長崎の発展を支えて来た長崎の玄関口長崎港。その港の周辺には稲佐山や女神大橋、水辺の森公園、造船所など見どころがたくさんあります。そんな長崎港を囲むようにあるスポットを紹介しましょう。
長崎港と並んで長崎のランドマークにもなっているのが標高333メートルの「稲佐山」です。山頂周辺には公園、広場、野外音楽堂が作られていて、コンサートなどのイベントが行われ、リクリエーションを楽しむ場として広く一般に親しまれています。また山頂には展望台があり、ここからは長崎港と長崎の市街地が一望できます。
稲佐山に登るにはロープウェイを利用すると便利です。このロープウェイは2011年にイタリアの名車フェラリーの設計者によってリニューアルされ、今ではゴンドラから360度のパノラマが楽しめます。
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長崎港の北側に位置する稲佐山
稲佐山には展望台があります
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稲佐山の展望台から眺めた長崎港と市街地
稲佐山のもう一つの特徴、というより稲佐山を世界的に有名にしているのが頂上から見える長崎の夜景。神戸、函館と並んで「日本三大夜景」にも選ばれていますが、2012年には、モナコ、香港と並んで「世界新三大夜景」にも選ばれました。昔は豪華な夜景を意味するときは、「100万ドル」という表現を使いましたが、今ではそれが「1000万ドル」。それだけ明かりが増えたことと、物価があがっていることが1000万ドルと言われる理由。
長崎港を最も低い地点として、そこから山が広がっているため、斜面にある家々の明かりが立体的な夜の風景を造り出してくれます。
天気の良い夜にぜひ稲佐山に出かけてこの素晴らしい夜景を楽しんでください。
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長崎の夜景は神戸、函館と並んで「日本三大夜景」
2012年には、モナコ、香港と並んで「世界新三大夜景」に
「女神大橋」は長崎港に架かる橋です。別名「ビーナスウィング」。長崎市の南部と西部を結ぶ橋として1994年に建設工事が始まり2005年に完了。それ以降有料道路区間として利用されてきました。橋の長さは1289メートル。海面からの高さは65メートル。大型客船も橋の下を通過できます。「斜張橋」と呼ばれる吊り橋の一種です。支点となる高塔から斜めにケーブルを張りそれで橋桁を吊ります。女神大橋の高塔は2つあり、夜になってライトアップされると張られたケーブルが美しいパターンを描きます。この光景は、2013年に、「夜景コンベンション・ビューロー」によって、第9回「日本夜景遺産(ライトアップ夜景遺産)」に認定されました。
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女神大橋は海面からの高さが65メートルもあるので大型客船も通過できます。
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夜遠くに女神大橋を望む夜の長崎港になってライトアップされると高塔から張られたケーブルが美しいパターンを描きます。
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遠くに女神大橋を望む夜の長崎港
「長崎水辺の森公園」は2003年、長崎港の内港エリアに作られた公園です。公園の敷地は運河によって北側と南側に分かれています。この運河には全部で10カ所に橋が架けられていますが、橋の名前は「あじさい橋」や「オランダ坂橋」のように長崎を象徴する名前がいくつか使われています。
南側の敷地の大部分はイベントなどが開ける交流拠点用地として使われ、残りの敷地は「大地の広場」「水の庭園」「水辺のプロムナード」「アートプロムナード」などのエリアに分かれています。
大地の広場には野外劇場「月の舞台」があり、水辺のプロムナードの対岸には「森の舞台」という野外劇場があります。このようにバラエティに富んだ施設が整っているため、子どもの遊び場として、またイベントの会場として多くの市民に親しまれています。
長崎水辺の森公園は、2004年の「グッドデザイン賞 建築・環境デザイン部門」で金賞を受賞しています。
長崎港の内港にある長崎水辺の森公園
公園内に作られた運河とその周辺に作られた水辺のプロムナード
長崎港の北側の神ノ島は長崎港の入口にある港町です。昔は小さな島で船で渡らなくてはいけませんでしたが、その不便さが潜伏キリシタンにとって都合が良く、250年以上もの間、信仰を守り続けました。戦後、島と陸地の間の海は埋め立てられ、今では陸続きになっています。そのエリアに建てられたのが白い「神ノ島教会」です。島の突端、港に入ってくる船から見ると左側にはマリア像が立っていて、航海する船の安全を見守っています。この教会は、1876年に建てられた時は仮聖堂でしたが、1897年に、今の教会に作り変えられました。
長崎港では毎年4月下旬に「帆船まつり」が開かれます。これは、2000年にオランダとの交流400年を記念して始まったもので、国内外の帆船が集まる日本で唯一の帆船イベントです。祭りの間は、帆を広げる「セイルドリル」や船内の一般公開、体験クルーズ、縄の結び方を学ぶ「ロープワーク」教室などさまざまな催し物が開かれ、夜には花火大会も行われます。白い帆を広げて走る帆船がたくさん集まる帆船まつり、4月になったらぜひ参加しましょう。
日本が鎖国の時も唯一開港していた長崎港は、長崎だけでなく日本の玄関口として大切な役割を果たしてきました。その長崎港の周りには稲佐山、女神大橋、水辺の森公園、神ノ島教会など見どころがいっぱい!車やバス、路面電車で訪ねてみるのもいいですが、潮風に吹かれながらクルーズ船に乗って長崎港を探索してみるのもいいかもしれませんね。
写真提供:長崎県観光連盟ほか
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。
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潜伏キリシタンの心の支えだった「神ノ島教会」
毎年4月に開催される「帆船まつり」。
日本では長崎港だけで開かれます。いろいろ体験してみましょう。
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帆船まつりの夜は花火大会が開かれます。
掲載日:
2019/11/01
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【稲佐山公園・展望台】〒850-8012 長崎市淵町407-6
【稲佐山ロープウェイ淵神社駅】〒852-8012 長崎県 長崎市淵町8-1
【長崎水辺の森公園】〒850-0843 長崎県長崎市常盤町22-17
【神ノ島教会】〒850-0078 長崎県長崎市神ノ島町2-148