弓張岳展望台は、佐世保市が1965年に整備した観光スポットです。標高３６４メートルの弓張岳頂上には第一展望台と第二展望台があるので、それぞれ違った景色を楽しむことができると人気です。昼間の雄大な景色はもちろん、九十九島を照らす夕日や、佐世保市中心街と佐世保湾の夜景も有名ですよ。

二つの展望台はどちらも段差が無いので、車いすやベビーカーも利用可能。広い無料駐車場と、掃除が行き届いた公衆トイレ、飲み物の自動販売機もあるので、家族みんなで安心して出かけることができます。

佐世保駅から市役所方面へ、川沿いの道を進むと弓張展望台の案内看板があるので左折しましょう。家が密集した坂道を抜けると、カーブの多い山道に入ります。頂上に駐車場があります。

まずは、駐車場から近い第一展望台へ。急な階段をのぼる方法と、段差のないスロープを進む２通りの道があります。途中にベンチもあるので、一休みしたり、お弁当を広げたりすることも可能です。

• 

  広い駐車場と清潔なトイレ

• 

  いたるところにベンチがある

• 

  第一展望台への階段

第一展望台へは、階段ではなくスロープを使うことをおすすめします。スロープは展望台の外側をぐるっと囲むように作られているので、景色を楽しみながら歩くことができますよ。佐世保の街や港のパノラマを楽しんでくださいね。

第一展望台は東大名誉教授だった「坪井善勝」さんという建築家の設計です。弓をイメージしたコンクリート製の建造物で、柱には弓を弾く手や指が彫刻されています。屋根は大空に羽ばたいているようなデザインで、巨大な紙飛行機のようにも見えますよ。

• 

  第一展望台へのスロープ

• 

  港の景色を見ながらスロープを進む

• 

  第一展望台は独特なデザイン

第一展望台には３カ所の展望スポットがあります。一番有名なのが、展望台の三角形屋根の先端にある、佐世保港と市街地を見下ろす場所です。JR佐世保駅を中心にした街と、港や米軍基地、海に浮かぶ島、天気が良ければ遠くに３本の針尾無線塔も見えますよ。昼間の景色も素晴らしいですが、夜景の美しさは格別で、日本夜景１００選にも選ばれています。

弓張岳展望台を代表する景色を楽しんだ後は、そのすぐ右側、南西方向にある展望スポットに進みましょう。そこからは文化庁から日本遺産に認定された、佐世保鎮守府の遺構である「旧佐世保海軍工廠修理艦船係留場（立神係船池）」を見下ろすことができますよ。耐海水コンクリート技術が確立した場所として貴重な資料にもなっています。弓張岳展望台の敷地内には戦時中に作られた高角砲台の跡地もあり、当時の技術を知ることができるのです。

• 

  青空に映える第一展望台

• 

  弓張岳展望台の代表的な景色

• 

  日本遺産を見下ろす展望スポット

第一展望台には西側にも展望スポットがあり、そこからは海に浮かぶ九十九島や五島方面を見ることができます。手前の松と遠くの海のコントラストがまた格別ですよ。

第一展望台を満喫した後は、第二展望台へ行きましょう。道は平坦で、歩きやすいように整備されています。案内板があるので、それに従って進んでくださいね。

弓張岳展望台は、歌碑も有名なのです。第一展望台から第二展望台へ続く道には、佐世保にゆかりのある歌碑がいくつか建てられています。一番古いのは詩人・野口雨情さんによる弓張岳の歌碑で、第一展望台と一緒に1965年に作られました。

1967年には作詞家・藤浦洸さんの「空いっぱいに」の詩碑が建立されました。作曲家・團伊玖磨さんが1969年に弓張岳を訪れた時にそれをご覧になり、西海賛歌の詩に採用したそうです。西海賛歌の記念碑は1970年に建てられました。

他にも、作家・吉田絃二郎さんの歌碑や、俳人・坂口涯子さんの句碑、歌人・下田基洋子さんの歌碑などがあります。どれも木々の間に建てられているので、どこにあるか探しながら歩くのも楽しいでしょう。

• 

  晴れた日は五島列島も見える

• 

  野口雨情の歌碑

• 

  整備された道

第二展望台は、第一展望台の西に位置しています。細長いデッキが天空に伸びているような構造になっていて、ちょっとワクワクしてしまいますよ。太陽が西に傾く頃は海と空がキラキラと眩しくて、目を開いているのが困難なほどです。昼間は青い海に浮かぶ九十九島を、夕方は夕日に染まった九十九島を見ることができます。夜は海に映る月の光や、イカ釣り漁船の漁火が幻想的です。

第二展望台からは、リゾートホテルとして有名な「弓張の丘ホテル」も見えます。ヨーロッパ調の建物が森と海の間に建っていて、まるで海外にいるような景色を楽しむことができるのです。

弓張岳展望台は、家族でのんびり過ごすことができる場所です。美しい景色だけではなく、春は桜の名所としても有名ですよ。お弁当を持っていって、ピクニックするのも楽しいでしょう！

文・写真 tokotoko　旅と冒険と動物が大好きなフリーライター。佐世保市在住。地元のワクワクなスポットをご紹介します。

• 

  天空に続くかのような第二展望台

• 

  九十九島に沈む夕日が撮影できる

• 

  まるでヨーロッパの景色のよう

掲載日： 2019/12/12
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。