佐世保市重尾町にある「草加家」は、その名の通り、草加せんべいを始め長崎特産のかんころ餅を生産、販売をしています。
通常、かんころ餅は機械生産ですが、今回、山下さん親子が体験するのは手作りのかんころ餅。ということで、製造チーフの峯順子さんに連れられて工場の中へ向かいます。
「それじゃ、かんころ餅の材料から勉強しようか?」
峯さんが袋から取り出したのは、カラカラに乾燥したさつまいもです。
「これが、かんころ餅の材料となるかんころ(干し芋)です。五島や小値賀の島で作るのよ」
佐世保市にある「草加家」のお店です。
かんころ餅は、何からできるか勉強します。案内人は製造チーフの峯順子さん。
これが五島や小値賀島で作られたかんころ(干し芋)です。
「じゃあ、噛んでごらん」
みんな口の中に入れて、噛んでみると・・。
「カタッ!」
「硬いよね〜。でもずっと噛んでいると甘い味がするよ」
響叶くんはよっぽど気に入ったのか、何枚も続けて食べています。
峯さんが写真を使いながら、どうやってこんな風になるかを説明します。
「おばあさんが畑から掘ったさつまいもを作業場でスライスして、おじいさんが大きな釜で茹でます。そして、太陽の光と冬の冷たい風で乾燥させます。これが重要!こうしてできたのが、五島地方の方言で“かんころ”なのよ」
ヘエ〜、そうなんだ。大変な時間と労力がかかるんだね。
噛んでみると、「カリッ!」と音がするほど、硬い!でもずっと噛んでいると甘みが出てきます。
峯さんのお話は、4歳の響叶くんでもわかりやすい!
さつまいもがかんころ餅の材料になるまでに大変な時間と労力がかかることがわかります。
かんころはそのままでは、かんころ餅に使えません。
「小さなゴミがついていないか、確認してね」
大夢くんと響叶くんが手にとってゴミを確認します。草加家では、毎回10袋以上ものかんころを人の目で全部チェックするんだって。大変だあ〜。
続いてよく水洗いしてから水に浸しておきます。水に浸す時間も柔らかくなりすぎないよう注意します。それから餅米と混ぜて、約20分蒸し器にかけます。
小さなゴミがついていないか人の目でチェック!
水でよく洗ったら水に浸し、その後、餅米と混ぜます。
約20分、蒸し器にかけます。
蒸しあがったら峯さんが外の広場に蒸し器を移動させます。蒸し器から石臼の中へ中身を移し、杵を使いながらいもと餅米、さらにきび砂糖をなじませます。ここから山下さん親子の出番。みんなで力を合わせて搗(つ)きます。
「おいしくなあれっていいながら搗くと、おいしくなるからね!」
峯さんに励まされて搗きますが、なかなかOKがでません。
「つぶつぶがなくなるまで、頑張って!」
蒸しあがったかんころはやわらかくなっています。
石臼と杵を使い、きび砂糖を加えてペッタン、ペッタン!
つぶつぶがなくなるまで搗き続けます。これが結構シンドイ!
峯さんのOKが出た頃には、やわらかくて滑らかなかんころ餅の塊ができました。
テーブルの上に置いて、さあ、丸めよう!としたら、峯さんが「丸める前に、食べてみようか?作りたてのかんころ餅はなかなか食べられないからね」とすすめます。
響叶くんが思いっきり大きなかんころ餅にかぶりつきます。
「おいしい!」
大夢くんとお父さんもできたてのかんころ餅をいただきます。
「やわらかくておいしい!」「つぶが少しあるのがいいね!」
ひとしきりいただいた後は、自分好みの形に丸めていきます。
お店で見るかんころ餅のような細長い形、手のひらサイズの形、ハート形・・
夢中で作っています。
初めてのかんころ餅づくりは、親子の楽しい思い出になりました。
草加家では、毎月第3土曜日に市場が開かれ、かんころ餅つきが体験でき大好評だとか。
皆さんもぜひ参加してみて下さい。
文・写真 中尾知徳
丸める前に丸かじり!できたてはおいしい!
自分の好きなように丸めよう!
初めて親子で作ったかんころ餅。楽しい思い出になりました。
掲載日:
2019/02/27
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