】あり
【口之津公園】あり
【口之津歴史民俗資料館本館】普通車50台 大型車9台
【口之津歴史民俗資料館分館・海の資料館】普通車20台
【開田公園・南蛮船来航の地】あり
営業時間
【口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館】9:00~17:00
定休日
【口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館】毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
対象年齢
全年齢
料金
【口之津歴史民俗資料館本館】大人200円、高校生 150円、小中学生100円
【口之津歴史民俗資料館分館・海の資料館】本館の入場券で入場できる
アクセス
【口之津港】JR諫早駅から車で約1時間15分
【なんばん大橋】JR諫早駅から車で約1時間15分
【口之津公園】JR諫早駅から車で約1時間20分
【口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館】JR諫早駅から車で約1時間15分
【開田公園・南蛮船来航の地】JR諫早駅から車で約1時間20分
公式サイト
口之津港 https://www.shimakanren.com/about/spot/detail.php?id=1602
なんばん大橋 https://www.welcomekyushu.jp/kyushu_now/nagasaki/113.html
口之津公園 https://www.nihon-kankou.or.jp/detail/42370ah3330153816
口之津歴史民俗資料館本館・分館・海の資料館 https://www.city.minamishimabara.lg.jp/page1594.html
開田公園・南蛮船来航の地 https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/557/
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