広大な緑に囲まれた「ながさき県民の森」では、森を舞台にした数多くの体験メニューがあり、毎年冬に開催されるのが「炭焼き体験」です。
今回、参加するのは辻さん親子と井上さん親子。炭焼きってどんな風にするのか興味津々です。
キャンプ場管理棟で待っていたのは炭焼きのベテラン職人、尾崎雄二さんです。
尾崎さんに連れられて歩く事数分、炭焼き窯が見えてきました。
キャンプ場管理棟で迎えてくれたのは、炭焼きのベテラン職人、尾崎雄二さん
尾崎さんに連れられて歩いて行くと、炭焼き窯が見えてきました。
これが炭焼き窯!石と土でできています。
「炭焼きの原木(原料)は、園内の支障木(危険や通行の支障などになる木)を伐採したものを使います。目の前にあるのが、樫の木。これを切って長さを揃えます」
炭焼きの樹種に決まりはありませんが、「ながさき県民の森」では樫の木だけを使用しているとのこと。
職員さんがチェンソーで樫の木を切る実演をします。
その音のすごいこと。思わず真美ちゃんは耳を手で塞ぎます。
あっという間に丸太が1メートルぐらいの長さに切り揃えられました。
「さあ、窯の中に原木を入れましょう。中は狭いから気をつけてね」
惺太くんと真美ちゃんも原木を1本ずつ持ちますが、結構重い!両手でしっかりと持って窯の入口に向かいます。
樫の木をチェンソーを使って切り分け、炭焼きの原木とします。
長さと太さを揃えた原木です。
重いけど大丈夫?原木を持って窯の入口へ!
窯の入口は狭く、ちょうど子どもが一人入れるくらい。中はライトがないと真っ暗です。
尾崎さんの指示に従って、小枝などを敷いた上に原木を立てかけます。
「根元を上にして、倒れないようにちょっとだけ斜めにして。そうそう!」
惺太くんに続いて真美ちゃんも上手に並べます。
「楽しい!」と真美ちゃん。
お父さんやお母さんも順番に原木を並べていきます。
ある程度、並べたら、窯の中に余分な空間が出来ないようにして、火のとおりを出来るだけ均一にするため、上の隙間にも細めの原木を詰めていきます。子ども達も必死に手を伸ばして詰めました。
窯の入口は狭く、ちょうど子ども一人が入れるくらい。
尾崎さんの指示に従って惺太くんが原木を立てかけます。
真美ちゃんも上手に並べます。「楽しい!」
少しお手伝いしましたが、まだまだ半分といったところ。窯の中いっぱいにするにはまだ半日かかります。
もう一つの窯では、壁の補修作業のお手伝い。
土で作った壁は乾燥するとひび割れてくるので、水に溶かした土を刷毛を使って塗っていきます。
「上だけじゃなくて下の方まで塗ってね」
惺太くんは、ノリノリで塗っていきます。子どもってこういうのが楽しいんですよね。
さあ、次は、いよいよ火入れ体験です。
子どもたちが集めてきた枯れ木の枝と葉っぱ、また木片を窯口に入れます。
原木を並べたけれど・・・、いっぱいにするにはまだ半日かかります。
窯の壁の補修作業。水に溶かした土を刷毛を使って塗っていきます。
さあ、火入れ!燃えそうな枯れ木の枝と葉っぱを集めて尾崎さんに渡します。
尾崎さんがライターで火をつけると、パチパチと音を立てて勢いよく炎が燃え上がります。
お父さん達は大きな木を投げ込みます。
「まず窯の中を乾燥させるのに1日。それから煙の温度が76度を保つようになれば、中の原木に火がついたと判断できます。そうしたら小さな空気穴を開けて窯口を塞ぎます。2日ぐらいして煙が見えなくなったら火を止め、煙突を取り除いて穴を石と土で塞ぎます。さらに2日ぐらいして窯の中の火が消え、窯が冷えたら、炭を取り出す・・・、だいたい1週間くらいかかりますね」
「ヘエ〜、知らないことばかりですね」とお父さん、お母さん。
ここで炭焼き体験は終了です。
尾崎さんが既にできあがった炭と樫の木を見せます。
「どう?」
炭を手にした惺太くんは「軽い!3分の1ぐらい!」とつぶやきます。
ホント、不思議だね。木を燃やして軽くなった炭がまた燃えるんだもの。
「ながさき県民の森」でできた炭は火力が強く、火持ちが良いのが自慢!園内のキャンプ場でバーベキューなどに利用されています。
その品質の良さは以前、「竹でパン作り体験」をしたときに実感!
皆さんも、ぜひ、一度使ってみてください
パチパチと音を立てて勢いよく炎が燃え上がります。
お父さん達が大きな木を投げ込みます。
原木とできあがった炭を比べると・・・、「軽い!」と惺太くん。
文・写真 取材ディレクター 中尾知徳
掲載日:
2020/03/04
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