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冒険 089

港の見える高台にある「グラバー園」、長崎居留地時代の様子を楽しく学んでみよう!

長崎市の南山手の丘の上にあるグラバー園は、幕末から明治時代に長崎で活躍したスコットランド出身のトーマス・ブレーク・グラバーなどの貿易商が住んでいた所です。園内には、最初からそこに建てられていた建物と別の所から移設した建物があります。

ではまず最初からあった建物、「旧グラバー住宅」「旧リンガー住宅」「旧オルト住宅」を見てみましょう。これらの建物の中で、1863年に建てられた旧グラバー住宅は、現存する木造洋風建築では日本最古。世界遺産にも登録されています。この住宅内には温室まであるんですよ。

旧リンガー住宅はベランダのある木骨石造の住宅です。ここにはグラバー商会に勤めていたフレデリック・リンガーが住んでいました。

そしてもう一つの建物が、モッコウバラに囲まれた美しい旧オルト住宅です。ここはオルト商会を設立したウィリアム・ジョン・オルトの住居でした。

  • ©長崎県観光連盟
    旧グラバー住宅

  • 旧リンガー住宅

  • 旧オルト住宅

グラバー園には別の所から移築した建物がたくさんあります。その中の主なものを紹介しましょう。

「旧ウォーカー住宅」は以前は大浦天主堂の近くにありました。その頃は現在のグラバー園内の敷地よりも4倍近い広い敷地があったそうです。この住宅にはイギリスの船長ロバート・ウォーカーの次男ロバート・ウォーカー・ジュニアが住んでいました。

園内の一番高い場所に移設された「旧三菱第2ドックハウス」は、長崎港に停泊する船の乗組員用の宿泊施設として長崎港の船着き場近くに建てられていました。

「旧ウォーカー亭」の目の前にある「旧自由亭」というレストランは、長崎市内の諏訪神社下にありました。このレストランは日本で最初の西洋料理店として知られていますが、今は喫茶店としてオープンしています。

  • 旧ウォーカー住宅
    昔は大浦天主堂の近くにありました。

  • 旧三菱第2ドックハウス
    昔長崎港近くにあった船員の宿舎

  • 旧自由亭
    日本で最初の西洋料理店

グラバー園は南山手の高台に立っていますから、園内からは長崎港や稲佐山の美しい風景が展望できます。また、園内にはあちこちに花壇が作られ1年を通してさまざまな花を楽しめます。特に春から初夏にかけてはバラやアジサイなど開花する花の種類が多く、訪れる人の目を楽しませてくれます。

グラバー園中央には「三浦環像前広場」があります。ここにはテラス席があって、洋風のテーブルや椅子が置かれています。天気の良い日にはここに席を取って、広場にある売店で買った飲み物や軽食を味わうと良いかもしれません。
そして、グラバー園の園内で楽しめるもう一つが冬に開かれるイルミネーションと夏のライトアップ。園内が光り輝きます。

  • 長崎港と稲佐山が展望できます

  • ©長崎県観光連盟
    見事に咲いたアジサイの花

  • 散策の途中ではテラス席でゆっくりしてください。

グラバー園を見学していると3つの像に出会います。1つは旧グラバー住宅の住人で、歴史にその名を残しているトーマス・グラバーの像、そして後の2つが、歌劇「蝶々夫人」で主役の蝶々夫人を演じた日本で最初のソプラノ歌手「三浦環」の像とその歌劇を作曲したイタリアの作曲家「プッチーニ」の像です。
歌劇「蝶々夫人」は、昔長崎の山手居留地に住んでいたアメリカ人と日本人女性の恋物語にもとづいて作られた作品。そのためその記念として三浦環の像を作りました。プッチーニ像は白の大理石でできた像で、故郷のイタリアとマダムバタフライ・コンクール協会から日本とイタリアの友好と世界平和を願って贈られたものです。

  • ©長崎県観光連盟
    幕末から明治初期に活躍した貿易商トーマス・グラバーの像

  • ©663highland
    https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17982269
    「蝶々夫人」の主役を務めた日本で最初のソプラノ歌手三浦環の像

  • 「蝶々夫人」を作曲したイタリアのプッチーニの像

グラバー園には、気を付けて見るといろいろ面白いものがあります。一つはハートストーン。これは園内に敷かれた石畳の中にハート形の石が2つあり、それを見つけると恋が叶うと言うものです。
次が、旧グラバー住宅内の天井に開けられた四角い穴。「坂本龍馬のかくれ部屋」だったという説もありますが、ただの物置だったという説もあり、真相はわかっていません。
それからもう一つは、これも旧グラバー住宅にあるのですが、住宅内のテーブルに料理のサンプルが展示されています。これは住宅に残っていたレシピに基づいて再現したものですが、グラバー達が毎日食べていたものではなく、パーティ用の料理だったそうです。

長崎港や稲佐山の美しい風景が展望できるグラバー園。園内に建てられた当時の住宅を中心に、長崎の居留地時代の特徴、文化・芸術まで色々なことを楽しく学んでみませんか?

文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

  • 石畳の中に埋められたハートストーン

  • ©Masoud Akbari
    https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=55096443
    「坂本龍馬の隠れ部屋」という説もある天井裏部屋

  • ©663highland
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Glover_Garden_Nagasaki_Japan69s3.jpg?uselang=ja
    グラバー達はパーティーではこんな食事をしていた

掲載日: 2019/02/19
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
グラバー園
TEL
095-822-8223
住所
〒850-0931 長崎県長崎市南山手町8-1

〒850-0931 長崎県長崎市南山手町8-1

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
グラバー園には専用の駐車場なし。
営業時間
8:00~18:00(通常期間)
夜間ライトアップ時、8:00~21:00 もしくは21:30、時期により終了時間変わる。
定休日
年中無休
対象年齢
全年齢
料金
一般   610円
高校生  300円
小中学生 180円
アクセス
路面電車「大浦天主堂」電停下車、徒歩7分。
公式サイト
http://www.glover-garden.jp/
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