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長崎市の中島川には20以上もの橋が架かる!橋めぐりをしてみよう!

長崎市の市街地には浦上川と中島川という2つの川が流れ長崎港に注いでいます。長さや流域面積では浦上川の方が大きいのですが、観光客がたくさん訪れるのが中島川です。というのも、中島川には20以上もの橋が架けられ、川に沿って散策ができるように整備されているからです。橋のほとんどが石橋で、中には文化財に指定されているものもあります。どんな橋がかかっているのか、中島川の橋めぐりに出かけてみましょう。

桃渓橋(ももたにばし)は、中島川がちょうど支流と交わる場所に架かるアーチ型の石橋です。最初の橋は1679年に架設されました。1982年の長崎大水害で一部が破損しましたが1985年に復元されました。今でも最初に作った石畳などが残っています。
桃渓橋ができる前、住民たちは生活が不便でたいへん困っていました。そうした住民を助けるために中国出身の僧「ト意(ぼくい)」がお金を集めて作ったものです。この僧の貢献に感謝し、橋の近くにある月桂山・光雲寺の山門入口には、ト意地蔵が建てられています。
桃渓橋の名前は、近くに桃の木がたくさんあったことからつけられました。橋は長崎市の有形文化財に指定されています。

  • ©長崎県観光連盟
    長崎市の有形文化財に指定されている桃渓橋

  • ©長崎県観光連盟
    きれいなアーチ型をした石橋です。

  • ©長崎県観光連盟
    最初に作られた石畳が今でも残っています。

中島川の橋の中で一番良く知られているのが眼鏡橋です。橋が川面に映ると、本物の橋のアーチと川に映ったアーチが円形を描き、ちょうど眼鏡のように見えることから眼鏡橋の名前が付けられました。東京の日本橋、山口県岩国市の錦帯橋(きんたいきょう)と並んで日本三名橋の一つに数えられています。

眼鏡橋ができたのは1634年。日本で初めて作られたアーチ式の石橋として知られており、国の重要文化財に指定されています。1982年に起きた長崎大水害で一部破損しましたが、次の年に復元されました。
眼鏡橋付近は中島川公園として川岸も良く整備され下に降りて行くことができます。川の護岸の石垣の中にハートの形をしたストーンがはめ込まれているので見つけてみましょう。

  • ©長崎県観光連盟
    本物の橋のアーチと川に映ったアーチが円形になり眼鏡のように見える眼鏡橋。

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    眼鏡橋はその美しさから、日本三名橋の一つに数得られています。

  • ©長崎県観光連盟
    日本で最初に作られたアーチ式の石橋である眼鏡橋は国の重要文化財に指定されています。

中島川に架かっている橋の中で、桃渓橋と並んで長崎市の有形文化財に指定されているのが「袋橋」です。袋橋もアーチ型の石橋ですが、いつ架設されたのかは記録が残っていません。ただ推定では1650年頃と考えられていて、眼鏡橋に次いで古い石橋です。架かっている場所も眼鏡橋の隣です。
見た目の美しさは眼鏡橋には勝てませんが、構造的に大変頑丈に作ってあるため、車の通行が可能です(ただし一方通行)。
元の橋は桃渓橋や眼鏡橋と同じように、1982年に起きた長崎大水害の際に被害を受け、アーチ部分だけ残して崩落してしまいました。そのため、流された橋の石材を拾い集めて、1985年に復元され現在に至っています。

  • ©長崎県観光連盟
    中島川に架かる橋の中で2番目に古い袋橋。構造的に丈夫なので車も通行できます。

  • ©長崎県観光連盟
    水害の時に流された石材を集めて1985年に復元されました。

  • ©長崎県観光連盟
    袋橋は長崎市の有形文化財に指定されています。

中島川の河口から数えて7番目にある鉄橋(てつばし)は、長崎の繁華街浜町アーケードの西側の入口にあります。正式名「鐵橋(くろがねばし)」。1868年に架けられた日本で最初の鉄製の橋で、全幅が6メートルあります。架設当時、橋の歩道面は板張りでした。その頃は下駄を履いている人が多かったので、歩くと下駄が板にぶつかる音が良く響いたと言われています。
1931年2代目の橋に架け変えられた時に鉄筋コンクリートに作り直されました。そして1990年、現在の3代目の橋に架け変えられました。現在は歩行者専用の橋として利用されています。
鉄橋の周辺にはバス停や電停があり、また繁華街にも近いので、長崎市におけるさまざまな活動やイベントの重要スポットの一つになっています。

