長崎市の大浦天主堂の辺りを歩いていると、マンホールの図柄になっているアジサイが水色やピンクに塗られているものを見つけました。「キレイ!」思わず、まじまじと見つめてしまいます。市内でよく見るマンホールは、同じようにアジサイがデザインされていますが、黒っぽい色のものです。
この色を塗った目立つマンホールがどうして作られたのか、長崎市の上下水道局に尋ねてみると・・・
「下水道に興味、親しみを持ってもらおうと、長崎市だけでなく全国各地でデザインマンホールが設置されているんですよ」とのこと。
それを聞いて、改めて下を向いて歩いてみると、マンホールのふたの図柄の興味深いこと!面白いマンホールがないか、歩いていても気になるようになりました。
色がついたアジサイのマンホールは、大浦天主堂の前の通りに
水色とピンクのアジサイ柄があるようです
こちらが一般的な長崎市のマンホール(下水道)のふた。色が着いているだけで、目を引きます
すると、大村市でもJR大村駅周辺で着色した図柄のマンホールを発見!こちらは、大村市の花・オオムラザクラをモチーフにしています。
しかも、「こういうの、知ってますか?」と市役所の職員の方に教えていただいたのが、その名も「マンホールカード」。表には、マンホールふたの写真や設置している自治体名、設置されている場所(緯度経度で記してあるのがカッコイイ!)などが書かれ、裏にはそのデザインの由来などが記されています。
洗面所や台所などで使った水が流れていく下水道は、私たちの生活には欠かせないものですが、汚いとかくさいとか、あまり良いイメージを持たれていません。そこで、「下水道広報プラットホーム」が「楽しみながら下水道への理解や関心を深めてほしい」と2016年からマンホールカード発行の取り組みを始めました。これまでに、全国で646の自治体と3つの団体があわせて915種類のマンホールカードを製作したそうです。そして、これらのカードは全て無料で配布されていて、大勢の人たちがカードのコレクションをしています。
長崎市に来なければもらえないアジサイ柄のマンホールカード、大村市に行かなければ見られないマンホール、であることから、その場所へ「行く」きっかけになる「観光ツール」としても注目されているそうです。
大村市のマンホールはオオムラザクラのデザイン。JR大村駅周辺で見つけました
マンホールカード。九州はピンクの縁取り。全国を巡って集めたくなりますね
全国の「ご当地マンホール」がこんなにたくさん!(「下水道広報プラットホーム」のホームページより)
マンホールを見に、あるいはカードを集めにその土地に行ってみたい、というマニアやコレクターの気持ちをさらに高めそうなのが、長崎市や南島原市が製作した人気キャラクターのデザインマンホールです。
長崎市では、市内出身の漫画家・渡辺航さんの『弱虫ぺダル』(©渡辺航(秋田書店)2008)のキャラクターを描いたデザインマンホールを観光施設など27カ所に設置しました。下水道供用開始60周年を記念した企画とのことですが、昨年(2022年)1月からの1年間で4800枚のマンホールカードが配布されました。そして受け取った人の3割が県外在住の方だったそうです。(ちなみに、アジサイのマンホールカードは2016年から2023年1月までに1万3900枚を配布。うち7割が県外在住者でした)。また、受験シーズンには、マンホールが「丸くて、すべらない、落ちない」ように作られていることから、受験のお守りにと、期間限定の「絵馬風」カードを1週間に1000枚も配布したとのことです。
長崎市│「弱虫ペダルマンホール」が長崎市に登場!! (nagasaki.lg.jp)
長崎県内には8種類のマンホールカードがあり、その種類、配布場所は以下の通りです。(下水道広報プラットホームホームページの情報より)
・長崎県「流域下水道」:(配布場所)大村湾南部浄化センター、諫早物産ホール諫早観光物産コンベンション協会、大村公園観光案内所)
・長崎市(アジサイ):南山手地区町並み保存センター
・長崎市(弱虫ペダル):旧香港上海銀行長崎支店記念館
・佐世保市:くっけん広場
・諫早市(眼鏡橋):諫早市物産ホール、諫早市役所
・大村市(オオムラザクラ):大村公園観光案内所
・壱岐市(鬼凧):壱岐市役所郷ノ浦庁舎
・南島原市(原城と天草四郎):有馬キリシタン遺産記念館
さらに、道路には設置されていないものの、南島原市では、人気アニメ『邪神ちゃんドロップキックX』(©ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキックX製作委員会)の舞台となったのを機に、コラボマンホールが作られました。『邪神ちゃん~』はファンが「聖地巡礼」と称してロケ地をめぐるほどの人気で、このマンホールは邪神ちゃんと雲仙普賢岳や地元の海水浴場が一緒に描かれています(温泉宿泊施設・原城温泉真砂に展示中)。
南島原市では、すでに原城と天草四郎のデザインマンホールとマンホールカードがあり、市の担当者の方によると、カードをもらいに来る人が毎日いるほどの人気ぶり。邪神ちゃんのマンホールも2022年秋に展示して以来、多くのファンが写真を撮りに市を訪れているということで、来訪者増加や知名度アップに大きく貢献しているようです。
さっそく、県内をめぐってマンホールカードを集めたくなってきました。そして、私たちが住む町ではどんな図柄のマンホールなのかも興味が沸いてきませんか?ぜひ、チェックしてみてね。
『『弱虫ぺダル』©渡辺航(秋田書店)2008のキャラクターが描かれたマンホール。長崎市内で探してね!
人気アニメのキャラ「邪神ちゃん」がマンホールで南島原市とコラボ
邪神ちゃんのデザインマンホールの展示会場(温泉宿泊施設・原城温泉真砂)
写真・文:冒険する長崎事務局
掲載日:
2023/03/07
※掲載している情報は記事公開時点のものです。変更される場合がありますので、お出かけの際には事前に各施設へお問い合わせください。
【大村湾南部浄化センター】諫早市貝津町1410
【大村公園観光案内所】大村市玖島1-45-3
【長崎市南山手地区町並み保存センター】長崎市南山手町4-33
【旧香港上海銀行長崎支店記念館】長崎市松が枝町4-27
【くっけん広場】佐世保市下京町8-10
【諫早市物産ホール】諫早市高城町5-10
【諫早市役所】諫早市東小路町7-1
【壱岐市役所郷ノ浦庁舎】壱岐市郷ノ浦町本村触562
【有馬キリシタン遺産記念館】南島原市南有馬町乙1395