  • 出典:ウィキペディア
    1868年に架けられた初代の鉄橋。歩道面は板張りになっていました。

  • ©長崎県観光連盟
    現在の鉄橋は3代目。鉄筋コンクリートでできています。

  • ©長崎県観光連盟
    歩行者専用に使われている鉄橋は、長崎市の活動やイベントにとって大事なスポットになっています。

中島川もいよいよ河口に近づいてきました。最後に紹介するのは出島表門橋です。
昔日本が鎖国だった時代に、海外との交易のために唯一開港していたのが長崎でした。そしてその長崎の中でも取引が行われたのが出島。外国人はこの出島に居住し、そこから日本国内に移動することは許されませんでした。その出島と長崎本土を結んでいたのが出島表門橋でした。ところが、日本が開港すると出島もその役目を終え周辺は埋立地となってしまい、橋も撤去されてしまいました。
近年になり、出島の復元整備事業が始まり、その一環として、2017年に新しい出島表門橋が架けられました。シンプルでモダンなそのデザインは、2018年、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞を受賞しました。

ちなみに、出島付近にはもう一つ「出島橋」と呼ばれる橋が架かっています。この橋は日本最古の鉄製の道路橋で出島町と江戸町を結んでいます。石橋の多い中島川の橋の中にあって、出島橋は細い鉄骨が組み合わされたプラットトラスと呼ばれる構造を持ち、他の橋とは趣が異なります。

20以上もの橋が架かる長崎市の中島川。その橋の中でも文化財に指定されている3つの石橋と特徴のある鉄橋、そしてグッドデザイン賞を受賞した出島表門橋を紹介しました。橋の一つ一つにそれぞれの物語があり、その物語を知れば、また違った目で橋を見ることができますね。ぜひ中島川の橋めぐりを楽しんでください。

  • 出典:ウィキペディア
    日本で唯一海外との交易が行われていた長崎市の出島。

  • ©長崎県観光連盟
    2017年、出島と長崎市本土を結ぶ出島表門橋が新しい姿で復活しました。

  • ©長崎県観光連盟
    出島町と江戸町を結ぶ出島橋

写真提供:長崎県観光連盟ほか
文:Setsuko Truong
メルボルン在住のフリーランスライター。旅とアートが趣味で日本国内・海外あちこち旅してきました。長崎は好きな町の一つ!そんな長崎の魅力をお伝えしたいと思います。

掲載日: 2020/09/04
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。

インフォメーション

スポット名
桃渓橋 / 眼鏡橋 / 袋橋 / 鉄橋 / 出島表門橋
TEL
095-829-1193(長崎市文化財課)
住所
【桃渓橋】〒850-0018 長崎県長崎市伊勢町1
【眼鏡橋】〒850-0874 長崎県長崎市魚の町
【袋橋】〒850-0854 長崎県長崎市銀屋町
【鉄橋】〒850-0853 長崎県長崎市浜町
【出島表門橋】〒850-0862 長崎県長崎市出島町6-6

【桃渓橋】〒850-0018 長崎県長崎市伊勢町1

【眼鏡橋】〒850-0874 長崎県長崎市魚の町

【袋橋】〒850-0854 長崎県長崎市銀屋町

【鉄橋】〒850-0853 長崎県長崎市浜町

【出島表門橋】〒850-0862 長崎県長崎市出島町6-6

※お出かけの際には事前に位置をお調べすることをお勧めいたします。
駐車場情報
なし
営業時間
定休日
対象年齢
全年齢
料金
なし
アクセス
【桃渓橋】諏訪神社前電停から徒歩すぐ
【眼鏡橋・袋橋】めがね橋電停から徒歩3分
【鉄橋】西浜町電停から徒歩すぐ
【出島表門橋】出島電停から徒歩5分
公式サイト
桃渓橋・袋橋 https://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000718.html
眼鏡橋 https://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000713.html
鉄橋 https://www.city.nagasaki.lg.jp/sumai/660000/666000/p010206.html
出島表門橋 https://nagasakidejima.jp/
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